バンガード・スモールキャップ(VB)分析
つみたて次郎です。
今回は、バンガード・スモールキャップ(VB)を分析していきます。
米国株式市場の小型株を中心に構成された海外ETFです。
米国市場への投資というと、大型株500社で構成されるS&P500が有名ですが、それらに含まれない時価総額の小さい企業に投資することができます。
歴史的に時価総額の小さい小型株は、市場平均を超えるリターンをもたらしてきたというデータもありますから、サテライト戦略として小型株の比率を高めたいときに有力な投資対象となります。
バンガード・スモールキャップETF(2018/3/31現在)
項目 | データ |
信託報酬 | 0.05% |
銘柄数 | 1433 |
PER | 20.2倍 |
PBR | 2.3倍 |
ROE | 9.4% |
利益成長率 | 11.7% |
売買回転率 | 14.5% |
信託報酬は、先日引き下げられ0.05%になりました。
参考記事「バンガードETFの経費率が下がりました」
たった0.05%の信託報酬で、1400を超える小型株を買付することができます。小型株は基本的にハイリスクハイリターンになりやすいので、わずかなコストで分散投資できるのは素晴らしいですね。
個人的には、売買回転率が高いのが気になりました。
米国市場全体に投資するバンガード・トータル・ストック・マーケット(VTI)の場合は約4%なので、やはり小型株は銘柄入れ替えが頻繁に発生してしまうようです。
セクター比率を米国市場全体(VTI)と比較してみます。
VTI vs VB (2018/3/31時点)
セクター | VTI(米国全体) | VB(米国小型) |
金融 | 20.5% | 25.0% |
情報技術 | 19.4% | 12.6% |
資本財 | 13.1% | 20.3% |
消費者サービス | 13.1% | 12.1% |
ヘルスケア | 12.5% | 10.3% |
消費財 | 8.5% | 6.7% |
エネルギー | 5.5% | 4.6% |
公益 | 2.8% | 3.6% |
素材 | 2.5% | 4.4% |
電気通信 | 1.8% | 0.4% |
つみたて次郎は、初めて小型株のセクター比率を見た時とても驚いた記憶があります。
小型株は、イメージ的に情報技術や消費者サービスが多いのかなと思っていましたが、むしろ少なくなっています。
逆に、金融や資本財といった規模のメリットが働きそうな分野が多いのはとても意外でした。
構成比率1位の企業は、IDEXというポンプやバルブを手掛ける資本財セクター企業です。
ちなみに構成比率上位10銘柄に、つみたて次郎が知っている銘柄はありませんでした(泣)
米国市場全体(VTI)と米国小型株(VB)をチャートで比較してみます。
過去10年では、小型株の成績が良かったです。
配当利回りは、VBが約1.4%、VTIが約1.8%ですので差は縮まりますが、それを踏まえても高リターンとなっています。
小型株は、米国市場において高いリターンをもたらしていますが、時期によってその優劣はまちまちです。
参考記事「大型株<小型株」
また、ボラティリティは高めであり、上昇相場でよく上がり、下落相場でよく下がりやすいという特徴があります。
米国市場はしばらく好調が続いていましたので、今後来たる暴落局面で大幅下落してしまう可能性には注意しなければなりません。
長期的なリターンを期待でき、ボラティリティが大きいという特徴を踏まえると、暴落局面で積極的に投資していきたい商品でもあります。
通常暴落局面では、下落の小さい大型株にスポットが当たりがちですが、そんな時こそ下がりまくった小型株を拾うチャンスにもなります。
ある意味、景気敏感株と同じく株式市場が悲観論で埋め尽くされたときにこそ輝く投資対象です。
実行するのは難しいですが、下落相場でこっそり仕込めたらかっこいいですね。
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スモール次郎