積立とナンピンの違い

つみたて次郎です。

投資手法における積立という言葉は当ブログでも頻繁に登場しています。

広義の意味では、特定の金融資産を少しずつ買付していく事を指します。

また、それと似たような言葉としてナンピンがあります。

こちらも特定の金融資産を少しずつ買付していくという意味では共通していますが、その目的や手法は大きく異なっています。

今回は、積立とナンピンの違いに焦点を当てて話を進めていきたいと思います。

 

 

積立の基礎知識

もはや説明するまでもなさそうですが、積立の定義について再確認しておきます。

日常的に使われる言葉でもあり、少しずつ蓄えるという意味があります。

投資においてもほぼ同様の意味を持っていますが、基本的には一定の周期ごとに買付することを指すことが多いですね。

毎日・毎週・毎月・毎年…というように買付するタイミングを決めておき、相場に左右されることなく淡々と買付していく事になります。

最近では証券会社のサービス拡大により毎日積立が話題になりましたが、やはり最もメジャーなのは毎月でしょう。

サラリーマンの多くは毎月給料をもらっていますので、分かりやすい周期と言えます。

また、その積立金額が一定の場合は特にドルコスト平均法と呼ばれていますね。

厳密には異なりますが、投資における「積立」という言葉の多くは「ドルコスト平均法」という意味で使われていることが多いです。

参考記事…「積立」と「ドルコスト」の違い

 

 

ナンピンの基礎知識

それに対しナンピン(難平)というのは一般的に用いられる言葉ではなく、投資に関する専門用語といえます。

ナンピン買いと表現されることが多いですね。

保有銘柄が下落した時に買付することで取得単価を下げ損益分岐点を下げるのが目的になります。

何円下がったら買う・何%下がったら買うというルールをあらかじめ決めておく場合もあります。

ナンピン買いした後に無事上昇すれば大きな利益を上げることができますが、その後も下落し続けた場合は含み損もどんどん増えていく事になります。

へたなナンピン素寒貧という格言もありますね(辛)

 

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積立とナンピンの違い

 

さてここからが本番ですが、積立とナンピンの違いについて様々な角度から考察していきます。

 

価格変動への対応

積立の場合、価格の変動が意思決定に影響を与えることはありません。

仮に価格変動に合わせて積立金額や積立時期を変更するのであれば、それはタイミング投資的な要素が一部含まれることになります。

ナンピン買いの場合、むしろ価格が下がることでその機会が訪れますので、価格変動(下落のみ)に合わせて意思決定を行う事になります。

積立は価格変動を考慮しない・ナンピン買いは価格変動を考慮するという事になります。

 

投資時期

積立というのは基本的に一定周期ごとに買付を行いますので、投資する時期はおおむね決まっています。

その一方でナンピン買いは取得単価より下がった時が投資するタイミングですので、投資する時期はあらかじめ決まっていません。

その後はしばらく機会が訪れないかもしれないし、次の日大幅下落してすぐにその機会が訪れる可能性もありますからね(笑)

積立はおおむね定期的・ナンピンは不定期という事になります。

 

投資金額

積立の場合、1回あたりの買付金額に大きなブレはないことがほとんどです。

これはドルコスト平均法が有効であると(一般的には)言われていることや、収入のブレ幅が少ない人ほど積立投資に向いているといった事情が関係してると思われます。

ナンピン買いは極端な話買付金額を増やせば増やすほど取得単価を下げる効果が高まりますので、チャンスと思えば一気に資金を投入するという戦略も考えられます。

もっとも、勝負に出た後も下落し続ければまさにへたなナンピン素寒貧になってしまいますが(辛2)

積立はおおむね一定額・ナンピンは不定額という事になります。

 

取得単価への影響

積立は取得単価は一切考慮せず淡々と買付しますので、積立をすることで取得単価が上がる時も下がる時もあります(取得単価の平均化なんて言われますね)

「上がったら嬉しい、下がっても安く買えて嬉しい」というのはよくあるフレーズですね(笑)

ナンピン買いは取得単価を下がるのが目的ですので、取得単価よりも上がった時は買付せずむしろ売却を検討することになります。

ナンピンは取得単価を下げるが積立はそうとは限らないということになります。

 

投資期間

先ほどの取得単価の話にも通じますが、積立はあくまで長期的には右肩上がりという前提がありますので、必ずしも安く買う必要はありません。

ナンピン買いは取得単価を下げ損益分岐点を下げるのが目的であり、いわば安く買って高く売るための手法と言えます。

ここから考えると、積立は長期的・ナンピンは短中期的な投資手法であるといえます。

 

損切りの有無

ナンピン買いの場合は下がっても嬉しい…なんて悠長なことを言っている暇はありませんので、予想に反して下がり続けるのであれば損切りという選択も必要になりますが、積立の場合はそもそも右肩上がりが前提ですので余程の事がない限り損切りはしません。

積立は損切り不要・ナンピンは損切り必要ということになります。

 

 

積立とナンピンまとめ

 

ここまでの比較を表にまとめてみます。

 

積立(ドルコスト) ナンピン
価格変動 考慮しない 考慮する
投資時期 定期的 不定期
投資金額 一定額 不定額
取得単価 上下する 下がる
投資期間 長期的 短中期
損切り 不要 必要

※よりハッキリ比較できるように積立→ドルコスト平均法としています。

 

積立とナンピンは似たような投資手法として挙げられることもありますが、その意味合いを考えるとむしろ対照的であるといえます。

下落相場においては積立した結果ナンピン買いになってしまうということはありますが、これは積立投資が持っている1つの側面に過ぎません。

その後上昇相場に転じた後の動きが天と地ほど違いますからね。

余談ですが、積立投資の優位性を説明する時にしばしば元の価格まで戻らなくても利益が出るという文言が登場します。

しかしこれは下がったところで買うと取得単価が下がるというメリットを強調していることになり、ナンピン買いと積立を混同してしまいかねない説明だとつみ次郎は考えています。

むしろこのメリットは元の価格まで戻っても損失が出るというデメリットと表裏一体です。

参考記事…みんなドルコスト平均法のメリット捨ててない?

一番最初の話に繋がりますが特定の金融資産を少しずつ買付するという行動だけを見ると似たような概念であるだけに、その違いや意味合いについてはしっかり理解しておきたいところですね。

 

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〇ン〇ン次郎

 

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