システマティックリスクと分散投資
つみたて次郎です。
分散投資の有効性を理解するうえで、押さえておきたいのがシステマティックリスクという概念です。
対となるのは非システマティックリスクで、それぞれ言葉の意味はこんな感じです。
システマティックリスク
→分散投資しても取り除けないリスク
非システマティックリスク
→分散投資すると取り除けるリスク
ちなみにつみ次郎はずっと逆で覚えていました(辛)
特にインデックス投資はある意味究極の分散投資ですので、非常にかかわりが深いです。
言葉よりもグラフを見たほうが分かりやすいので、インデックス投資家のバイブ〇『ウォール街のランダムウォーカー』から一部引用させていただきます。
出典「ウォール街のランダムウォーカー」
非システマティックリスクは銘柄数が増えるごとにどんどん減っていきますが、システマティックリスクはずっと変わりません。
というより変わらない部分がシステマティックリスクといったほうが正しいですね。
先ほどの説明の言い換えになりますが、以下のような結論を出すことができます。
①分散すればするほどリスクは下がる。
②銘柄数が多くなるほどリスクの低減効果は小さくなる。
③どれだけ分散してもリスクはゼロにならない。
どれも当たり前のことですが、これらを一言で説明できるのがシステマティックリスク(非システマティックリスク)という概念です。
これは分散投資の有効性・分散投資の限界という2つの側面を同時に教えてくれるので、投資初心者もぜひ覚えてほしいですね(間違えて覚えてたくせに上から目線)
投資クラスタでは集中投資VS分散投資という争いが絶えませんが、どちら側の武器にもなる比較的中立的な事実と言えます(白目)
リゾート企業と傘メーカー
再び『ウォール街のランダムウォーカー』から取り上げさせていただきますが、分散投資の有効性を説明するうえで、リゾート企業と傘メーカーしか会社が存在しない離れ小島の話がでてきます。
それぞれ儲けは天候に左右され、各社の株式リターンは以下のように設定されています。
傘メーカー | リゾート企業 | |
雨の季節 | 50% | -25% |
晴れの季節 | -25% | 50% |
参考文献「ウォール街のランダムウォーカー」
この2社に分散投資することで、天候がどっちに転ぼうがリターンを得ることができるようになります。
そして上記の説明の後には、以下のような言葉が続いています。
不景気になり多くの人が失業すれば、夏の休暇もとらず、傘も買わなくなるかもしれない。したがって、この例のようなきれいな形ですべてのリスクを除去することはできない。それでも、すべての企業の業績が常に完全に同じように動くわけではないから、株式のポートフォリオを組んで分散投資すれば、一つや二つの証券に投資するよりもリスクは小さくなるだろう。
出典「ウォール街のランダムウォーカー」
素晴らしい説明ですね。
リゾート企業と傘メーカーの話は、ここまで理解してこそといえるでしょう。
なのでよくある「分散投資しても結局全部下がる時はダメじゃん!(諦)」という言葉に対しては「いや集中投資よりはマシですけど!(煽)」と返せばいいということになります(笑)
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分散投資と銘柄数
再び最初に張ったシステマティックリスクのグラフに戻りますが、何銘柄に分散すればよいか?というのもよく話題になりますね。
出典「ウォール街のランダムウォーカー」
つみ次郎の感覚だと10~30銘柄あたりがよく推奨される銘柄数だと思っていますが、むしろ銘柄数以外の要素の方が大きいと感じています。
例えば、歴代の糞株(GE・BA・IBM・CSCO・MO・PM・XOM・CVX等)を30銘柄集めていたら、リスク分散なんて言ってる場合じゃありませんからね(大煽)
株式の銘柄1つ考えても、上場国・セクター・時価総額など考えることが多数あります。
その中でも時価総額の大小は特に重要だと思います。
例えばNYダウは米国(世界)を代表するレベルの30銘柄で構成されており、500銘柄で構成されるS&P500に近い動きをしていますが、これが誰も知らないような小型株30銘柄だったら全然違う動きをするでしょう。
なので「〇銘柄に分散すればOK!」というのは大型株をバランスよく選んだ場合という前提に限られるのではないかというのがつみ次郎の考え方です。
しかもこれは米国市場に絞った場合の話なので、国際分散を考えるなら30銘柄でもかなり大変な感じはしますね。
ちなみに分散が足りない!とよく言われがちなバフェット太郎10種ポートフォリオですが、大型株から10銘柄・セクターバランスも考えつつ選ばれているので最低限の分散は確保できていると思っています(生活必需品が多いけど)
参考記事…バフェット太郎10種を斬る!
どちらにせよ、非システマティックリスク排除を最優先に考えるのならVTみたいな超分散インデックスファンドを選べばいいだけですので、個別株〇銘柄でポートフォリオを組む覚悟ならむしろそれ以外の要素が重要といえるかもしれません。
どこまで分散するか
つみ次郎は一応インデックス投資派ではありますが、米株集中スマートベータという邪道を極めた漢♂ですので、今回登場したシステマティックリスク・非システマティックリスクについては結構テキトーな考え方です。
それこそNYダウレベルの分散が一番ちょうどいい塩梅だとすら思っています(笑)
ただ、投資対象を米国株に絞るということ・市場全体ではなく一部を選り好みして投資するという行為そのものは分散投資の原則に反するものですので、余計な非システマティックリスクを抱えているという認識は常に持っています。
教科書通りに考えるのならVT1本持ちが正解ですが、つみ次郎含め実際そうしている人はほとんどいないように、それぞれの納得できる分散度合いというのがあります。
ありきたりな結論ではありますが、自身のリスク許容度・投資哲学によって分散に対する考え方も千差万別ということですね。
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