みんなドルコスト平均法のメリット捨ててない?
つみたて次郎です。
今年からつみたてNISAが始まったこともあり、「積立投資」というフレーズが広がってきています(多分)
しかし、ポートフォリオ理論に基づけば、積立投資という行動そのものに大きな意味はありません。
参考記事「つみたてNISA=積立投資という考えを捨てよう」
もちろん給与収入で生活しているサラリーマン等の場合、基本的に毎月投資資金を得ることになりますので、結果的に積立投資になってしまうという事情もあります。
そして積立投資の王道ともいえるのが、ドルコスト平均法です。
定期的に同額ずつ積立していくことにより、安い時に多く・高い時に少なく買うという行動を自然に取ることができます。
また、下記の魅力的なフレーズで顧客を呼び寄せる魔法としても働きます。
評価額が上がったら資産が増えて嬉しい・下がったらたくさん買えて嬉しい
一見理にかなっているようですが、つみたて次郎は大嫌いな考え方です。
資産が上がって嬉しいのであれば、資産が下がるのは悲しいはずです。
もちろん感情をコントロールするための方便として考えればいいですが、実際にはそんなことありませんので解説していきます。
ほとんどの長期投資家は、投資している資産が右肩上がりで成長することを前提としています。
特に株式の場合、平均回帰性がとても強いため、高リターンが続けば低リターンが続き、低リターンが続けば高リターンが続くことが歴史的に繰り返されています。
次のグラフを見てみましょう。
無分配型投資信託を仮定して、AとBという商品を設定してみました。
過去5年間の評価額は次のように推移していました。
1年目に一括投資した場合、どちらが成績が良かったかはすぐ分かります。
100→120に変化した投資信託Aです。
しかし、ドルコスト平均法で積立した場合は別です。
計算は端折りますが、毎年20ずつ(=全体で100を投資)した場合、それぞれの成績は次の通りです。
投資信託A→88
投資信託B→約129
投資信託Aはボロ負けしているうえに元本割れしています。
上記に注目すると、投資信託Aは中間の3年目に天井になっているのに対し、投資信託Bは底になっています。
投資信託Bは2年目3年目に取得単価を下げていくことができたので、元値まで戻らなくてもリターンを得ることができました。
これ自体は積立投資自体の特徴ですから何も問題ありませんが、最大の問題は、投資信託Bのようなケースばかりを強調してドルコスト平均法の優位性を説明する場合が多いことです。
投資信託Bの場合、5年目に元の値段まで戻っていませんが、結果としてリターンは出ています。
この現象に注目すると、一括投資なら損してたけど積立投資なら得だったよというセールストークが誕生します。
投資信託Aのように、一括投資したら得してたけど積立投資なら損してたというケースを無視してね。
ドルコスト平均法を説明する資料には、ほぼ確実といっていいほど投資信託Bのように、中盤で底値になり、後半やや回復していくというチャートが載っています。
上記例はたった5年間ですが、何年間に設定しても同じことです(仮に投資期間が20年なら、10年目に天井or底になるようにすればいい)
結果として積立投資というのは、積立前半は下落したほうがよくて、積立後半は上昇したほうがいいというゲームに参加しているにすぎないということです。
もちろん一番の理想は天井知らずの右肩上がりなのですが、それが分かってるなら一括投資したほうがいいです。
参考記事「積立投資の危険性」
現実的には、投資信託Bのようなチャートを夢見て投資しているのが積立投資家ということになります。
そのため、次のように考えるのが適切でしょう。
積立前半に下落していたら嬉しい・積立後半に上昇していたら嬉しい
(積立前半に上昇していたら悲しい・積立後半に下落していたら悲しい)
つみたて次郎はまだ折り返し地点まで来ていませんので、下落を喜ばないといけない立場です。
そのため、同じ積立投資家でも、始めたばかりの人と出口が見えている人では全く違う立場であるということになります。
ですが、なぜか積立投資を始めたばかりの人が、上昇を喜んで下落を悲しんでいるという不思議な場面に出会います。
これは理論的にも感情的にも大きな間違いであり、積立投資のメリットを全部捨てていることになります。
別に上昇した時に悲しむ必要はありませんが、下落した時に悲しんでいるのは心の無駄遣いです(かっこいい)
日本の投資事情を考えれば、今はまだ下落を喜ぶべき人がほとんどなはずです。
ドルコスト平均法は理論上気休め程度の意味合いしかありませんが、人間理論だけで動く生き物ではありませんので、心理的なクッションとして働くことが最大の役目ともいえます。
たかだか投資額300万円のつみたて次郎ですが、もしかしたらドルコスト平均法が心の支えになるときが来るかもしれませんからね。
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つみたて次郎
こんにちは。
つみたてnisaの場合、1年ひと枠に対して最初の1年のみ投資可能、
翌年は別のひと枠、ということから、
最初の1年に細かくつみたてようが、ほぼ一括で入れようが、
20年後にあんまり影響はでないような気がするのですが、どうですか。
むしろ、この設計により、毎年ちがう枠に投資するということから、
自動的に時間差が発生し、積み立てている感じは出ますが、
一般的な積み立てとは、ちょっと違う気がしてきました。
基本、1年目に投資、あと19年放置、その枠が20本。
つみたてnisaってそうだったんだと、最近気づきました。
どうもこんにちは。
おっしゃる通り、年初一括と細かく積立の違いは、20年後では誤差のレベルだと思います。ですので、理論上は期待値の高い年初一括投資が有利です。
また、つみたてNISAと一般的な積立の間には、特に大きな差はないと私は考えています。1年目に投資、あと○年放置というのは、特定口座でも同じことではないでしょうか?
つみたてNISAは、「毎年40万円分使える有利な口座」と考えるとわかりやすいかと思います。そして単年度ごとの成績ではなく、トータルで見た成績を考える視点が必要です。仮に1年目の投資金が大幅マイナスであっても、2年目3年目で大幅プラスなら全く問題ありません。大事なのはトータルで利益を出して節税メリットを活かすことです。
つみたてNISAという制度を意識せず、自分のアセットアロケーションを固めていけば最適な活用法が見えてくるかと思います。
参考になれば幸いです。