低ボラティリティ効果とは
シーゲル二郎です。
株式投資におけるアノマリーの1つに、低ボラティティ効果があります。
まずボラティリティとは、株価の変動の大きさです。安定した大企業の場合は、株価変動が緩やかなのでボラティリティが低い、逆に成長期の中小企業は株価変動が激しいのでボラティリティが高い、などといった具合に使います。
そして、この株価変動が少ない低ボラティリティの株式は、歴史的に市場平均を上回ってきたというアノマリーが、「低ボラティリティ効果」です。
通常、投資においては、リスクとリターンは比例するといわれており、低ボラティリティの株はリスクが小さいので、リターンも小さくなると思われていました。しかし実際は、長期において高リターンをたたき出しました。リスクは低いのにリターンが高いという金融の常識を無視した、最強の投資先だったのです。
そのため、現在は、ボラティリティが低い株を中心に集めたファンダメンタルインデックスが販売されており、人気を集めています。採用銘柄は、生活必需品セクターや公共セクターなど、不況でも株価が下落しにくい変動がゆるやかなモノが多く採用されています。
この謎は解明されていませんが、シーゲル二郎は一つ心当たりがあります。低ボラティリティな株は、上記のような不況でも株価が下落しにくい銘柄が多いです。そして、下落相場でも安定して利益や配当金を出すことができたので、配当金再投資による効果が高まり、市場平均をアウトパフォームしたのかと思います。
つまり、この低ボラティリティ戦略も、ジェレミー・シーゲル氏が提唱したセクター戦略や高配当戦略の親戚だと思います。株式市場は1つしかありませんから、アノマリーはどこかで別のアノマリーにつながっているのです。
そして、大げさではありますが、アノマリーの結論はみな「安定した株を買って配当金を再投資した」となるのだと思っています。
しかし、アノマリーはすべて過去をたどった結果にすぎなので、これからも低ボラティリティ効果が高いリターンを得られるかはわかりません。リスクが低くリターンが高い商品だったら、みんなが飛びついて買うので、割高になりリターンが激減してしまうかもしれませんね。
ですが、低ボラティリティ効果を選んだ投資家は、相対リターンでは市場平均にボロ負けだとしても、絶対リターンで損失が出る可能性は低いですから、そこは安心できますね。
米国配当貴族指数も、相対リターンは未知数ですが、絶対リターンでは安心できそうです。(ただし為替リスクは除く)