バンガード・FTSE・オールワールド・ハイディビデンド・イールド・UCITS(VHYL)を分析。世界中の高配当株にまとめて投資できるETF
つみたて次郎です。
今回は、バンガード・FTSE・オールワールド・ハイディビデンド・イールド・UCITS(VHYL)を分析していきます。
名前の通り全世界の高配当株式にフォーカスした海外ETFとなっており、VYM+VYMIを1本で完結させたような内容になっています。
ベンチマークはFTSE オールワールド・ハイディビデンド・イールド・インデックスとなっており、全世界の大型株及び中型株のうち配当利回りが平均よりも高い銘柄に投資する方針となっています。
全世界株式ファンドとして人気の高いバンガード・トータル・ワールド・ストック(VT)を比較相手として分析していきたいと思います。
また、事前にお伝えしますがマイナー海外ETFなので、当然のように国内証券での取り扱いはなし…どころか米国市場にすら上場していないため、実際に投資するのは非常に面倒であるという点を事前にお伝えします。
上場先はロンドン・スイス・NYSEユーロネクスト・ドイツ・イタリアとなっています。
外部リンク…ファクトシート(バンガード®・FTSE・オールワールド・ハイディビデンド・イールド・UCITS・ETF)
ティッカーシンボルはVHYLが基本となっていますが、上場先によっては微妙に違っています。
目次
各種指標(2020/4/30現在)
それぞれのデータをまとめていきます。
VHYL(高配当) | VT(全体版) | |
信託報酬 | 0.29% | 0.08% |
銘柄数 | 1,638銘柄 | 8,437銘柄 |
PER | 12.5倍 | 17.2倍 |
PBR | 1.3倍 | 1.9倍 |
配当利回り※ | 4.0% | 2.5% |
※配当利回りは5月29日現在。
信託報酬はやや高めですが、各種指標はかなり割安になっていますね。
ただし、バンガードETFらしく時価総額加重平均インデックス指数をベンチマークにしているので、配当利回りは高配当ETFながらそこそこの水準にとどまっています。
国別の構成比率(2020/4/30現在)
本ETFにおける最大の特徴といえるのが、国別の構成比率です。
VHYL(高配当) | VT(全体版) | |
米国 | 39.3% | 57.4% |
日本 | 8.2% | 7.5% |
イギリス | 8.2% | 4.3% |
スイス | 5.9% | 2.7% |
中国 | 4.1% | 4.3% |
オーストラリア | 3.5% | 1.9% |
ドイツ | 3.5% | 2.3% |
フランス | 3.4% | 2.5% |
台湾 | 3.4% | 1.7% |
カナダ | 3.2% | 2.6% |
その他 | 17.3% | 12.8% |
VTと比較すると米国株が大きくアンダーウェイトされており、逆張り的な性質が強くなっています。
配当利回りをスクリーニング基準とすると、米国株よりもそれ以外に投資妙味があるということですね(辛)
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セクター比率(2020/3/30現在)
セクター※ | VHYL(高配当) | VT(全体版) |
金融 | 26.2% | 19.4% |
消費財 | 15.3% | 10.9% |
ヘルスケア | 12.4% | 12.6% |
資本財 | 8.9% | 12.8% |
石油・ガス | 8.1% | 3.6% |
テクノロジー | 7.9% | 18.7% |
公益 | 6.6% | 3.5% |
通信 | 6.1% | 2.7% |
素材 | 4.4% | 3.9% |
消費者サービス | 4.1% | 11.9% |
※一般的なセクター分けではないのでご注意ください。
時価総額加重の高配当ETFらしく金融セクターが多めですが、極端に多いという感じではないですね。
やはり最大の違いはテクノロジーセクターに現れていますね。
また、消費財多め・消費者サービス少なめという特徴もありますが、これも配当・バリューETFによく見られる傾向であり、一般的な区分けにおける生活必需品セクター銘柄が多く含まれていることが原因かと思われます。
銘柄別構成比率(2020/2/14現在)
順位 | 銘柄※1 | 地域 | セクター※2 | 構成比率 |
1位 | JNJ | 米国 | ヘルスケア | 2.2% |
2位 | ネスレ | スイス | 生活必需品 | 1.7% |
3位 | JPM | 米国 | 金融 | 1.7% |
4位 | PG | 米国 | 生活必需品 | 1.6% |
5位 | TSMC | 台湾 | 情報技術 | 1.4% |
6位 | ロシュ | スイス | ヘルスケア | 1.4% |
7位 | VZ | 米国 | コミュニケーションサービス | 1.3% |
8位 | T | 米国 | コミュニケーションサービス | 1.2% |
9位 | PFE | 米国 | ヘルスケア | 1.2% |
10位 | MRK | 米国 | ヘルスケア | 1.1% |
※1…米国株はティッカー、その他は略名で表記しています。
※2…こちらでは一般的なセクター区分けを採用。
米国株比率は高くありませんが、構成銘柄上位の多くは米国株が占めていますね。
また、セクター別比率ではそこまで多くないヘルスケア銘柄の割合が4銘柄もランクインしています。
時価総額加重インデックスの場合、上位10銘柄でポートフォリオを組んでもそれっぽくなることが多いですが、VHYLに関してはちょっとバランスが悪いですね(笑)
トータルリターン比較
大人の事情でチャート比較ができませんでした。
お兄さん許して~♂
また、VHYLの設定は2013年5月と比較的最近なので、申し訳程度の年別トータルリターンをまとめた表でも張っておきます。
VHYL(高配当) | VT(全体版) | |
2014年 | +1.24% | +1.50% |
2015年 | -5.21% | -4.18% |
2016年 | +10.61% | +6.12% |
2017年 | +19.05% | +21.44% |
2018年 | -11.56% | -11.76% |
2019年 | 21.26% | 23.70% |
※どちらも米ドル建て。
2016年と2018年はVTに勝っていますが、トータルでは大きく負けていますね(高配当ETFの宿命)
また、それぞれ年初来最高値~3月23日の底値におけるドローダウンはVHYLが-30%・VTが-35%となっています(米ドル建て換算)
高配当ETFらしからぬ(?)ディフェンシブ性を発揮しています。
有力ETFの一角だが…
高配当系のファンドは多数存在していますが、全世界まとめてというコンセプトの商品は非常に少ないです。
日本から投資する場合は日本・米国・新興国のいずれかに特化したものがほとんどかと思います。
各地域の構成比率にこだわらず※配当利回りのみをスクリーニング基準にするという意味では、高配当戦略の基本ともいえる内容だといえます※
※ファクトシートには「ベンチマークは、先進国および新興国市場で平均より高配当の大型株および中型株(REITを除く)で構成されています」と記載されているので、ある程度地域別の調整はあるかもしれません。
外部リンク…外部リンク…ファクトシート(バンガード®・FTSE・オールワールド・ハイディビデンド・イールド・UCITS・ETF)
ただ、最初に説明したとおり米国市場に上場していないので、実際に投資しようとなるとかなり面倒なことになりそうですね(辛)
また、VYM+VYMIでほぼ同じようなものを再現できますし、こちらの方が信託報酬も若干安く済みます。
VHYL100%→0.29%
VYM40%+VYMI60%→0.186%
これならば米国と米国外の比率も自由に調整できます(これは一概にメリットとも言えませんが)
仮にVHYLにアクセスできる環境があったとしても、VYMIのほうが人気を集めそうな感じはしますね。
参考記事…バンガード・米国外高配当株式(VYMI)を分析。VYMと対になるスマートベータ系ETF
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