eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)はほぼ100%現物運用で一安心
つみたて次郎です。
2018年7月より登場したeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)ですが、第1回目の月次レポートが出ていました。
外部リンク「三菱UFJ国際投信」
2018年7月31日時点のレポートです。
S&P500に連動する投資信託なので、実質的な投資先は全て株式になります。
出典「三菱UFJ国際投信」
上位銘柄は全て米国株になっています。
一見普通のように思えますが、類似の米国株ファンドにおいては一部または全部をETFで代用するケースが多いため、この表から読み取れる情報は大きいです。
少なくとも構成比率上位にETFが存在していないことから、ほぼ100%現物のS&P500銘柄を集めて運用されていることが分かります。
同じくS&P500に連動するライバル商品としては、iFree S&P500インデックスがあります。
しかしその内訳には大きな違いがあります。
出典「大和投資信託」
時期は同じく2018年7月31日時点です。
なんと、全体の40%以上がiシェアーズ・コアS&P500(IVV)になっています。
IVVは、S&P500に連動する海外ETFですので、全体の半分近くをETFで代用していることになります。
総資産が少ない間はETFを一部組み込むことはよくありますが、本商品が設定されたのは2017年9月であり、1年近く経過していることを考えると、あまり良くない状況です。
また、つみたて次郎の記憶ですが、新規設定直後のETF比率は全体の2~3割程度だったような気がします。
ETFを利用すること自体は悪くありませんが、その比率が上下にブレるというのは、大きな不安材料ではないかと思います。
いっそのこと諦めて、楽天・米国株式インデックス・ファンド(楽天VTI)のように100%ETFで運用するのも面白いかもしれません。
ここまで登場してきた、3本の米国株ファンドについて一覧にまとめてみます。
SlimS&P500 | iFreeS&P500 | 楽天VTI | |
信託報酬 | 0.1728% | 0.243% | 0.1696% |
投資対象 | S&P500 | S&P500 | 米株全域 |
運用内容 | 現物運用 | 現物+ETF | ETF(VTI) |
今回注目するのは、運用内容についてです。
SlimS&P500は一番わかりやすく、採用指数銘柄を直接保有することで、指数との連動を目指します。
楽天VTIは、指数に連動するバンガード・トータル・ストック・マーケット(VTI)だけを保有することで、間接的に指数への連動を目指します。
そしてiFreeS&P500はその両方を取り入れているということになります。
しかし運用の安定という面では、評価できない状況といえます。
現時点では、現物運用とETF運用のどちらが優れているかははっきりしていません。(実質コスト、指数との乖離リスクなど)
しかしはっきりいえるのは、そのどちらも中途半端に取り入れているうえに信託報酬も割高なiFreeS&P500は、かなり苦しい立場にあるということです。
よほどSlimS&P500や楽天VTIが大きなミスをしない限り、iFreeS&P500が実質コストで有利に立つのは困難であると考えます。
全体的にiFreeS&P500を批判する内容になってしまいましたが、主旨としてはSlimS&P500がしっかり現物運用で安心したという部分です(笑)
つみたて次郎はSlimS&P500と楽天VTIを積立中ですので、その実質的な運用内容については深く見守っていく必要があります。
現物運用とETF運用のどちらが優秀か分からなければ、両方保有すれば安心です。
参考記事「つみたてNISAで積立する商品を変更します」
とはいえ、つみたて次郎のようにメインとしてではなく、ポートフォリオの一部として投資するのであれば、わざわざ両方を保有するメリットは小さいですし、2本管理するのも面倒です。
現状、日本で米国株インデックスファンドを選ぶ場合はこの2択だと思いますので、迷っている方は参考記事をご覧ください。
参考記事「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) vs 楽天・全米株式インデックス(楽天VTI)」
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Slim次郎
こんにちは、少しでも将来が明るくなればと 今年からイデコとつみたてNISAを始めたまったくの初心者です
いつも勉強させてもらってます これからも楽しみにしてます
どうもこんにちは。
いつもありがとうございます。一緒に長期投資を頑張っていきましょう!
つみたて次郎様
いつもこちらのブログで勉強させて頂いております。
現在S&P500をつみたてNISAで購入しようと思っていたところだったので、このような記事がとても為になります。
それで、質問なのですが、文章の中で、
「総資産が少ない間はETFを一部組み込むことはよくありますが、本商品が設定されたのは2017年9月であり、1年近く経過していることを考えると、あまり良くない状況です。ETFを利用すること自体は悪くありませんが、その比率が上下にブレるというのは、大きな不安材料ではないかと思います。」
というものがありました。
勉強不足でこちらの意味が良く分からなかったのですが、素人目線で何が大きな不安材料であるのか教えて頂けないでしょうか。
お忙しいところ誠に恐縮なのですが、ご教授頂けますと幸いです。
>keita様
いつもありがとうございます。
該当分はiFreeS&P500インデックスについての記載ですね。
本来インデックスファンドは指数と同じ株式を保有することで指数との連動を目指していますが、その代用としてETFが一部に用いられることがあります。(iFreeの場合はIVV)
この比率が高いということは、現物の株式だけで運用できないですと言っているようなものですし、別途ETFにかかる信託報酬も無視できません。
ETFによる運用は本来ゼロか全体から見てごく一部に留めるべき応急処置的な運用法だと思っていますので、それに頼り過ぎているファンドは運用安定性の面で問題を抱えているといえます。
逆に、諦めて最初から100%をETFで運用すること宣言したのが楽天バンガードやSBIインデックスであるといえます。
その両方をミックスするメリットは少なくとも私は思い浮かびません。
つみたて次郎様
分かりやすく回答を頂き誠にありがとうございました。
S&P500はeMAXISスリムで購入しようかなと思います。
パフォーマンス的にはiFreeの方が優れているという記事も別のところで読んだのですが、それについてはどう思われますか?
質問ばかりで申し訳ございません。
何卒宜しくお願い申し上げます。
確かに現時点でのパフォーマンスでは負けているようですが、設定して間もないためリターンで比較してもあまり意味はないと考えています。
設定直後は大きくぶれることが多いですからね。とはいえSlimは既存のマザーファンドがありますから、今後は安定していくのではないかと思います。
当然隠れコストは事前に予測できないので、長期的にiFreeが勝つ可能性もあり得ますが、信託報酬や総資産額流入でSlimが有利なのは確実です。
インデックスファンドはできる限り人気がある商品を選びたいので、この2択であれば私は断然Slim派です。
つみたて次郎様
参考になるご意見ありがとうございました!
また何かあったらご教授頂きたく宜しくお願い申し上げます。