大型株<小型株
シーゲル二郎です。
株式投資では、時価総額が大きい大型株よりも、時価総額が小さい小型株のほうが歴史的に高いリターンをもたらしたというデータがあります。
大型株とは、基本的には業界リーダーのような大企業がほとんどを占めています。日本のシーゲル派の多くは、大型バリュー株などの比重を高めた投資をしています。
その一方、小型株は上場したばかりの新興企業などが多く含まれています。銘柄ごとのリターンの差も大きく、勝ち組と負け組ははっきりと分かれます。市場平均に比べて変動幅が大きくリスクが高いです。
小型株が大型株を超えるリターンを生み出してきた理由は、流動性が低く、売買コストが高いといった不便や、リスクの大きさから割安な評価を受ける期間が多かったことが理由とされています。
米国市場における1926~2000年の企業サイズ別のリターンは次の通りです。
企業規模 | 幾何平均利回り | リスク(年率) |
上位10% | 10.26% | 19.00% |
上位20~10% | 11.32% | 22.70% |
上位30~20% | 10.59% | 24.50% |
上位40~30% | 11.52% | 27.60% |
上位50~40% | 11.32% | 30.10% |
下位50~40% | 11.31% | 30.20% |
下位30~20% | 11.27% | 34.70% |
下位20~10% | 12.59% | 34.70% |
下位10% | 16.71% | 49.30% |
参考文献「株式投資 長期投資で成功するための完全ガイド」
時価総額が小さいほうの10%は、圧倒的な高リターンを生み出しています。その分リスクも桁違いで、ハイリスクハイリターンを実現しています。
通常リスクとリターンは比例するといわれているので、納得できるかもしれませんが、変動幅の大きさとリターンは逆相関するというデータもあります。
参考記事「低ボラティリティ効果とは?」
そのため、小型株効果は一種のアノマリーであり、今後もこの傾向が続くかはわからないという考えもあります。
また、小型株には黄金期が存在しています。それは、1975~1983年の8年間です。
この期間で、小型株は複利35.3%という素晴らしいリターンを生みました。この期間に小型株ETFみたいな商品が開発されていれば、たった8年で資産を11倍以上に増やすことができました。
ちょうどこの8年間は、米国で大型成長株ブームを引き起こした「ニフティ・フィフティ」銘柄群が暴落し、小型株が注目され始めた時期と一致します。
S&P500 vs 小型株(下位20%)の複利利回り
S&P500 | 小型株 | |
全期間(1926~2006年) | 10.26% | 12.21% |
1975~1983年を除く全期間 | 9.56% | 9.61% |
参考文献「株式投資第4番」
小型株は、超長期では圧倒的に市場平均を上回っていました。しかし、黄金期の8年間を除くと、ほとんど差はありませんでした。
この結果を、「たまたま調子が良かった時期があっただけ」ととるか、「今後も小型株がアウトパフォームするタイミングが来る」と考えるかで、まったく違う景色が見えます。
この結果を裏返せば、時価総額換算で上位80%の集団は市場平均を超えることができなかったということです。
もし今後もこの小型株効果があるなら、「iFree S&P500 インデックス」よりも「楽天・全米株式インデックス」を買ったほうが高リターンになる可能性が高いです。
シーゲル二郎は、正直小型株効果はあまりないと思っています。小型株が高リターンだったのは、単に割安に放置されていた期間が長かっただけだといえるからです。
1975年からリターンが高かったということは、それ以前の期間に小型株は見向きもされなかったということになります。ブームの裏側にこそ、本当のお宝が眠っていることを痛感させられます。
したがって、投資で高リターンを求めるには、人気がないものに地道に投資をしていかなければなりません。
米国配当貴族指数は、販売当初こそ大きな話題になりましたが、今はシーゲル二郎くらいしか話題にしていないポンコツです。リターンがS&P500に劣っており、市場平均に乗り換える人が増えています。
そのため、シーゲル二郎はむしろ気合を入れて積み立てをすることができています。信託報酬が高いなどの問題があるので、上位となりうる商品が出れば投資対象を変えるかもしれませんが、人気のないものに投資をしていく姿勢は崩す事無く貫いていきたいと思います。
もちろん手数料負けして本当の負け犬になる可能性もありますが、フィリップモリス(PM)などの「人気がないことで人気になった」銘柄を多く抱えている人も安心はできませんよ。
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繰上償還だけはマジ勘弁