株式+現金(キャッシュ)で構成するポートフォリオのメリット
つみたて次郎です。
つみ次郎は現在ポートフォリオのほぼ100%を株式ファンドで埋めており、投資に流用しない現金を別途50万円ほど確保しているだけの状態です。
参考記事…つみたて次郎の秘密のポートフォリオ
これは一般的にハイリスクハイリターンな状態であり、今後は時間の経過とともにリスクを抑えていくように調整していく予定です。
現時点で投資ポートフォリオとしての現金はゼロですが、段階的にキャッシュ比率を上げていこうと考えています。
リスクの調整方法は様々ですが、比率を固定して運用するのであれば次の3点が基本ではないかと思います。
・株式比率を下げる
・債券比率を上げる
・現金比率を上げる
つみ次郎は株式+現金の比率調整でリスクをコントロールしていきたいと思っています。
つみ次郎の場合は複数ファンドを保有しているのでやや複雑ですが、究極的にはVT(全世界株)+現金(キャッシュ)みたいなシンプルなポートフォリオが管理もしやすく初心者にも分かりやすいのではないかと思います。
バランスファンドとの比較
ポートフォリオを決める際は、まずは資産別の投資比率(アセットアロケーション)を決めて、それに合うように投資商品を考えていくのが好ましいです。
ただしアセットアロケーションが固まっても、それを実現するための具体的な金融商品の選択肢は無数に存在します。
例えばポートフォリオ全体における株式比率を40%にすると決めた場合、具体的に次のような選択肢に迫られることになります。
・株式ファンド40%+その他60%で組み合わせる
・株式比率40%のバランスファンドを選ぶ
実際にはこの中間ともいえる選択肢もあり得ますので、アセットアロケーションが複雑になればなるほど金融商品の選択肢も複雑になります。
自分の投資方針を完璧に反映したバランスファンドというのはなかなか存在しないでしょうから、現実的には多少調整が必要になるケースが多いのではないかと思います。
・高リスク資産+低(無)リスク資産
・中リスク資産(バランスファンド等)+α
少し強引なまとめ方ですが、同じリスク許容度から出発しても極端な話上記2パターンに分けることができるということになります。
ハイリスク資産を少しだけ持つ・ローリスク資産を多めに持つみたいな棲み分けですね。
このように考えていくと、比較的リスクの高い株式と無リスク資産である現金の組み合わせというのは、前者を具現化したような投資方法になります。
株式+現金ポートフォリオのメリット
株式+現金のような組み合わせで構成されたポートフォリオは、(リスク許容度が同程度なら)見かけ上の投資額を減らすことができます。
・株式(ファンド含)20万円+現金30万円
・上記の内容に近いバランスファンド50万円
現金もポートフォリオの一部としてカウントするなら両方とも投資額は50万円ですが、現金を保有するのは一般的に投資額としてカウントしないからです。
この特徴から、複数のメリットが発生します。
非課税口座枠をフル活用できる
株式+現金ポートフォリオは、つまるところ期待リターンのほぼすべてを株式側に集約しているともいえます。
つみたてNISA、一般NISA、個人型確定拠出年金(iDeCo)では最大投資可能額が決まっているので、非課税メリットを最大化するにはできるだけ期待リターンの高いものを放り込むのがセオリーです。
先ほど挙げた例の場合、つみたてNISAの年額上限40万円の中にバランスファンド50万円は全部入りませんが、株式30万円+現金20万円ならむしろ枠が余る計算になります。
投資額が非課税枠ギリギリの人であれば、より明確なメリットになりそうです。
ちなみに一般NISAにレバレッジETF(SPXL等)を入れるとお得な理由も同じ理屈です。
信託報酬を節約できる
実質的な投資額を減らせるので、投資額×信託報酬率で毎年発生するコストを抑えることができます。
バランスファンドや低リスク資産(国内債券ファンド等)でリスク調整する場合と比べ、若干ですが信託報酬を節約できます。
このメリットは「期待リターンの低いファンドの信託報酬は相対的に割高」という考えが根底にあります。
例えば現在、国内株式ファンドも国内債券ファンドも信託報酬にさほど差はありませんが、将来見込める期待リターンには大きな差があります。
リターン5%の中で1%取られるのと、リターン2%の中で1%取られるのでは大違いですからね(数字はかなり適当です)
万が一の時の現金を用意できる
もし現金をポートフォリオの一部として認識するとしても、ただ単に証券口座やハイブリット口座にぶちこんでいるだけであれば色のついていない紛れもない現金です。
何かあれば引き出して消費に使うことができます。緊急の出費が発生した時には頼もしいですね。
ただしこれは投資資金の流用ですので、資産運用という面で見れば最後の砦として考えておきたいところです。
また、単に株式+現金のポートフォリオから現金を減らせばバランスが崩れることになりますので、比率固定で運用するなら結局株式も売らなければならないことになります。
参考記事…生活防衛資金の取り崩しについて考える
後で戻ってくるアテがある立て替え的出費ならば別ですが、そうでなければ結局バランスファンドの一部を売るのと同じような結果になってしまうかもしれません。
このあたりはポートフォリオ外に備えておきたい生活防衛資金との兼ね合いになるので、一概にメリットともいえなさそうです。
株式+現金のデメリット?
