<購入・換金手数料なし>ニッセイ世界株式ファンド(GDP型バスケット)が爆誕

つみたて次郎です。

ニッセイアセットマネジメント㈱が運用している<購入・換金手数料なし>シリーズにあたらしいなまかが加わるようです。

 

 

<購入・換金手数料なし>ニッセイ世界株式ファンド
(GDP型バスケット)

 

 

名前でピンとくる方もいるかと思いますが、いわゆるGDP加重の全世界株ファンドという内容になっています。

低コストなインデックスファンドとしてはありそうでなかったジャンルですね。

愛称はニッセイGDPってことにしておきます(笑)

 

基本情報

項目 データ
ファンド名 <購入・換金手数料なし>
ニッセイ世界株式ファンド
(GDP型バスケット)
運用会社 ニッセイアセットマネジメント
設定年月日 2020/6/29
信託報酬 0.1144%
信託財産留保 なし
為替ヘッジ なし
投資区分 全世界株式
資産配分 日本株6%+先進国株54%+新興国株40%
備考 地域の比率は名目GDPに基づいて決定

 

信託報酬は0.1144%と激安です。

全世界株ファンドとしては新興国株比率が非常に高くなる商品設計であるため、その点は評価が大きく分かれそうです。

 

出典「EDNET

 

ただし、GDPで決められているのは日本株・先進国株・新興国株のバランスだけであり、それぞれ採用しているのはあくまで時価総額加重平均指数であるという点には注意が必要です。

 

日本株部分→TOPIX
先進国株部分→MSCIコクサイ
新興国株部分→MSCIエマージング

 

各地域の比率がGDPに合わせられるという認識でよいでしょう。

 

↓広告の下にまだまだ続くサバ~🐟🥫(ニッ〇イ違い)

 

 

競合商品について

ニッセイGDPの競合商品については、以下の3パターンに分けることができます。

 

①完全に内容が丸被りパターン

2020年4月よりつみたてNISA対象商品として指定されたグローバル株式ファンドが該当します。

参考記事…グローバル株式ファンドを分析。GDPを基準にした株式100%投資信託

内容はほぼ一緒でありながら、信託報酬に大きな差があります。

 

ニッセイGDP…0.1144%
グローバル株式…0.638%

 

そのためニッセイGDPが上位互換といえる状況であり、グローバル株式の存在意義はほぼ無くなってしまいました(辛)

純資産総額も全然積み上がっていないので、先発メリットもほぼありませんからね。

むしろタイミング的には、グローバル株式を潰すためにGDPニッセイが投入されたと推測できますね。

 

②GDP加重が被っているパターン

具体的には世界経済インデックスファンドSMT世界経済インデックス・オープンですね。

GDPで各地域を決めるというコンセプトは共通していますが、上記2種に関しては株式と債券に半分ずつ投資するバランスファンドとなっています。

また、それぞれには名前後ろに(株式シフト)・(債券シフト)がついた派生バージョンも存在しており、ニッセイGDPにより近いのは(株式シフト)版ですね(株式75%:債券25%)

(株式シフト)版の信託報酬は各0.605%とやや割高なので、コスト面では大きく不利です。

ただ、債券の有無という面でニッセイGDPとは十分差別化できているためそこまで大きな脅威とはならないと思われます。

 

③全世界株ファンドで括るパターン

今回紹介した3パターンの中では一番現実的で、悩む人も多いのではないかと思います。

ようするにeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)の存在ですね(笑)

信託報酬も0.1144%※と共通しており、ニッセイ側も当然意識しているでしょう。

※eMAXIS Slimは受益者還元を導入しているので、純資産総額が500億円を超えると実質的な信託報酬は下がります。

それぞれ株式100%というのは同じなので、各地域の比率が時価総額加重かGDP加重かというのが大きな相違点となります。

現時点では以下のような比率になっています。

 

日本株 先進国株 新興国株
Slimオルカン 7% 82% 11%
ニッセイGDP 6% 54% 40%

 

 

一目瞭然ですが、新興国株式比率に大きな違いがあります。

また、新興国の発展♂に伴いその比率は今後高まっていくと思われますが、その主な理由にも違いあります。

 

Slimオルカン(時価総額加重)…新興国株式市場の成長、浮動株比率の上昇
ニッセイGDP(GDP加重)…先進国と新興国のGDP成長率のギャップ

 

現時点で比率にも大きな違いがありますが、長期保有が前提であれば上記のような今後の変化についても押さえておきたいですね。

また、細かい相違点を挙げると日本株式部分の連動指数の違いもあります。

 

Slimオルカン…MSCIジャパン
ニッセイGDP…TOPIX

 

ただ、日本株比率は1割以下であり今後も劇的に増える可能性は低いこと、どちらも日本株式市場の時価総額比で広くカバーしている指数であることからあまり気にする必要はないポイントだと思います。

 

様々なことを示唆してくれるファンド

商品コンセプトは申し分なく、信託報酬も激安の超優良ファンドと言って差し支えないでしょう。

ただ、GDP加重というのはあくまで時価総額加重のアンチテーゼでしかなく、少なくとも広く受け入れられるような概念ではありません。

地域別の比率はGDPでも中身は普通の時価総額加重というチグハグ感も、マイナスイメージに繋がる一要因です(運用側の事情を考えれば仕方のない話ではありますが)

また、つみたてNISA対象商品になることもたわら男爵氏が既に確認しているようですが、制度が始まってもう3年目ですのでGDP加重という奇抜なファンドを投入するのはタイミングが遅すぎるような気もします。

外部リンク…ニッセイ世界株(GDP型バスケット)は、つみたてNISA対象商品

全世界株ファンドという特性上、サテライト的に保有するファンドでもないですからね。

ただでさえニッセイアセットマネジメントは、つみたてNISA開始直前にニッセイ・インデックスパッケージという不人気シリーズ(?)を設定したという黒歴史(個人的な見解)を持っていますし、久しぶりに<購入・換金手数料なし>の新商品が出たと思ったらニッセイGDPという癖の強いファンドだったというのは少し残念な部分もあります。

長らく全世界株式インデックスファンドというジャンルに参入していなかったニッセイの事情を考えると、ようするに時価総額加重型は当面出しませんという宣言であると考えることもできてしまいます。

ニッセイには三菱UFJ国際投信におけるeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)、アセットマネジメントoneにおけるたわらノーロード全世界株式に相当するファンドがありませんので、その気があれば(GDP型バスケット)を差し置いて最優先で出さなければならないはずですからね(時価総額型バスケット爆誕フラグ)

ニッセイGDPについては優良だが不人気ファンドという立場に収まりそうですし、ニッセイアセットマネジメントの躍進という意味でも不安になってしまう新規設定ニュースでした。

 

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GDP型バスケット次郎

 

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