金融商品の価値と互換性
つみたて次郎です。
突然ですが、私たちはモノ・サービスというものを比較検討し、その中で最も欲しいものを購入しています。
それはランチのメニューを決めるという小さな選択から、マイホームを決めるという大きな選択まで様々です。
それは投資家においても例外ではなく、多種多様な金融商品の中から自分に合ったものを選んで買付しています。
それは個別株だったり、投資信託やETF、あるいはビットコインかもしれません。
今回は、金融商品の価値を比較する基準・互換性というテーマで話を進めていきたいと思います。
金融商品の価値とは?
金融商品における価値というのは低リスクde高リターンという1点に集約されており、一部の例外を除けば納得できるのではないかと思います。
参考記事…ESG投資 VS ヴァイスファンド投資 ~正義と悪~
なので過去の実績で考えれば、PMやBRK.BやAMZNなんかが最強候補になりますし、価値の高かった金融商品を探すだけならさほど難しい事ではありません。
しかし私たちが見つけなければならないのは、これから保有して価値の高い金融商品であり、それを見つけるのは容易ではありません。
そしてそれを議論しているのがバリューVSグロース、高配当VS低配当、ガチホVSタイミングだったりするわけですが、いずれも未来予想に過ぎず確実ではありません。
現実的な金融商品の価値
未来を見渡す水晶玉は誰も持っていない以上、真に価値のある金融商品がどれかは分かりません。
そこでつみ次郎が考える価値を比較するための基準とは、コストです。
投資というのは、将来値上がり(値下がり)することを予想して賭ける行為ですが、どれが勝つかは分かりません。
ですが、どうせ同じ対象に賭けるのであれば、コストが低い方が期待値は高まります。
同じ指数に連動するインデックスファンドなら信託報酬は低い方がいいし、頻繁に売買するなら信託報酬よりも流動性の高さ等を重視します(最終的にコスト削減につながる)
同じ個別株を買うなら、できる限り手数料の安い証券会社を選んだ方がいいです(金融商品というよりは金融サービスかな?)
つまりつみ次郎としては、金融商品の価値は類似ジャンルで比較した場合のコスト差にあると考えています。
SPYDに限らないが、あらゆる金融商品は「同ジャンルで最も低コストかどうか」でその価値が決まると思ってる。
SPYDの中身は唯一無二だしコストも文句なしの水準。
投信・ETFなんかは特に「お買い得パック詰め合わせ」的な性質が強いからよほどボッタクリでない限り需要はあるだろう(T.Q.Q.Q)— つ み た て 次 郎 (@tsumitatejiro) April 24, 2020
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インデックスファンドの場合
類似ジャンルにおけるコスト差を考えるうえで、最もイメージしやすいのはなんといってもインデックスファンドでしょう。
同じ指数に連動するものでも、コスト(信託報酬)の差は歴然です。
一番分かりやすいのはeMAXIS SlimとeMAXIS(通称:Fat)ですね。
これに限らず、同じ連動指数・同じ運用会社・同じマザーファンドであっても信託報酬に倍の差があったりすることもザラにあります。
もちろん取扱金融機関が異なるなどでそもそも比較できない場合もありますが、どちらも選べる環境であれば高コストな方を選ぶ理由はありません(少なくとも消費者の立場から見れば)
ネット証券で取引している人にとって、実店舗向けの高コスト商品(Fat等)は無価値であるといってもいいでしょう。
取引における手続きや利便性についても全く同じですからね。
逆に言えば、多少コスト差があるとしてもそれに勝るメリットが別にあれば価値はあると思います。
投信VS海外ETFなんかはその典型で、コスト的には後者が有利になると思いますが、利便性は前者の方が圧倒的に有利です。
上位互換と下位互換と相互互換
カードゲーム等でよく用いられる表現ですが、上位互換・下位互換・相互互換というのはご存じでしょうか?
上位互換…とある物より性能が優れている代替品
下位互換…とある物より性能が劣っている代替品
相互互換…似たような役割・性能を持つ代替品
文章で説明するとややこしいので、具体的な商品を挙げていきましょう。
取扱金融機関の違いを考慮しない場合、eMAXIS Slim 先進国株式インデックスはeMAXIS 先進国株インデックスの上位互換であり、逆から見れば下位互換となります。
また、eMAXIS Slim 先進国株式インデックスの相互互換として<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンドなどが存在しています。
eMAXIS 先進国株インデックスは単体で見ればそこまで高コストなわけではなく、連動指数もMSCIコクサイと無難なので悪い商品ではありませんが、上位互換が存在する以上どちらも選べる人にとっては無価値です(復習)
逆に言えば、多少高コストで成績が悪いアクティブファンドだとしても、内容で差別化できていれば十分価値はあるという事になります。
つみ次郎がやや高コストで独創的なファンド(iFreeに多い)に対して寛容的なのも、コスト以外で差別化できれば需要はあると考えているからです。
逆に、似たような内容で後発なのに高コストなファンドや、ほとんど指数に追随してるのにアクティブ扱いで高コストなファンド(いわゆる偽インデックス)に対してはかなり批判的です。
カードゲームで例えるなら、上位互換が存在するカードはそれなりに強くても無価値だし、それよりも上位互換が存在しないネタカードのほうが利用価値がある(早口)
— つ み た て 次 郎 (@tsumitatejiro) April 24, 2020
金融商品以外でも大切
類似ジャンルでコスト差を比較するというのは、金融商品以外においても大切な考え方です。
ただし、比較的自由に売買が可能な金融商品に比べれば、コスト差以外の様々な制約があります。
例えば飲食店であれば立地という壁が存在しており、例えもっと安くて旨い店があったとしてもすぐに乗り換えることはできません。
また、同じ店舗のメニューでも昼と夜で値段設定が異なっていたりすることがありますが、サラリーマンにとって平日昼限定ランチというのは物理的に食べられなかったりします(辛い)
場所・時間などといった他の要素も考える必要があるという事ですね。
その中で金融商品というのは、(オンライン取引なら)自宅にいながら多種多様な商品を比較検討できますし、指値等を駆使すれば時間帯という制約もある程度無視できます。
特に上記に挙げたインデックス投信なんかは、ほとんどの条件を無視して比較できるといってもいいでしょう。
私たちが持っているカネ・時間というのは有限であり、それを活用して得られる対価も有限です。
何事も単体で評価せず、比較検討して2番手以下(≒下位互換)は切り捨てていくという冷徹さが必要ですね。
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相互次郎