明確なデメリットは手動リバランスがほぼ必須になることくらいだと思いますが、相対的にリスク資産の価格変動幅が大きくなるのがデメリットといえるかもしれません。
例えば株式50+現金50でポートフォリオを組んでいて、ある年リーマン級の暴落が発生して株式市場が60%暴落したとします。
この場合、株式部分が50→20に下がり、全体としては30%元本を毀損したことになります。
上記と同じようなバランスのバランスファンドを保有していた場合も、全体に対する毀損幅は同じです。
ですが、保有資産個別の価格変動で見ると全く違う景色になります。
〇株式が60%暴落した場合
・株式50+現金50→株式20+現金50
・バランスファンド100→バランスファンド70
どちらも全体の30%を失っただけですが、実際こうなった場合に受ける精神ダメージはかなり違うような気がします。
手元に現金がある分前者のほうがマシに見えますが、これがきっかけでリバランスを中止したり、狼狽売りしてしまう可能性も高まりそうです。
これは投資家の性格に大きく左右されそうなので、最悪のシナリオを考えるときにどちらがマシマシかは考えておいたほうがいいかもしれません。
ちなみにつみ次郎の場合、精神面だけを見れば後者の方がマシだと思っています(笑)
現金を組み込んだラップ口座?
ここからは余談となりますが、つみ次郎が先日投稿した記事では「現金を内部に組み込んだバランスファンド」の是非について考察しました。
参考記事…現金(キャッシュ)を組み込んだバランスファンドがないのはなぜだろう?
今回の記事の逆パターンともいえますので、併せて読んでいただくと分かりやすいかもしれません。
上記記事について、たわら男爵氏にブログ内で取り上げていただきました。
外部リンク…究極のバランスファンド(三菱UFJ国際投信の直販の秘策)
その中で、バランスファンドの新ジャンル的な発想として面白い意見がありましたので、逆に紹介させていただきたいと思います。
具体的には、先日三菱UFJ国際投信(Slimの運用会社)がスタートさせた投信直販サービスmattoco(マットコ)に対する提案です。
(1)直販にラップ口座を導入する。
(2)ラップ口座は、顧客が事前に設定した固定配分比(顧客はキャッシュ割合も指定できるものとする)で機械的に売買を繰り返すものとする。
もちろん固定配分比での購入には均等額積立買付にも対応するし、リバランスについては年に複数回の任意の日を事前設定できるようにし、事前設定した日に固定配分比になるように自動で売買するものとする。(3)ラップ口座の報酬は取らない。正確には、ラップ口座の報酬は、ラップ口座で運用する財産から現金部分を除いた部分(購入した投資信託の時価総額)の信託報酬と同額とする。
出典「40代でアーリーリタイアしたおっさんがたわら先進国株でベンツを買うブログ」
つみ次郎が意訳すると「投信と現金のバランスも調整できる自動売買サービス。コストは投信部分にかかる通常の信託報酬のみ。」となります。
既存サービスでは、松井証券が導入している投信工房が近いですね。
もし仮にこのようなサービスが登場すれば、株式+現金のメリットを全て残しつつ、バランスファンドの利便性等も兼ね備えた素晴らしいサービスとなりそうです。
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