現金だけで保有することの危険性

シーゲル二郎です。

日本人は貯金好きといわれており、資産の多くを現金や定期預金で持っている人が多いです。ですが、それは非常に危険な状態です。

シーゲル氏の著書でもたびたび登場した下記のグラフをご覧ください。

考文献「株式投資の未来」

このグラフは、インフレを考慮した購買力を、それぞれの資産がどれだけ増やすことができたかというものです。

一番勢いのある株式に注目されがちですが、今回見てほしいのは一番下の米ドルです。1ドルは200年たっても1ドルに変わりはありませんが、インフレにより価値が低下し、1800年当時の1ドルは、現在でいう0.07ドルの価値しかないことになります。

日本で考えれば、1万円が700円になってしまったと同じです。

日本でも同じようなことは起きています。明治30年頃の初任給は10円でした。現在であれば、10万円はもらえるでしょう。。明治30年には、10円は大金でしたが、今ではうまい棒を買うことしかできません。

ここまで極端なインフレが起きることは考えにくいですが、我々が生きている何十年の間には、インフレが起きることは必至です。

我々が生まれ育った時代が、たまたまデフレ不況だっただけで、基本的に経済はインフレを伴って成長していきます。

もしずっとデフレならば、通貨の価値が上がり続けるので、今使わないで後で使ったほうが有利になり、貯金する人が増えます。貯金する人が増えれば、世の中にお金が出回らず、景気は悪化します。

経済を回していくには、ゆるやかなインフレを起こして、みんながお金を使うようにしなければなりません。

また、日本政府は、約1,000兆円の借金を抱えています。国民一人あたりだと、約770万円…という計算はおかしいです。

1,000兆円は、国が抱えている借金であり、国民の借金ではありません。むしろ、国民が 銀行を経由してお金を貸しているので、我々は一人あたり770万円国からお金を返してもらう立場なのです。

国の借金を減らす1番手っ取り早い方法は、インフレを起こしてしまうことです。極端な話、ハイパーインフレでも起こして770万円がうまい棒1本くらいの価値になってしまえば、楽に借金を返すことができます。

世界経済においても、日本政府においても、インフレを起こすことは自然なのです。その時に、現金しかもっていない人は、インフレにより通貨の価値が下がり、購買力を減らすことになってしまいます。

もちろん全額を株式や土地にする必要はありません。ですが、インフレ対策として、資産の一部を現金以外で保有することは、リスク分散の意味でも非常に合理的な選択です。

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