NYダウ銘柄の浮動株比率

つみたて次郎です。

インデックスファンドの多くは時価総額加重指数をベンチマークにしていますが、時価総額には浮動株・固定株という概念を考慮する必要があります。

浮動株は市場に出回っていて自由に売買できる株式・固定株は創業者や政府関連機関等が保有していて市場に出回らない株式とザックリ考えていただければ分かりやすいです。

そして時価総額加重指数の多くは、浮動株のみの時価総額を考慮した浮動株調整時価総額を構成比率の基準にしています。

参考記事…浮動株調整時価総額加重平均とは?

そのため時価総額が同じであれば、浮動株比率の高い銘柄の方が構成比率は高くなります。

今回は、NYダウに採用されている30銘柄の浮動株比率を元に解説していきたいと思います。

※NYダウ指数そのものは時価総額加重指数ではなく単純平均株価指数ですのでその点はご注意ください。

 

NYダウ銘柄の浮動株比率

さっそく浮動株比率をまとめてみます。

参考として(浮動株調整前の)時価総額・S&P500(IVVを参照)における構成比率も載せておきます。

※S&P500は(浮動株調整)時価総額加重平均指数です。

 

ティッカー
シンボル
調整前時価総額(億ドル)
浮動株比率 S&P500
構成比率
AAPL 18,826.98 99.94% 6.23%
MSFT 15,328.23 98.55% 5.50%
V 4,275.82 99.41% 1.24%
WMT 3,884.23 49.12% 0.68%
JNJ 3,820.23 100.00% 1.43%
PG 3,403.56 99.60% 1.24%
HD 2,931.73 99.07% 1.07%
JPM 2,904.67 98.36% 1.09%
UNH 2,843.31 99.39% 1.06%
VZ 2,466.69 100.00% 0.91%
DIS 2,266.24 99.45% 0.84%
CRM 2,229.96 96.29% 0.80%
INTC 2,114.59 100.00% 0.77%
KO 2,108.63 89.77% 0.71%
MRK 2,102.56 100.00% 0.79%
NKE 1,768.45 99.20% 0.52%
CSCO 1,652.73 100.00% 0.61%
MCD 1,610.31 99.92% 0.59%
CVX 1,424.74 100.00% 0.53%
AMGN 1,424.35 99.78% 0.53%
HON 1,132.47 95.58% 0.43%
IBM 1,070.92 99.84% 0.40%
MMM 929.46 99.88% 0.35%
BA 882.52 94.44% 0.31%
AXP 790.43 80.92% 0.24%
CAT 786.97 99.79% 0.30%
GS 695.47 97.47% 0.24%
DOW 355.07 99.87% 0.13%
WBA 310.13 82.89% 0.10%
TRV 277.12 99.66% 0.10%

 

浮動株調整前の時価総額が大きい順に並べています。

WMT・AXP・KO以外の銘柄は浮動株比率が90%を超えており、計算上100%になっている銘柄も多数あります。

※実際は端数があるので「限りなく100%」という表現が正しいと思われます。

そのためほとんどの銘柄で浮動株調整前の時価総額の大きさがそのままS&P500における構成比率と比例しています(一部前後している部分もありますが理由は不明)

その中で唯一S&P500構成比率に大きな影響をもたらすレベルで浮動株比率が低いのがウォルマート(WMT)です。

浮動株調整前ではNYダウ銘柄中4位の大きさとなっていますが、S&P500における構成比率はNYダウ銘柄の中で15位にまで下がってしまいます。

WMTの浮動株比率は49.12%ですので、過半数が固定株という事になります。

WMTの主要株主はウォルトン・エンタープライズとなっており、同社は創業者一族ウォルトン家が保有しているWMT株を管理するために立ち上げた会社です。

WMT株の過半数を保有しており、浮動株比率と照らし合わせると残りの固定株(50.88%)のほとんどは同社保有の株だと推測できます。

 

 

浮動株比率と投資判断

浮動株比率が低いという事は固定株を持っている人物・組織・政府の影響を大きく受けるということですので必然的にオーナー企業・国営企業などといったワードと関連性が深くなります。

つみ次郎としては、特定の人物・組織・政府が大きな権限を持っている企業というのは株主利益第一主義から遠ざかるので避けたい企業群です。

参考記事…株主利益最優先企業を抽出する4要素

その考え方は昔から大きく変わっていませんし、つみ次郎が米国大型株を選好する大きな理由の1つでもあります。

浮動株比率は新興国より先進国(特に米国)・小型株より大型株で高い傾向がありますからね。

また、つい最近知りましたが国営企業を除く新興国株に投資できるXSOEなるETFもあるようですね。

外部リンク…XSOE(新興国株ニューエコノミーファンド)への投資を検討してみた(東北投信)

ここ数年では市場平均をアウトパフォームしているようです。

新興国株は浮動株比率が低い傾向がありますが、このようなファンドであれば多少高い数値になりそうですね(別記事でまとめてみます)

その一方で、米国株においてはオーナー企業が市場平均をアウトパフォームしているというデータもあるようです。

外部リンク…投資をするならオーナー企業 / 指数を大きくアウトパフォーム(ファイナンシャルスター)

国営企業とオーナー企業、直接対になる概念ではありませんが、米国と新興国で反対っぽい結果になっているのは興味深いですね。

つみ次郎としてはどちらもハイテク株が多く含まれていたからという結論になりそうな気はします(笑)

 

ほとんど話題にならない浮動株比率ですが、自由な株式取引が行われてこそ適正な価格が形成されるわけですし、企業の性格を強く反映する要素でもあります。

特にインデックス投資家であれば構成比率というリターンに直結する話に繋がり♂ますから、心の片隅にしまっておきたいところです。

 

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