楽天投信投資顧問より楽天バンガードの実質コストについて説明がありました
つみたて次郎です。
先日、楽天バンガードの投信4種について初めての運用報告書が発表され、信託報酬外のコストが判明しました。
参考記事「楽天バンガードの第1回運用報告書から実質コストを計算してみる【VT・VTI・VWO・VYM】」
初回とはいえ、やや残念な結果となっています。
そして多く指摘されているのが、他投信と比べファンド内での売買手数料が多く発生している点です。
出典「楽天投信投資顧問」一部加工
これは楽天・全世界株式インデックス・ファンド(楽天VT)の運用報告書の一部です。上記はVTの経費率(年間で0.10%)は含まれていないため、隠れコストの大部分が売買委託手数料となっています。
これは楽天バンガードが、現物株ではなく海外ETFを代わりに買付することが原因である可能性があり、投資クラスタでもちょっとした話題になりました。
そんな楽天バンガードの売買委託手数料ですが、なんと運用会社である楽天投信投資顧問から臨時レポートが発表されています。
外部リンク…運用報告書「1万口当たり費用明細」の内容について
正直全く予想していなかったので、非常に驚きました。信託報酬やトラッキングエラーによるレポートはしばしばありますが、隠れコストに関するレポートはかなり珍しいと思います。
しかし内容については「売買手数料が同額なら純資産が増えるほど費用率は下がる」という当たり前の事を言っているにすぎず、詳しい原因についての言及はありませんでした。
楽天投信投資顧問にとっても、あまり詳細にファンド内部の事情を説明するのはあまり好ましくないと思うので、基本的な内容にとどまるのは仕方ないかもしれません。
つみたて次郎としては、売買手数料について楽天投信投資顧問がレポートを出したという行為そのものを評価したいと思います。
問い合わせが相次いだことによる臨時レポート発表ですが、個人的にはわざわざレポートを出すレベルの問題ではないと思います。
いずれにせよ、見かけの信託報酬だけでなく、表に出てこない隠れコストについてもしっかり説明責任を果たしていきたいという姿勢が感じ取れました。
先ほど張った楽天VTの費用明細を再度掲載します。
出典「楽天投信投資顧問」一部加工
前述したとおり、信託報酬を除く費用の大部分を売買手数料が占めています。
参考に、eMAXIS Slim 先進国株式インデックスの直近運用報告書を掲載します。
出典「三菱UFJ国際投信」一部加工
投資対象も決算期間も違うので一概に比較はできませんが、Slim先進国株の場合、売買手数料は隠れコストの一部に過ぎません。
その他のファンドにおいても、通常売買手数料は隠れコストの1項目に過ぎず、少なくとも全体の大部分を占めるようなことは稀です。
現物株ではなく海外ETFで運用する仕組み、いわゆる「ファンド・オブ・ETF」ゆえのコストと推測できますが、同じく海外ETFを用いて運用を行うEXE-i先進国株式ファンドでは次のようになっています。
出典「SBIアセットマネジメント」
EXE-i先進国株(雪だるまではなく旧商品の方)では、隠れコストの約半分程度が売買手数料になっている程度にとどまります。というか隠れコストがかなり低くて驚きました(笑)
楽天バンガードも今後は落ち着くのか、それとも今後も高めの費用になるのかは要チェックです。
また、そもそも運用報告書に記載されている費用についても、各社計算が異なっている可能性があります。
こんな興味深いツイートがありました。
MUFGブロガーミーティングで「バケット取引のコストは実質コストに含まれない」という話がありましたが、これと同じような事ですね。
ただ今回の楽天バンガードのコスト(売買委託手数料)が高いという事には変わりないと思うのですが、どうなんでしょう?— しんたろう (@shintaro_money) 2018年9月20日
つみたて次郎は詳しい詳細まで把握できていませんが、その気になればコストを基準価格に転嫁して見かけ上の費用を少なくできるといった事だと思います。
通販で例えるなら、送料無料だけど実は価格に上乗せされてるだけみたいな。(もし理解やたとえ話が不適切であればコメントで教えてください)
もしそうであれば、究極的には基準価格の差でしか真のコストを計算することができないということになります。
楽天VTと同じ指数に連動する商品としては、SBI・全世界株式インデックス・ファンドがあります。
こちらはまだ第1回運用報告書が出ていないので、比較することで何か見えてくるものがありそうで楽しみです。
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楽天VT次郎
ちゃんとレポート理解できてます?