ESG投資 VS ヴァイスファンド投資 ~正義と悪~

チョイ悪次郎です。

投資のスタイルは多数存在していますが、多くの場合2つの戦略が対になっていることが多いです。

具体的には、高配当株VS低配当株、バリュー株VSグロース株などが有名です。

その中でひとき目立つ投資戦略の組み合わせが、ESG投資VSヴァイスファンド投資です。

ESG投資は、環境・社会・ガバナンスに優れた企業に投資を行い、持続的な企業に投資を得ることで超過リターンを得ようとする手法です。

ヴァイス(VICE)ファンドは、逆にタバコ・軍需産業といった、不道徳銘柄を集めたファンドの事を指します。

ただし、厳密に言えばESG投資と対になる表現ではないのがもどかしいところです。

あまり使われない表現になってしまいますが、ヴァイスファンドやヴァイス銘柄を中心に投資することをVICE投資と本記事では呼ぶことにします。

今回は、正義のESG投資VS悪のVICE投資というテーマで話を進めてみたいと思います。

 

【正義】ESG投資の強み

ここ最近、知名度を上げている有名な投資スタイルです。

環境・社会・ガバナンスをしっかり意識した、クリーンで健全な企業を選定して投資を行います。

ベタな言い方をすれば世の中にとって役立ついい企業に投資して応援するといったところでしょうか。

特に機関投資家の間で定番になっており、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)でも採用されています。

政府機関であれば、不道徳な銘柄ばかり投資していては世間体が悪いので、耳障りのいいESG投資が浸透するのも納得です(辛辣)

投資戦略としてESG投資を見た場合、世の中に好影響を与える企業は長期的な存続・発展が期待でき、顧客からの信頼も得られるため、長期的には大きなリターンをもたらすという主張ができます。

顧客・社員・株主の全てがWin-Winになれるような企業に投資するということですね。

 

【悪】VICE投資の強み

こちらはESG投資の真逆で、一般的に不道徳とみなされ、世間から嫌われている業種や企業に投資するスタイルです。

具体的には、タバコ・酒・軍需産業・ギャンブルなどが定番です。

これらの銘柄は、モラルや宗教上の関係で保有を嫌う人が多く、結果的に割安で放置されてきた歴史があります。

全体的に強力なブランドを抱えている消費者独占企業が多く、投資家に嫌われる要素×しっかり稼げる要素という二重でおいしい投資先でもあります。

特にタバコ銘柄は、長期的に極めて優秀なリターンを叩き出していたのは有名ですね。

また、ESG投資が流行っている現在においては、機関投資家は特に手を出しにくいジャンルではないかと思います(特に政府系)

もしGPIFがVICE投資に積極的だったら、国民から非難が殺到しそうです(笑)

一般人はもちろん、投資家の間でもVICE投資は賛否両論なくらいですからね。

なので、個人的にはVICE投資=個人投資家向けの戦略というイメージが強いです。

機関投資家の制約の裏をつくというのは、個人投資家の基本です。

 

 

ESGファンド、VICEファンドの過去成績

個別株で投資する場合も、ESG投資やVICE投資のスタイルを盛り込むことはできますが、それぞれに特化したETFが存在しています。

今回は、それぞれ対応するファンドを比較してみます。

 

ESGファンド代表(海外ETF)
・iシェアーズ・MSCI米国ESGセレクトETF(SUSA

VICEファンド代表(投資信託)
・USA Mutuals Vice Investor(VICEX

比較対象用(海外ETF)
・iシェアーズ・コアS&P500ETF(IVV

 

Morningstarによれば、2019年8月8日時点の過去平均トータルリターンは以下のようになっています。

SUSA(ESG) VICEX(VICE) IVV(S&P500)
過去1年 +4.71% -2.95% +2.94%
過去3年 +11.87% +4.94% +11.93%
過去5年 +10.23% +5.40% +10.80%
過去10年 +12.38% +11.18% +13.34%
過去15年 (データなし) +8.70% +9.06%

 

なんとなく予想はできましたが、市場平均であるS&P500の強さを思い知らされますね(笑)

ただし、VICEXについては信託報酬が1.49%とかなり高額であることや、この中では唯一米国外株を組み込んでいる(約35%)といった事情を考慮すると、ヴァイスファンド自体のポテンシャルはかなり高いといえます。

時代は正義より悪ですね(GES顔)

ただし、VICEXは米国の投資信託なので、残念ながら日本の証券会社では買うことができません(泣)

 

ESG投資に対する懸念

ここまでの文章で何となく分かると思いますが、つみ次郎はESG投資に懐疑的・VICE等にやや肯定的な立場です。

株式投資を通じて社会貢献を~」みたいなことは一切考えていないので、儲かるなら投資するだけです(最低発言)

なので、どれだけ道徳的な企業であっても儲かる見込みがないなら投資しませんし、逆にどれだけ不道徳的で世間からバッシングされている企業だとしても、合法的に儲かる見込みが高いなら投資するだけです。

投資家の目指すべきものは税引後トータルリターンを最大化することであり、その他の要素はおまけに過ぎません。

ESG投資というのは、見方を買えればVICE銘柄を意図的に避ける投資法といえます(逆もしかり)

そして、VICE銘柄が長期的に高リターンだったという歴史を考えると、意図的に除外することでリターンを押し下げる可能性があります。

もちろん過去の傾向がそのまま続くとは限りませんが、わざわざ成績の良かった銘柄群を外すというのは、それなりに大胆な戦略ではないかと思っています。

 

ESG投資→過去の傾向に逆らう
VICE投資→過去の傾向に賭ける

 

ある意味「高PER株にまんべんなく分散投資!」のような過去に挑戦しているスタイルですからね(いろんな方面に煽る)

ESG投資に関しては、直近の成績がズバ抜けているわけでもないので、より明確なビジョンがないと手を出しにくいです。

ESGとVICEに分けることに意味を見出せなかったり、どちらが勝つかは分からないという判断ならば市場丸抱えのインデックス投資でOKです。

もちろん、個別株投資家であってもこの2つを意識しなければならないということではありませんし、逆にポートフォリオ内に共存させることもできます。

 

ESG投資ブームの光と影

ESG投資が注目を集め、ごく一般的な概念として広まっていくのは容易に予想できる…というより既に実現しつつありますが、VICE投資が世間一般に広く浸透することは考えにくいです。

その意味でも、VICE投資のほうが機関投資家の参入障壁・過去リターン・投資家心理・ESG投資ブームといった、長期的に持続する根拠が多数存在しています。

おまけに、悪の投資家みたいな感じでかっこいいですし(笑)

ESG投資が眩しく光り輝くほど、VICE投資の影もより深くなっていくのです(ドヤ顔)

現時点では投資信託やETFを用いて投資するのは難しいですが、今後低コストなものが登場したらぜひ検討してみたいです。

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VICE次郎

ESG投資 VS ヴァイスファンド投資 ~正義と悪~” に対して1件のコメントがあります。

  1. 一個人投資家 より:

    さすがに精神年齢幼すぎじゃないですかね

    ネタにもなってないし普通に気持ち悪い

  2. 匿名 より:

    相場が沈み、
    誰も相手にされない銘柄をこそっと買うのが投資の原則ですよね。
    それより、
    ESG投資で年金基金が大損こいたら、
    誰が責任とるんでしょうね。
    年金運用者はどうせ他人のお金を運用しているに過ぎないので、
    痛くも痒くも有りませんね。
    他人のお金でマスターベーションしているに過ぎないですね。

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