SPDR S&P 米国高配当株式(SDY)分析
つみたて次郎です。
今回は、「SPDR S&P 米国高配当株式(SDY)」を分析しています。
米国株に投資するスマートベータ系ETFで、連続増配年数20年以上が採用条件となっています。
名前に高配当とついていますが、配当利回りは2.3%前後しかなく、高配当というよりは連続増配ETFといったほうが実態に近いかもしれません。
米国配当貴族指数や、バンガード・米国増配株式(VIG)等が競合相手になりそうです。
SPDR S&P 米国高配当株式(SDY)(2018/2/27現在)
項目 | データ |
信託報酬 | 0.35% |
銘柄数 | 111 |
PER | 18.18倍 |
PBR | 2.81倍 |
売買回転率※ | 32% |
※売買回転率のみ2017/6/30時点。
信託報酬は0.35%と少し割高ですね。参考にVIGだと0.08%です。
売買回転率の32%は結構高いですね。保有する銘柄のウェイトが配当加重となっているため、多少の売買が発生すると予想できます。
とはいえ、時価総額基準で運用されているVIGでも20%強はあるので、大きな問題ではないでしょう。
セクター比率をS&P500と比較してみます。
S&P500とSDY(2017/2/27現在)
セクター | S&P500 | SDY |
情報技術 | 25.05% | 2.87% |
金融 | 15.08% | 15.54% |
ヘルスケア | 13.86% | 6.24% |
一般消費財 | 12.61% | 10.17% |
資本財 | 10.27% | 14.69% |
生活必需品 | 7.55% | 15.35% |
エネルギー | 5.57% | 2.72% |
公共事業 | 2.65% | 12.53% |
素材 | 2.92% | 9.07% |
電気通信 | 1.88% | 3.08% |
S&P500で構成トップを占める情報技術がほとんど含まれないため、かなり尖った構成です。
情報技術が少ないのは、連続増配系ETFではよくあるパターンですね。逆張り投資家には嬉しいです。
公共事業が結構多めなので、好みが分かれるポイントですね。
ちなみに米国配当貴族指数やVIGでは生活必需品・資本財に偏っているため、その点では差別化されていますね。
構成銘柄トップ10を考察してみます。
会社名 | 構成比率 |
AT&T | 2.23% |
Tanger Factory Outlet Centers | 1.84% |
Realty Income | 1.78% |
National Retail Properties | 1.67% |
Target Corporation | 1.63% |
International Business Machines | 1.61% |
People’s United Financial | 1.57% |
Old Republic International | 1.48% |
AbbVie | 1.43% |
Exxon Mobil | 1.40% |
連続増配20年以上+配当加重という変則的な構成のため、トップ10は市場平均とガラリと違っています。時価総額上位を連ねるハイテク銘柄はいません。
あまり日本人にはなじみのない企業ばかりです。構成トップは米国大手通信会社のAT&T(T)となっています。
信託報酬が0.35%と高めなのは見過ごせませんが、全体として優秀なスマートベータETFであることには間違いありません。
たびたび出てくる連続増配系指数及び商品と比較してみます。
指数または商品名 | 増配年数 | 構成ウェイト | 特徴 |
米国配当貴族 | 25年以上 | 等金額 | 情報技術ほぼなし、生活必需品多め |
VIG | 10年以上 | 時価総額 | 情報技術少しあり、資本財多め |
SDY | 20年以上 | 配当加重 | 情報技術ほぼなし、公共多め |
構成ウェイト基準を考えると、SDYが最も逆張り的な思考で設計されているように思います。
ディフェンシブ株に分類される公共セクターが多めですが、ヘルスケアが少なめだったり、逆にバリバリの景気敏感株である金融がそれなりに含まれていることを考えると、シーゲル的な戦略とは少し外れる内容かもしれません。
とはいえ、連続増配という順張り戦略と配当加重という逆張り戦略の組み合わせは、とても良いスクリーニングだと思います。
つみたて次郎的にはセクターが偏り過ぎているのでパスですが、かなり期待できるETFであることは間違いありません。
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SDY次郎