ターゲット(TGT)分析
シーゲル二郎です。
今回はターゲット(TGT)を分析していきます。
米国を代表する大手ディスカウントストアで、上品なドン・キホーテのような企業です。
連続増配…49年
S&P格付…A
採用インデックス
・米国配当貴族指数
・S&P500
ディスカウントストアで、メインは日用品・アパレルなどを販売しています。家電製品なども売っており、幅広い品ぞろえです。
また、生鮮食品も販売しているスーパーターゲットという店舗も展開しています。メガドンキみたいな感じですね。
小売業なので、ウォルマート・ストア(WMT)と比較されがちです。ターゲットは一般消費財セクターに分類されていますが、ウォルマートは生活費需品セクターに分類されています。
生鮮食品部門の割合が少ない分、消費者の懐事情で左右される部分が多いので、一般消費財になっているようです。
ディスカウントストアだけあって価格は他より安いらしく、ウォルマートにも引けを取りません。貧困層~中間層がメイン「ターゲット」です。(これがいいたいだけ)
出典「ビジネス+IT」
ウォルマートでも登場した小売店一覧です。相変わらずトップは頭がおかしいですが、それ以下は比較的同じくらいの規模になっています。TGTは11位で、決して大きいとはいえません。とはいえ、イオンやセブンより大きいのですから、いかにアメリカ人が買い物好きだかわかります。
また、2位のコストコは、富裕層からの指示が厚く、ウォルマートやターゲットは、貧乏人が中心のビジネスという棲み分けになっています。
しかし、ここでもアマゾンの脅威が登場します。ウォルマートは、生鮮食品部門が強いのですが、ターゲットは基本的に雑貨類が中心です。そのため、アマゾンとモロにぶつかる領域であるため、今後の成長には不安があります。
ターゲットでもネット通販は導入していますが、成長の鈍化は必至です。
わざわざグラフにするか迷いましたが、地域別売上です。以前はカナダに進出していましたが、完全撤退したみたいです。はぁ・・・
小売業恒例の正方形グラフ。利益率は非常に低く、2015年はちゃっかり赤字です。カナダ事業撤退の影響みたいです。それ以外は安定しているように見えますが、意外と凸凹で美しくありません。
きったねぇグラフ。投資キャッシュフローも安定しておらず、キャッシュの流れは不安定です。営業キャッシュフローは、6.5%~9%ほどで推移しており、小売業としてはそこそこです。
あまり眺めていたくないですね。
EPSも安定しているとはいいがたいです。ここ数年で配当性も急激に上昇しています。配当性向は50%ほどなので、しばらくの増配余力は問題ないですが、今後の成長は期待できないため、少し不安です。
ROEは直近20%を超えており、資本効率は十分です。自己資本比率も30%付近でキープできており、まずまずでしょう。
現時点情報(2017/8/19)
株価…55.01ドル
配当利回り…4.51%
PER…11.12%
連続増配…49年
今年1月の決算が非常に良くなかったため、株価は急落しています。配当利回りも4.5%越え、PERも10倍に迫りそうな勢いです。
現在連続増配49年の配当貴族であり、来年無事増配できれば50年達成の配当貴族になる銘柄です。そのため、投資するにはいいタイミングかもしれません。
しかし、小売業であるターゲットには、ネット通販という大きな敵がいます。ターゲット自身もネット通販事業は行っており、皮肉にも高成長を遂げています。
また、ターゲットのメイン販売商品は、日用品や雑貨であり、ネットで買ったほうが安く済むことが多いでしょう。
ターゲットに限らず、販売商品が比較的長持ちで、単価の高い商品を扱う店では、アマゾン含むeコマースに潰される危険性が高いです。
とくにターゲットのようなディスカウントストアでは、どこまでいっても価格が安くなければ勝負になりません。
今後の値下げ競争は必至で、利益率の低下は避けられません。永続する企業であるかどうかの判断は非常に難しいでしょう。
その反面、株価は割安で配当利回りも高く、配当性向にも余裕があり、配当王になってからもしばらく増配はできるでしょう。
没落貴族として保有する分には十分ではないでしょうか。
「こんなところにいいターゲットがいるぞ(ニッコリ)」