確定拠出年金(iDECO)は諸刃の剣

つみたて次郎です。

当ブログでは、2018年からスタートしたつみたてNISAを強く推進していますが、それと並び有名な非課税投資制度に確定拠出年金、通称iDECO(イデコ)というものがあります。

参考記事「確定拠出年金(iDECO)とは?

つみたてNISAや一般NISAと併用することが可能であり、長期投資家であれば必ず検討するべき内容です。

基本的には、毎月定額での積立を行うことになり、対象商品は元本保証商品から株式ファンドまで、リスク許容度に応じた商品の中から選ぶことができます。

加入できる期間は20歳~60歳となっており、早めに加入するほどよりお得になります。つみたて次郎は20歳から加入し、今のところ満額拠出しています。

拠出額は、国民年金上の立場によって変わってきますが、つみたて次郎のような企業年金がないサラリーマンであれば月額上限は23,000円となります。年額だと276,000円ですね。

そして60歳までの間は非課税で運用することが可能になります。そして60歳に到達した後は、一括で受け取るか数年に分けて受けとるかを選ぶことができます。

また、最大の特徴としては、掛金が全額所得控除になるということです。

つまり、掛金が減税という形で一部戻ってくるということになります。つみたて次郎は低所得者ですが、全所得のうち15%が住民税及び所得税として課税されていますので、単純に年間で276,000×15%=41,400円分の税金が浮いたことになります。

そしてこれを別の形で投資に回していけば、非常に有利な条件で資産形成を行うことができます。

運用中は非課税ですが、受け取り時は退職金扱いとなりますので、退職金が多い方だと一部課税される可能性がある点には要注意です。とはいえ、課税繰り延べ効果を考えれば些細な問題といっていいでしょう。

つみたてNISAや一般NISAの場合、あくまで運用中及び受け取り時に非課税というだけですので、よほど退職金が多い方でなければiDECOのほうが有利です。

ここまでは、iDECOのメリットですが、残念ながら致命的なデメリットがあります。

それは、60歳まで一切おろすことができないということです。

iDECOは、確定拠出年金の名前の通り年金ですので、国民年金や厚生年金に準ずる扱いとなります。

そのため、原則として途中で解約することはできません。

民間企業の個人年金等であれば、不利な条件付きで解約できたりしますが、確定拠出年金の場合は次のような条件を満たした場合のみ解約可能です。

 

・死亡した場合
・重度障害を負った場合
・拠出期間が3年以内or管理資産が25万円以下+いろいろ

 

管理資産25万円というのは、本当に序盤の時に限りますので、いかなる場合も自分の都合では引き出すことができないと考えて差し支えありません。

他国の類似制度の場合は、ペナルティ付きでの解約が可能のようですが、日本ではそのようなシステムがありません。

iDECOのような長期投資は、できるだけ若いうちに始めるのが得ではありますが、その分長期間資金が拘束されることになります。

つみたて次郎の様に20歳からスタートした場合、40年という超長期投資を強いられることになります。

あなたは40年後の自分を想像することができるでしょうか?少なくともつみたて次郎は見当もつきません。

少し大げさかもしれませんが、iDECOに加入するということは、人生の選択肢を狭めることに等しいです。

もしかしたら、住宅ローンを組む際の頭金にしたくなるかもしれないし、自分探しの旅に出かけたりするかもしれません。セミリタイアを目指し、60歳以前に退職しているかもしれません。

そうなったときに、iDECOに入っているお金は一切活用することができません。

若いうちからiDECOに加入して資金を強制拘束されるというのは、ある意味人生の悟りを開いているようなものです。

つみたて次郎は投資が趣味であり、運用目的は老後資金のためですので、iDECOを活用しないというのは考えられません。

しかし大抵の人は、若いうちから老後資金を蓄えようなんてしけた発想にはなかなかならないと思いますし、正直自分でもつまらない人間だなと思っています(泣)

投資・貯金というのは、それ自体が目的になってはならないし、お金は使ってこそ輝きます。

子供のころの1万円と大人になってからの1万円の価値が全く違って見えるように、20代のころの1万円と60代のころの1万円でも全く違って見えるでしょう。

若いころはお金はないけど元気がある、年を取るとお金はあるけど元気がないといった話はよく聞きます。

私たちの老後にお金があるかは知らんけど

特にやりたいことがないとしても、ケガや病気などで不意の出費があるかもしれませんし、iDECOに加入するということは、生活防衛資金の調整がシビアになってしまうことにもつながります。

だからこそ、iDECOは万人にオススメできる制度ではないと思っているし、もし軽い気持ちで投資を始めてみようと思うなら中途解約が自由に可能なつみたてNISAや一般NISAをオススメしています。

リアルで投資について相談されるときも、iDECOについてはかなり慎重な姿勢で説明するようにしています。

iDECOに加入することは、有利な条件で老後資金を形成できることと引き換えに、人生の選択肢を狭め、人生のリスクを増やすことになる諸刃の剣であることをしっかり理解していきましょう。

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いでこ二郎

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