バンガード・米国スモールキャップ・バリュー(VBR)分析
つみたて次郎です。
今回は、バンガード・米国スモールキャップ・バリュー(VBR)を分析していきます。
米国市場のうち、小型株かつバリュー株な銘柄で構成される海外ETFです。
バンガードからは、米国小型株にまとめて投資できるバンガード・スモールキャップ(VB)という商品がありますが、それのバリュー版という立ち位置です。
小型株もバリュー株も歴史的に高いリターンをもたらしており、それを掛け合わせた小型バリュー株も優秀な成績を残しています。
サテライト戦略で保有するのにピッタリなETFです。
各データを、小型株全体をカバーするVBと併せて確認してみます。
VB vs VBR (2018/3/31現在)
項目 | VB(米国小型) | VBR(米国小型バリュー) |
信託報酬 | 0.05% | 0.07% |
銘柄数 | 1433 | 884 |
PER | 20.2倍 | 16.5倍 |
PBR | 2.3倍 | 1.8倍 |
ROE | 9.4% | 9.5% |
利益成長率 | 11.7% | 7.2% |
売買回転率 | 14.5% | 19.3% |
VBの0.05%には負けますが、VBRも信託報酬は0.07%と非常に低コストです。
銘柄数でみると、VBの半分強をカバーしているようです。PERやPBR等をもとにバリュー判定を行い、機械的に銘柄入れ替えされます。
小型株の宿命か、やはり売買回転率は高めになっています。
各指標をみると、いずれも小型株全体をカバーするVBよりも割安になっています。
セクター比率もVBと比較してみます。
VB vs VBR (2018/3/31時点)
セクター | VB(米国小型) | VBR(米国小型バリュー) |
金融 | 20.5% | 31.3% |
情報技術 | 19.4% | 8.1% |
資本財 | 13.1% | 19.7% |
消費者サービス | 13.1% | 11.1% |
ヘルスケア | 12.5% | 5.4% |
消費財 | 8.5% | 7.1% |
エネルギー | 5.5% | 4.4% |
公益 | 2.8% | 6.2% |
素材 | 2.5% | 6.3% |
電気通信 | 1.8% | 0.40% |
小型株自体が金融・資本財が多めになっていますが、バリュー株に分類される銘柄では特に顕著なようです。
グロース株が含まれやすい情報技術は、全体の半分以下しかありません。
米国小型株全体(VB)と米国小型バリュー株(VBR)をチャートで比較してみます。
過去10年では、グロース株も含めた全体のほうが高リターンで、小型バリュー株は不調だったようです。
配当利回りはVBが約1.4%、VBRが約1.9%くらいで推移していますが、トータルリターンでもわずかに負けています。
ちなみにバンガードからは、総合的なバリュー株ETFとしてバンガード・米国バリュー(VTV)という商品が出ていますが、こちらも過去10年では市場平均に負けています。
ただしVTVはVBRで採用されるような小型株は含まれておらず、大型株+中型株で構成されているような米国バリューETFですので、VTV+VBRを組み合わせると幅広いサイズの米国バリュー株をカバーできそうです。
さらに細かい説明をすると、バンガードからは大型バリュー株(MGV)、中型バリュー株(VOE)なんて商品も出ていますので、バリュー株に絞ってもこれだけ多彩な選択肢から選ぶことができます。
ここ最近は不調ですが、小型株×バリュー株という属性は過去長期で素晴らしいリターンをもたらしていますので、それぞれのアノマリーを信じるのであれば素晴らしい選択肢となりそうです。
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スモールバリュー次郎