バンガード・米国高配当株式(VYM)分析

シーゲル二郎です。

今回は、バンガード・米国高配当株式(VYM)を分析していきます。

高配当ETFとして非常に人気が高いスマートベータETFで、配当利回りは3%前後あります。

 

バンガード・米国高配当株式ETF(2017/3/31現在)

項目 データ
信託報酬  0.08%
銘柄数  428
PER  21.0%
PBR  3.0%
ROE  17.2%
利益成長率  2.4%
売買回転率  7.3%
標準偏差  9.76%

 

バンガード社が販売する優良ETFで、米国で高配当な企業を時価総額基準で保有するETFです。特徴としては、高成長な無配当企業が含まれなくなるので、利益成長率は市場平均の米国平均の7.4%を大きく下回っています。キャピタルゲインよりもインカムゲインを狙いに行くETFです。

高配当ETFなので、大きく減配や無配当になった企業は外れていくので、多少入れ替えが発生します。ですが、売買回転率は7.3%と、非常に低いです。入れ替えに伴うロスが少なく、スマートベータの弱点を大きくカバーしています。

標準偏差は市場平均よりも低めですが、リーマンショックでは市場平均と同じようにへこんでいます。

高配当ETFは一般的に下落相場に強いといわれていますが、S&P500とあまり変わりません。配当金が下落相場のプロテクターになるのは、高配当ではなく配当を維持できる企業です。

業績悪化で株価が下落したことで高配当になった企業も多く含まれているので、不況では減配することもよくあります。

 

同じバンガード社のバンガード・米国連続増配ETFとよく比較されます。こちらは高配当ではなく連続増配に注目しているので、配当金はあまり高くありません。

高配当ETFという土俵では、iシェアーズ・コア米国高配当株ETF(HDV)と比較されやすいです。VYMが比較的インデックス投資に近いのに対し、HDVは銘柄数が少なくセクター比率も独特で、アクティブ投資に近いスタイルです。

 

セクター別比率を市場平均に投資するVTIと比較してみます。

VTI と VYM(2017/3/31現在)

セクター VTI(全米) VYM(米高配当)
金融 20.3% 13.7%
テクノロジー 17.3% 14.3%
消費者サービス 13.1% 5.7%
資本財 12.9% 12.7%
ヘルスケア 12.6% 13.0%
消費財 9.7% 14.9%
石油・ガス 6.1% 9.3%
公益 3.2% 7.8%
通信サービス 2.2% 5.0%

 

通常の11セクターと名称が違うので注意してください。

比べてみると、VYMは金融が少なく公益が多いですが、全体的に見れば大きく違う点はありません。参考にVIGは、資本財が30%を超えていたり、HDVに至っては石油・ガスが20%近くあったりと、市場平均と大きく違うバランスになっています。

その点VYMは、市場平均のセクターバランスを保ったまま高配当銘柄を抽出したような感じになっています。

他の人のETF分析では、「VYMは金融やテクノロジーが多く不況に弱い」といわれがちですが、あくまで他のスマートベータETFと比べればの話で、市場平均に比べれば十分不況に強いバランスです。

不況にあまり強くないのは、セクターバランスではなく高配当銘柄そのものの特徴からです。

 

米国市場平均であるVTIの上位10銘柄のうち、どれがVYMに採用されているかを分析します。

VTI構成比率上位10銘柄(2017/3/31)

順位 会社名 VYM採用
1位 アップル ×
2位 アルファベット ×
3位 マイクロソフト
4位 アマゾン ×
5位 エクソンモービル
6位 ジョンソン&ジョンソン
7位 フェイスブック ×
8位 バークシャーハサウェイ ×
9位 JPモルガン・チェース
10位 ゼネラルエレクトリック

 

〇がVYMでも採用されている銘柄、×は採用されていない銘柄です。

こうしてみると、いい具合にシーゲル派が好みそうな銘柄が抽出されているように見えます。アップルは微妙なところですが、以前は採用されていました。

FANGのような無配当企業はもちろん採用されないし、配当利回りが低めのグロース株もあまり採用されにくい仕組みになっています。

 

ETF別の配当利回りを比較してみます。(2017/9/18現在)

ティッカー(投資テーマ) 配当利回り
VTI(バンガード全米国) 1.79%
VYM(バンガード高配当) 2.95%
VIG(バンガード連続増配) 2.19%
HDV(iシェアーズ高配当) 3.45%

 

市場平均のVTIに比べてVYMは高配当になっています。しかし、iシェアーズ・コア米国高配当(HDV)のほうがより配当利回りが高いです。HDVはディフェンシブ性の高い銘柄の比率が高いので、配当暮らしの人にはHDVのほうが人気があります。

 

 

総合的に見て非常に優秀なETFです。

大きな特徴は、スマートベータにかかわらず、セクターバランスが市場平均と非常に似ていることや、銘柄数が400越えと幅広く分散されていることです。そのため、どちらかといえば伝統的な時価総額基準インデックスに近い運用になります。。売買回転率がかなり抑えられているのも、この特徴によるものかと思います。

比較になるVIGやHDVは、セクターバランスや銘柄の偏りが大きく、売買回転率も高めです。そのため、この2つはアクティブ投資に近い運用になりそうです。

VYM次のような考えを持つ投資家に向いている銘柄かと思います。

 

①純粋に高配当戦略を実行したい。

②仮設市場効率性を信じているけど、明らかに人気のある株は避けたい。

 

特に②の理由は強烈です。このVYMは、ポンコツを取り除いた市場平均に投資できるETFといっても過言ではありません。ここでいうポンコツとは、FANGなどの人気グロース株のことです。

仮に高配当戦略が失敗したとしても、インデックスに近いので市場平均に大きく負けることはないでしょう。

多くのシーゲル派投資家は「地味な企業が市場平均を超えた」と考えているようで、目立たない優良企業に投資しています。しかしシーゲル二郎は、どちらかといえば「派手な企業が市場平均を下回った」と考えています。

そのため、地味な企業を固めたHDVより、派手な企業を省いたVYMのほうが好みです。

ホントはシーゲル二郎も配当貴族よりVYMに投資したいです。楽天VYMカモン!

参考記事「米国配当貴族が市場平均を超えるシンプルな理由

バンガード・米国高配当株式(VYM)分析” に対して 2 件のコメントがあります

  1. マリ より:

    なんかありきたりというか、真面目というか・・・。
    どうしてもバフェット太郎氏と比較してしまいますね。

    いっそのことタイトル名変えたほうが良いのでは?

    尊敬しているバフェット太郎氏に、馬鹿にされて、それでも続けているのは立派だと思う反面、痛々しいです。

    完全にタイトルが一致していると、そりゃ怒られるよね。

  2. シーゲル二郎 より:

    コメントありがとうございます。ちょうど18日から19日にかけてVIG、VYMの記事を書いていましたが、バフェット太郎氏の記事とテーマがかぶってしまったので、格の違いを見せつけられてしまいました。
    「シーゲル二郎」はそのまま残しますが、近いうちにタイトルは変更するつもりです。お騒がせしてすいませんでした。

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