セゾン・バンガード・グローバルバランスファンドの信託報酬が0.60±0.02%に引き下げ!

つみたて次郎です。

バランスファンドとして抜群の知名度を誇るセゾン・バンガード・グローバルバランスファンドですが、2018年9月11日より信託報酬が引き下げられました。

外部リンク「セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド 運用管理費用(信託報酬)引き下げのお知らせ

変更前と変更後の信託報酬は次の通りです。

変更前 変更後
0.68±0.03% 0.60±0.02%

 

年間で0.08%の引き下げ幅となります。また、なぜか前後のブレ幅も小さくなりました(笑)

 

セゾンバンガードの概要

セゾン・バンガード・グローバルバランスファンドは、全世界の株式と債券に半分ずつの割合で投資できる投資信託です。

出典「セゾン投信

かつては低コストなファンドとして高い評価を得ていましたが、最近では信託報酬の引き下げ競争が激化しており、影が薄くなっている感は否めません。

内容に若干差がありますが、楽天・インデックス・バランスファンド(均等型)であれば信託報酬は0.2546%と半分以下になっています。

今回引き下げられたとはいえ、それでも年間0.60±0.02%というのはまだまだ割高であるといわざるを得ません。

 

信託報酬引き下げの理由

セゾン投信からの発表より一部引用します。

お客さまからの預かり資産の増加によって、当ファンドの投資対象である投資信託証券を
より低コストのシェアクラスに変更することができました。当該変更に伴う投資信託証券の
運用管理費用(信託報酬)の軽減により、お客さまが実質的に負担する運用管理費用(信託
報酬)も軽減されるため、今回の改定(引き下げ)が実現できました。

出典「セゾン投信

セゾンバンガードは、間接的に別の投資信託を買付するファンド・オブ・ファンズ形式を採用しています。

名前の通り、米バンガードのミューチュアルファンド(未上場投資信託)に投資することで、国際分散投資を実現しています。

そして今回、セゾン投信の総資産額が増加したことにより、米バンガード投信の保有にかかる信託報酬が引き下げられたため、半自動的にセゾンバンガードの引き下げが行われた形になります。

ファンド名 変更前 変更後
U.Sストック 0.10% 0.06%
U.Sガバメント・ボンド 0.20% 0.10%
ユーロ・ガバメント・ボンド 0.20% 0.10%
ユーロピアン・ストック 0.30% 0.20%
エマージング・マーケット・ストック 0.27% 0.22%
ジャパン・ガバメント・ボンド 0.20% 0.10%
ジャパン・ストック 0.23% 0.20%
パシフィック・エックスジャパン・ストック 0.23% 0.20%

 

セゾンバンガードで間接的に保有されている全ファンドで、信託報酬の引き下げが確認できます。

米国のバンガード投信は、個人投資家でも投資額に応じて信託報酬が変化するシステムになっているため、その延長であるといえます。

逆に、100円の積立でも割高な信託報酬を請求されない国内投信は、少額投資家に非常に有利であるといえますね。

 

セゾン投信自体の引き下げではないことに注意

今回の引き下げは、米バンガード投信の信託報酬が低下したことによるものであるため、セゾン投信含む各金融機関の取り分を削ったわけではありません。

むしろ引き下げをしなかった場合、金融機関の儲け分が増えることを意味するので、逆に非難されてしまう可能性すらありそうです。

厳しく言えば、今回の場合なら引き下げをして当然ともいえます。

類似例としては、バンガード・トータル・ワールド・ストック(VT)の信託報酬引き下げに伴い、これを投資対象としている楽天・全世界株式インデックス・ファンドの信託報酬が0.2396%→0.2296%に引き下げられています。

 

信託報酬の内訳を楽天バランス(均等型)と比較

内容が似ている楽天・インデックス・バランス・ファンド(均等型)と信託報酬を比較してみます。

発生先 セゾンバンガード 楽天バランス(均)
委託会社 0.27432% 0.0216%
販売会社 0.19008% 0.054%
委託会社 0.0324% 0.054%
バンガード 0.1032% 0.125%
合計 0.60% 0.2546%

 

楽天バランスも、間接的にバンガードのETFや投信を買付しているため、実質的にバンガードに対する信託報酬が発生している状態となります。

合計の信託報酬を比較しても倍以上の差がついていますが、バンガードファンドにかかる分を除いて合計すると、

セゾン投信 …0.4986%
楽天バランス…0.1296%

となり、4倍近い差がついていることになります。

実質的な投資先にかかる信託報酬(今回の場合はバンガード)は、各金融機関の売上には一切つながらない諸経費のようなものであるため、こちらのほうが金融機関側の取り分をより正しく表しているといえます。

セゾン投信が高すぎるのか、楽天バンガードが不当に安すぎるのかは分かりませんが、運用会社の視点で見れば全く利幅の違う商品であることは押さえておきたいですね。

 

コスト面以外に価値を見出したい

信託報酬が引き下げられたとはいえ、さらに低コストな投信が多数存在する現状では、コスト面での優位性は全くないといっても過言ではないでしょう。

その一方で、総資産額が1,600億円を超えていることや、セゾン投信にとっては主力商品であり、ギリギリ黒字化も達成できる水準の信託報酬であることから、繰上償還リスクはインデックスファンドの中でも非常に低いと考えています。

超低コストファンドの場合、単体で黒字化できる状況からは程遠いと思われますので、採算不足による繰上償還は十分考えられるのではないかと思います。

ある意味では、セゾンバンガードくらいの信託報酬が適正コストといえるのかもしれません。

また、セゾンバンガードを保有している人の多くは最低水準を追い求めていない(=ある程度のコストは許容する)と思われるため、他の投信への乗り換えリスクも低いのではないでしょうか?

超低コストファンドの場合、信託報酬や隠れコストに対して厳しい目を向けられますので、何かのきっかけで総資産の大幅流出につながりかねませんからね。

直販で購入することも可能であり、ネット証券に比べれば口座開設の難易度も低いため、インターネット操作が苦手な方にも勧めやすいというメリットもあります。

当ブログを読んでいるような投資マニアには無縁な商品ですが、投資初心者が分かりやすく資産形成を行えるという点では、十分魅力的な商品だと思います。

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バンガード次郎

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