NTT(9432)がNTTドコモ(9437)を完全子会社化
つみたて次郎です。
持ち株会社であるNTT(9432)が、子会社であり国内最大手の携帯キャリア会社であるNTTドコモ(9437)を完全子会社化するようです。
参考記事…NTT、ドコモ完全子会社化29日決定へ TOB4兆円超
NTTは既にドコモ株全体の66.2%ほどを保有していますので、残り33.8%を株式公開買い付け(TOB)で取得します。
買い付け価格は1株3,900円で、総額で約4.3兆円という超大型案件です。
ドコモと株価と政府
今後NTTドコモ(9437)の株価は3,900円近くまで大きく値上がりすることになりますが、その一方で、これまでは菅官房長官(今は総理)による携帯料金値下げ圧力もあり株価は軟調でした。
完全子会社化する側であるNTT(9432)の筆頭株主は財務大臣となっているため、今後は政府の要請がNTTドコモに通りやすくなる可能性が高いです。
出典「NTT」
そのような意図があったのかは不明ですが、結果としてNTTはドコモ株を安く買えて、政府はドコモに対する発言力を強めることができるというWin-Winな関係になっています。
最近話題になったドコモ口座問題も偶然(?)手助けしている形ですね(笑)
参考記事…相次ぐ金融機関の不祥事【サクソ・ドコモ・SBI・ゆうちょ】
また、ドコモが携帯料金値下げを発表すれば競合であるKDDI(9433)やソフトバンク(9434)も追随せざるを得ないでしょうから、業界全体の利益が減る事にも繋がりかねません(その分国民全体の利益になるという考え方ですが)
ちなみにつみ次郎は格安SIMユーザーなので、(3大キャリアの)携帯料金が値下げされても恩恵がないどころか間接的にとばっちりを受ける可能性すらありそうです(半ギレ)
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国内最大の親子上場が解消
国内では親子で上場している企業が多数ありますが、その中でもNTT(9432)とNTTドコモ(9437)の組み合わせは国内最大です。
時価総額で見るとNTTは約8兆円(国内6位)・ドコモは約11兆円(国内3位)ですからね。
子会社であるドコモの方が上なのは違和感があります(笑)
親子上場は日本で多くみられる形態ですが、株主同士の利益相反という重大な問題を抱えています。
外部リンク…親子上場に関する考察
また、子会社の企業価値と親会社の保有株式が一部重複して計上されてしまうため、時価総額が水増しされてしまうという市場全体への悪影響もあります。
これは市場全体を買い付けるインデックス投資家にとっても無視できない問題ですね。
以前から上記の問題点は指摘されており、今回のドコモ子会社化は親子上場からの脱却における象徴的なイベントになるかもしれませんね。
ちなみにNTT(9432)の上場子会社としてはNTTデータ(9613)も有名ですが、こちらに関してもいずれ完全子会社化の話が出てくるんでしょうかね?(個人的にはなさそう)
※10月1日追記…現時点でNTTデータの完全子会社化は予定していないようです。
外部リンク…一問一答「値下げ余力生む」「GAFAと競争」
その一方で、もう1つの携帯キャリア企業であるソフトバンク(9434)は、去年の12月に親会社であるソフトバンクグループ(9984)から分離する形で親子上場しています。
参考記事…ソフトバンクIPOが案の定公募割れ
親子上場をやめたNTTドコモ・親子上場したソフトバンクというのは対照的で、今後の明暗を分けることになりそうです。
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