【悲報】米国市場の年初来リターンがほぼゼロ。配当貴族が意外と強い。
つみたて次郎です。
2018年における米国株の調子があまり良くありません。
米国市場を広くカバーするバンガード・トータル・ストック・マーケット(VTI)の場合、年初来のドル建てトータルリターンは-0.4%となっています。(2018/11/21現在)
また、これまではハイテク企業を中心としたグロース株が市場を牽引していますが、最近では大きな下落が続いています。
そのため、相対的に落ち込みの少ない高配当株や連続増配株に注目が再び集まっている印象です。
バンガード・米国高配当株式(VYM)とVTIの比較です。上昇相場で大きく出遅れていたVYMも、年初来で見ればほぼ同じくらいのリターンになっています。
こちらは米国配当貴族指数に連動するETF、NOBLとVTIの比較です。
こちらは年初来リターンが+1.5%になっており、ギリギリプラスを保っています。配当貴族指数には連続増配年数25年以上という採用条件がありますので、ハイテク企業がほとんど含まれていません。
上記はドル建てなので、円建て換算するために投資信託の基準価格で考えてみます。
それぞれ同じ指数に連動する投資信託4種で比較しています。
VTI(米国市場全体)→楽天・全米株式インデックス・ファンド
VYM(米国高配当株)→楽天・米国高配当株式インデックス・ファンド
NOBL(米国配当貴族指数)→SMT 米国株配当貴族インデックス・オープン
NOBL(米国配当貴族指数)→ 野村インデックスファンド・米国株式配当貴族
ちなみに全部つみたて次郎の保有銘柄です。特に2016年から設定されているSMTは思い入れがありますね。
年初来の基準価格と現在の基準価格をまとめてみます。
略称 | 年度初※ | 11/22時点 | 騰落率 |
楽天VTI | 10,707円 | 10,594円 | -1.06% |
楽天VYM | 10,000円 | 9,874円 | -1.26% |
SMT貴族 | 12,859円 | 13,012円 | +1.19% |
野村貴族 | 11,661円 | 11,762円 | +0.87% |
※楽天VYMは設定日の1/10時点、それ以外は1/4時点。
SMTと野村の差はさておき、米国配当貴族が若干よいリターンになっています。
市場平均がマイナスの時でもプラスになっていると聞くと心強いですが、絶対的な数値の差は小さく、直近の下落相場で一緒に下がっていることには変わりないので過信は禁物です。
上記4商品はいずれも設定来分配金がゼロとなっています。無分配型投資信託は評価額を比較するだけで円建トータルリターンが計算できるのは素晴らしいですね。
今年から米国株式ファンドに投資した人は、現時点でほとんど利益が出ていないことになります。
過去10年では素晴らしいリターンを叩き出していた米国株ですが、今年も残すところ1ヵ月なので、残念な結果で終わることになりそうです。
当然過去のリターンが将来を約束するわけではありませんが、特に今年から米国株に投資を始めた人にとっては手荒な歓迎になりそうです。
お金が増えたり減ったりするのに、トータルで結局増えていないというのはなかなか辛いですね。
特に米国市場は割高で推移しているので、今後このようなレンジ相場がしばらく続く可能性も十分考えられます。
一般的に投資といえば、リターンがプラスかマイナスかという2択で考えられることが多いです。
積立投資家的に言えば「下落相場でも淡々と積立を継続せよ」という合言葉があり、最終的なトータルリターンを左右する要素になります。
そしてリーマンショックのような分かりやすい下落については、多くの金融機関やブロガーが考察しているテーマです。
しかし「評価額が横ばいで動かない時の積立心得」というのはあまり語られていない気がします。
分かりやすい下落が続けば「含み損だけど毎月安く買えるぜ!」と開き直ることが可能ですが、特に増えも減りもしない相場の場合、退屈の2文字が投資家を襲うことになります。
下落で心が耐えられなくなるのではなく、「投資しているのに実感がない。他にもっと良い投資法があるのでは?」という積極的な狼狽?にも気を付けなければなりません。
年初来リターンや含み益・含み損に左右されず、淡々と積立を行うのが長期投資家の仕事です。
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つみたて次郎
野村貴族 11,762円 11,661円 +0.87%
↑マイナスの間違いじゃね
>>かくまる様
基準価格を逆に記載していました。リターン自体は+0.87%が正しいです。
該当箇所は修正しました。ご指摘いただきありがとうございます。