米国小型株のバリューとグロースを比較(VB・VBR・VBK)
つみたて次郎です。
バンガード社では、米国市場の時価総額の小さい企業の株式にまとめて投資できるバンガード・スモールキャップ(VB)という海外ETFが運用されています。
時価総額の小さい株式は、ハイリスクハイリターンになりやすい傾向にあり、「小型株効果」と呼ばれる有名なアノマリーの1つです。
そしてVBは、その小型株効果を期待して投資するのにピッタリな商品となっています。
そしてVBの兄弟商品として、下記の2商品があります。
・バンガード・米国スモールキャップ・バリュー(VBR)
・バンガード・米国スモールキャップ・グロース(VBK)
名前から分かるとおり、米国小型株のうちバリューまたはグロースに特化したETFです。なお、VBにはなぜか「米国」の文字がありませんが、投資先は米国内のみなので同ジャンルです。
今回は、これら3商品の各データを比べていきたいと思います。
VB vs VBR vs VBK (2018/4/30現在)
項目 | VB(全体) | VBR(バリュー) | VBK(グロース) |
信託報酬 | 0.05% | 0.07% | 0.07% |
銘柄数 | 1436 | 885 | 676 |
PER | 19.7倍 | 16.1倍 | 28.2倍 |
PBR | 2.3倍 | 1.8倍 | 3.5倍 |
ROE | 9.2% | 9.3% | 8.8% |
利益成長率 | 12.0% | 7.5% | 18.8% |
売買回転率 | 14.5% | 19.3% | 19.4% |
銘柄数を見ると、ちょうどVB≒VBR+VBKに近い数字になっています。おそらくですがバリューとグロースに重複する銘柄はほぼないと思われます。
各指標も大体VBRとVBKの中間がVBとなっていますが、ROEだけはVBが一番低いので不思議です。
売買回転率は、VBよりもVBR及びVBKのほうが高くなっています。バンガード社のETFは売買回転率が低めになることが多いですが、やはり小型株は入れ替えが頻繁になるようですね。
次にセクター比率を確認してみます。
VB vs VBR vs VBK (2018/4/30時点)
セクター | VB(全体) | VBR(バリュー) | VBK(グロース) |
金融 | 25.2% | 31.6% | 17.4% |
情報技術 | 12.1% | 7.2% | 18.1% |
資本財 | 19.8% | 19.3% | 20.5% |
消費者サービス | 12.2% | 11.1% | 13.5% |
ヘルスケア | 10.3% | 5.3% | 16.5% |
消費財 | 6.5% | 7.0% | 5.9% |
エネルギー | 5.2% | 5.1% | 5.3% |
公益 | 3.8% | 6.6% | 0.3% |
素材 | 4.5% | 6.4% | 2.2% |
電気通信 | 0.4% | 0.4% | 0.3% |
セクター比率は、いずれもVBRとVBKの中間がVBという形になっています。
バリューであるVBRは金融が多く、グロースであるVBKには情報技術が多くなっているのが特徴です。
米国小型バリュー(VBR)と米国小型グロース(VBK)のチャートを比較してみます。
過去10年では、グロースのほうが好調でした。配当利回りはVBRが約1.9%、VBKが約0.7%なっていますが、トータルリターンでもVBKのほうが勝っています。
大型株を含めた市場全体で見ても、過去10年ではバリューよりもグロースが優勢でした。
小型株が市場平均をアウトパフォームした理由は、ボラティリティが高いことや、取引コストが高いといった悪材料により割安に放置されやすかったという説がありますが、アノマリーである以上ハッキリとした理由はなく、今後継続するかは分かりません。
また、小型株効果の大部分は取引が困難な超小型株による超過リターンであるという説明もあり、果たして小型株ETFで恩恵を享受できるのかという懸念もあります。
つみたて次郎としては、財政基盤の強い大型株が好みなので、小型株はあまり好きではありません。
とはいえ、過去長期的に小型株のリターンが良いことは事実ですし、バリューやグロースとかけ合わせることでピンポイントな部分に投資できる環境が整っています。
小型株という括りで見ても、幅広いジャンルから選べる海外ETFは素晴らしいですね。
ブログ村ランキング
スモールキャップ次郎