投資額が増えるとリスク許容度は高くなるか?低くなるか?

つみたて次郎です。

ポートフォリオを決めるうえで最も大切といっても過言ではないのが「リスク許容度」です。

定義は様々ですが、基本的には投資家が許容できる最大損失を逆算するための要素です。

リスク許容度が高い投資家は、株式比率を高めたりレバレッジをかけたりすることで、ハイリスクハイリターンな投資を目指します。

逆にリスク許容度が低い投資家は、下落率を抑えるため債券比率や現金比率を高める必要があり、ローリスクローリターンな投資を目指すことになります。

投資家自身の考え方や環境により大きく左右されるリスク許容度ですが、今回はリスク許容度と投資額について考えていきたいと思います。

 

リスク許容度の定義について

本記事では、リスク許容度=ポートフォリオの資産配分割合を決める要素と定義します。

例えば100万円を運用している人と1億円を運用している人では大きく環境が異なりますが、それぞれ同じ比率のポートフォリオを採用していた場合この2人のリスク許容度は同等であると判断します。

 

投資額増=リスク許容度になるケース

前提として資産が下落しても問題がない環境があれば、リスク許容度は高くなります。

例えば定期的な家賃収入があったり、本業から十分な給料を継続して得られる見込みがある場合、より積極的にリスクを取ることが可能です。

参考記事「サラリーマン債券という最強の資産

逆に不安定な収入しかない場合、生活防衛資金を多めに確保する必要があるため、リスク許容度は低くなります。※

※生活防衛資金は本来ポートフォリオ外で考えるべきですが、現実的には考慮する必要があると思います。

この延長で考えていけば、投資額が多いこと自体がリスク許容度を高めることになります。

生活費に対して十分な資産額を保有していれば、多少の下落では大きな問題になりません。

逆に生活費に対する資産額が少ない場合、大きな暴落は生活に直結する問題です。

特に世界的な株安の時には大きな不景気にぶつかることが多いので、ポートフォリオを維持することすら困難になってしまう可能性もあります。

そもそも普段の生活費に困っているような状態であれば、リスク許容度以前に投資自体ができなくなってしまいます。

投資額(=金融資産)が多いほど生活費を確実に確保できるため、リスク許容度を高くできるという理屈です。

 

投資額増=リスク許容度になるケース

今度は反対に、投資額が増えることでリスク許容度が低下するケースを考えます。

100万円を持っている人と1億円を持っている人が全く同じポートフォリオを組んだ場合、それぞれの変動率は常に同じになります。

しかし変動率は同じでも、変動幅は大きく違います。

例えばそのポートフォリオが-30%の暴落を経験した場合、100万円の人は30万円の損失で済みますが、1億円の人は3,000万円の損失です。

投資で考えれば同じ-30%の損失ですが、30万円と3,000万円では投資家に与えるインパクトが全く違います。

かといって、損失額をベースにポートフォリオを決めようとするのも無理があります。

もし1億円持っている人が、最大で許容できる損失額を30万円と決めた場合、大部分を無リスク資産で運用しなければならないことになります。(今回のケースならリスク資産100万円+無リスク資産9,900万円)

これは流石に極端すぎるため、リスク許容度を最大損失額で図るのは現実的ではありません。最初にリスク許容度を定義したのもこのためです。

そもそも十分な金融資産を持っている人は、積極的に増やす必要性がありません。むしろ減らさないための資産保全がメインになっていきます。

高リターンを求める必要がない以上、リスク許容度は低下していくことになります。

 

 

リスク許容度の波について考える

リスク許容度の変化は個人差が非常に大きいですが、時間軸に沿った次のような具体例を考えてみました。(サラリーマンを想定)

 

①運用をスタートした頃
→投資に回せる金額も少なく、生活防衛資金も満足にはない状態。貯金をしながら並行して投資を少し行う程度で、リスク許容度は低め。

 

②運用が安定してきた頃
→十分な生活防衛資金を確保し、投資額もそれなりになってきた。給料もだんだん増え余裕が出てきため、リスク許容度は高め。

 

③運用の出口が見えた頃
→十分な額の資産形成が終了し、退職が近いため今後積立できる投資資金もあと少し。今後は減らさないための運用に切り替えていくため、リスク許容度は低め。

 

このケースでは、リスク許容度が

①低い→②高い→③低い

の順番で変化しています。

リスク許容度は徐々に高くなる・低くなるだけではなく、状況に応じてどちらにも変化する可能性があります。

もちろん今回のケースはほんの一例であり、現実的には結婚したり住宅ローンを組んだり子供が生まれたりといった人生設計を考慮していく必要がありますし、各投資家の性格も影響してきます。

例えば子供や孫に財産を贈与する計画を立てるのであれば、③の時点でさらにリスク許容度を高めるという選択も考えられます。(もちろん老後の生活費を確保した上での話ですが)

 

つみたて次郎はどちらのタイプか?

投資額の増減はリスク許容度にも大きな影響を与えますが、高くなるか低くなるかは人それぞれです。

自分がどちらのタイプか考えたいときは、宝くじで1億円が当たった時のことを妄想しましょう。

もし幸運にも1億円を手に入れたときに、どんなポートフォリオを組むかを考えればその傾向が分かります。(投資以外に使うという選択肢は忘れてください)

1億円あるからいろんな投資戦略を積極に試したいという人もいれば、1億円という大金を守るためのポートフォリオ(オールウェザーとか)を検討する人もいるでしょう。

その時に妄想したポートフォリオと現時点で投資しているポートフォリオを比べてみれば、投資額がリスク許容度にどのような影響を与えているかが分かります。

ちなみにつみたて次郎は現在株式100%なのでリスク許容度の高めな人ですが、1億円が手元にあったらかなり保守的なポートフォリオを組みそうなので、投資額の増加→リスク許容度の低下につながるタイプの投資家といえそうです。

 

投資額とリスク許容度まとめ

投資額とリスク許容度はポートフォリオを決めるうえで重要な要素ですが、その関係は非常に複雑です。

しかし投資額というのは(順調であれば)徐々に増えていくものであるため、どこかでリスク許容度の変化をポートフォリオに反映させていく必要があります。

自分にとって投資額とリスク許容度はどのような関係なのか、その際はどのような方法で調整していくかということをしっかり考えておきたいですね。

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高リスク次郎

投資額が増えるとリスク許容度は高くなるか?低くなるか?” に対して1件のコメントがあります。

  1. 匿名 より:

    自分は1億円あったらVT全力買いでしょうねぇ
    銀行口座10個作るのも面倒ですし

  2. つみたて次郎 より:

    自分だったらVTに近いポートフォリオを組みつつ、複数の銀行口座に1,000万円ずつ預金していそうです(笑)

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