積立投資の危険性(円建S&P500でシミュレーション)

シーゲル二郎です。

シーゲル二郎は、少ない給料からコツコツ積立投資を行う貧乏サラリーマン投資家です。

来年から始まる積立NISAの熱狂的な信者なので、積立投資が大好きだと思う人もいるかと思いますが、実は嫌いです。

なぜなら、積立投資は一括投資ができない人が仕方なく実践する、「弱者の投資法」だからです。

弱者といっても、月50万円積立しているバフェット太郎氏と、月5万積立しているシーゲル二郎では大きな違いがありますけどね(泣)

 

前回の記事で、S&P500の円建てリターンについて考察しました。

参考記事「S&P500円建て長期リターン

今回は、それを少し広げてみて、最高のケースと最悪のケースのシミュレーションをしてみます。

まずは、このグラフをお見せします。

参考資料「私のインデックス」及び「世界経済のネタ帳

1979を100とした場合の、1979~2016年におけるS&P500の推移です。

配当込み、円建て、物価調整済みのチャートなので、実際に日本人が得られたリターンに近いです。

1979年に投資して2016年まで保有し続ければ、投資資金が約19倍にまで成長したことになります。この場合、年リターンは約8.3%もありました。

長期投資では、保有期間が長くなるほど平均に収束するため、できるだけ長期間投資することが大切です。

来年から始まるつみたてNISAでは、非課税期間が20年と定められており、金融庁が考えた長期投資の区切りが20年であるということが読み取れます。

前回、最悪の20年間で一括投資と積立投資をシミュレーションしましたが、今回は、最高のケースも合わせて考えてみます。

おそらく最悪の20年間は、1989年~2008年かと思います。

1989年には、円建てで約48%上昇した時ですが、その直後の割高圏からスタートし、2008年のリーマンショックによる-50%で終了します。

逆に最高の年は、1988年~2007年かと思います。

1989年に発生した48%上昇の恩恵をしっかりうけて、2007年のリーマンショック直前で終了します。

たった1年の違いで、天国と地獄ともいえるリターンの差が生まれます。

1988~2007(最高) 1989~2008(最悪)
一括 約6.35倍 約2.16倍
積立 約2.60倍 約1.20倍

 

最初に一括で投資した場合と、毎年同じ金額を積立した場合の、投資金額の増加率です。まず、いずれにせよ元本割れしていない点は注目に値します。

たった1年の違いで、かなり大きな差になっています。また、どちらの場合も一括のほうが積立よりも良いリターンになっています。

年率リターン(幾何平均)

1988~2007(最高) 1989~2008(最悪)
一括 約9.7% 約3.9%
積立 約4.9% 約0.9%

 

年平均リターンで計算してみました。最悪×積立の場合、年率1%以下のリターンしか得られなかったことになります。

積立投資のほうが成績のブレが大きいことがよく分かります。積立投資は、上記のように積立期間中が好調で、取り崩し気に暴落がくると非常に危険ということですね。

積立投資は、一括投資よりリスクが少ない投資方法ではありません。むしろ、資金を遊ばせておくことにより保有期間が短くなり、リスクもリターンも悪化させる可能性が高いです。

ただ、この結果からいいたいのは、「たった1年の違いでこれだけの差が生まれる」ということではありません。

今回のシミュレーションは、20年後に全額売却した場合です。リーマンショックの後は、数年で3倍以上に株価が回復しているので、ほんの少し売却タイミングをずらせば問題ありませんでした。

シーゲル教授の分析では、投資期間が長いほどリスクが飛躍的に減ることが分かっています。

参考記事「投資期間とリターン

であれば、資金があるのに積立投資なんて悠長なことをしているのは、無意味に投資期間を短くしてリスクを高めていることに過ぎません。

投資タイミングはできるだけ早く、売却はできるだけ遅くすることが大切です。

 

なので、「20年間積立しよう」というような明確な目標を立ててしまうと、取り崩し時に暴落が発生した時に、パニックで売ってしまう可能性を高めることになります。

19年目とか20年目とかに、リーマンショックみたいな出来事が起きれば、含み益が大きい分、一目散に売ってしまうのではないでしょうか?

取り崩し時期を確定しなければならない「〇〇年後に世界一周旅行をしたい」というような目標であれば、ただ積立しているだけでは危険です。

取り崩し時期を定めるからには、「積立投資だから安心」なんて悠長なことは言ってられません。終盤になるにつれ、少しずつ売却して利確しなければなりません。

少しずつ売却していかなければならないので、保有期間は短くなってしまいます。

こういったデメリットを避けるために、長期投資の目標は、老後の生活資金のような、一括で使わない用途を中心に考えるべきです。

少しずつ必要になるような資金であれば、取り崩すタイミングも分散できるので、結果的に保有期間を大きく伸ばしていくことができます。

コツコツ積立とコツコツ取崩はセットで考えるべきです。そしてできる限り逆ドルコスト平均法で取り崩していきましょう。

20歳の人が老後資金を準備するとしても、投資期間は60歳までの40年間ではありません。少しずつ取り崩していくことで、寿命ギリギリまでの超長期投資が可能になります。

シーゲル二郎は現在20代前半ですが、50年、60年といった期間を見据えて投資をしていきたいです。

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積立投資は相対的に危険である

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積立投資の危険性(円建S&P500でシミュレーション)” に対して1件のコメントがあります。

  1. 匿名 より:

    「シュミレーション」と書いてる時点で、アウト。

  2. シーゲル二郎 より:

    恥ずかしながらずっと間違えていました。ご指摘ありがとうございます。

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