雇用維持>配当金>自社株買い
つみたて次郎です。
コロナウィルスにより実体経済にも多大な悪影響が出ていますが、その中でも特に深刻なのが雇用問題です。
比較的解雇規制が厳しい&自粛は緩いという日本においてもその傾向は出ているようですので、海外ではさらに悲惨なことになっていることが容易に想像できます。
そんな状況を打破する策として、配当減を容認し雇用維持・製薬会社支援につなげようという動きが機関投資家の間であるようです。
外部リンク…配当より雇用維持を 機関投資家、コロナ対応で転換
一部引用します。
企業が株主のために利益を追求することで、社会全体でみれば経済成長が促され、働き手も豊かになれるというのが資本主義の利点とみられてきた。しかし金融危機時には米企業を中心に従業員の削減で利益や資金を確保し、株主への配当や自社株買いを優先した。格差拡大で社会が分断したと批判も出て、短期的な株主利益への偏りが見直されてきている。
出典「日本経済新聞」
まぁごもっともな話ではありますが、投資家・企業側から出る言葉としてはいささか行儀が良すぎる感が否めません(煽)
株主至上主義的な米国でも「株主だけではなく社会全体を考えていこう!」みたいな綺麗事風潮も出ていますので、コロナをきっかけにその主張が広がるのは自然といえますけどね。
参考記事…【悲報】米国の株主第一主義が崩れる?
その一方、DISのように雇用を削って何とか凌いでいこうという企業もあり、コロナ終焉後に運命が真っ二つに分かれそうな予感がします(フラグ)
雇用維持と株主利益どちらが大事?
どちらが大事かというのは、立場によって大きく変わります。
従業員側から見れば雇用維持・株主側から見れば株主利益が大事です(キッパリ)
ただし元記事にもある通り、有能な従業員まで切り捨ててしまうことで、コロナ復帰後の競争力が落ちてしまう可能性があるため、後者は一概にそうとも言い切れないのが難しい所ではあります。
また、あまりに冷徹な従業員切り捨てをやりすぎると企業のイメージダウンにもつながりかねません。
DIS「辛い」
まぁ結局のところ、企業も機関投資家もあんまりカネにがめついと叩かれるから、行儀のいい言葉を並べているだけだとは思いますけどね(煽)
例えばの話ですが、いきなりGPIFが「ヴァイス投資全振りでボロ儲けするぜ!」なんて言い出したら大問題になりかねません(笑)
長期的な株主還元…つまり株主利益を守るために雇用維持という選択を取る可能性はあっても、その逆はありません。
あくまで優先順位は株主利益>雇用維持です。
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配当金と自社株買いについて
株主還元の方法は大きく分けて配当金支払い・自社株買いの2種類が存在しています。
そのうち伝統的な手法と言えるのが配当金支払いであり、連続増配年数の基準になる等の事情もあって、比較的安定して継続される傾向があります。
その一方、自社株買いは企業利益に応じて変動する傾向があり、比較的不安定です。
配当金→給与、自社株買い→ボーナスと考えると分かりやすいですね。
そのため、もし雇用維持のために株主還元を減らしていくのであれば、まずは自社株買いからという事になります。
つまり基本的な優先順位は配当金>自社株買いということですね。
配当ETFへの影響
現実的な話としてつみ次郎が懸念しているのは、コロナショックにより配当金という概念が変わってしまう事です。
配当金は自社株買いより安定しており、なおかつキャッシュが手元にある証明になるという理屈で高配当戦略を支持しているつみ次郎ですが、もし配当金が有事の際に簡単に停止されてしまう(まさに今起ころうとしている)事になれば、配当利回りという指標はバリュエーションを判断するのに機能しなくなってしまいます。
極端な話多くの企業が無配転落してしまえば、高配当戦略的にはそれらの企業は投資価値なしということになってしまい、ポートフォリオが極端に偏ってしまう危険性があります。
連続増配戦略においても、ごく一部の銘柄だけに投資対象が偏ってしまいますね。
つまりリーマンショック時のように、無理やりでも配当金を維持するという風潮が必要という事です。
そして、もし元記事の主張が広く受け入れられてしまった場合、その前提が崩れてしまいます。
優先順位はどうなる?
元記事の主張から推測すれば、雇用維持>配当金>自社株買いとなりますが、本当にこのような世の中が訪れるためには資本主義というシステムを根本から見直す必要があります。
あくまで本質的には配当金>自社株買い>>雇用維持という優先順位で資本家優位の世界が続くことでしょう。
また、仮に本当にそのような世界が訪れるのであれば、つみ次郎のような弱小労働者が救われているはずですので、それはそれでよいのかもしれません(楽観)
株主至上主義ではなくなった世界では、株式の長期実質平均リターンは7%ではなくなっているかもしれませんが、それでも相対的に有利な投資先であり続けるなら問題ありません。
どちらに転んでもいいように…というよりも、今ある選択肢の中からマシなのを選んでいれば自然と道は開かれることでしょう(悟り)
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