【便乗あり】ニッセイ外国株式の信託報酬が0.10989%→0.1023%に引き下げ

つみたて次郎です。

ニッセイアセットマネジメント㈱より、信託報酬の引き下げについて発表されました。

外部リンク…<購入・換金手数料なし>ニッセイ・外国株式インデックスファンドの信託報酬率引下げ(投資信託約款変更)について

<購入・換金手数料なし>ニッセイ・外国株式インデックスファンドの信託報酬が以下のように引き下げられます。

変更前 変更後
税抜き 0.0999% 0.0930%
税込み 0.10989% 0.1023%

 

同じMSCIコクサイ連動投信としてはこれまで同率だったeMAXIS Slim 先進国株式インデックスたわらノーロード先進国株式を追い抜き単独最安値となりました。

ここまでは何度も繰り返されてきたいつもの光景であり、今回の引き下げ自体よりもSlimが何日後に追随するのか?たわらも対抗してくるのか?というほうが気になりますね(笑)

つい先日にはFund of the  Year 2019がありましたが、ニッセイ外国株の順位は惜しくも4位であり、上位3つは全てeMAXIS Slimシリーズが独占するというニッセイAMにとっては屈辱的な結果でした。

参考記事…「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2019」が発表されたらしい

今回の発表タイミング的にも、FOY2019を意識しての引き下げなのかもしれません。

 

信託報酬の引き下げ幅自体はわずか0.00759%となっており、トータルリターンにもたらす影響は軽微です。

そのため、投信の受益者から見ればわずかな恩恵しかもたらしませんが、逆に運用者側の立場で考えると違う景色が見えてきます。

旧信託報酬を販売価格と考えると、新信託報酬は約7%の割引となります。

0.1023 ÷ 0.10989 ≒ 93.1%

一時的な割引ならともかく、半永久的な割引と考えればそこそこ太っ腹な水準だと思います。

ニッセイ外国株式の純資産総額は現在1,600億円程度ですが、それに信託報酬をかけた場合以下のようになります。

旧信託報酬(0.10989%)…約1億7,600万円
新信託報酬(0.1023%  )…約1億6,400万円

こうしてみれば1,000万円以上の差があることになります。

今回の引き下げによって、ニッセイAM含めた全体で1,000万円分の売上(?)が消滅することになります。

また、上記のお金が丸々利益として入るわけではなく、投信の運用にかかる費用(原価率?)も考慮すればその負担は想像するだけで辛そうです。

原価がゼロでない限り7%の割引は7%以上の利益減少になりますので、ニッセイAMとしてはとても小刻みな引き下げとは言えないかもしれませんね。

↓↓広告の下から便乗します

 

 

なぜ今回上記の話をしたかというと、東大バフェット氏が調査していたアンケート論理パズルの話と繋がると思ったからです(サイレント便乗)

 

 

ようするに差分と比率の違いを考慮しないと、結論が変わってしまうという事ですね。

外部リンク…アンケート論理パズルの解答及びアンケートの設計意図

ちなみにつみ次郎は、上記のアンケートに対して120%÷110%=9.090…%という図式が思い浮かんだので、ドヤ顔で「何聞きたいか理解した上で非回答」を選びました(笑)

財やサービスを購入する側から見れば、消費増税によって支払い総額がどれだけ増えるか?こそが最も重要ですので、つみ次郎が計算したのは本体価格込の比率ということになります。

ただし投資信託の場合、支払総額を基準に考えるとちょっとおかしくなってしまいます。

信託報酬の支払い総額がどれだけ増減するかを考えると、先ほど計算した7%割引となります。

しかし、トータルリターンにもたらす差分で考えるとわずか0.00759%しかありません。

投資信託の場合、支払い総額ではなく最終的なトータルリターンの増減で考えることもできます。

仮に信託報酬がゼロだった場合の税引後トータルリターンを5%と仮定するのであれば、

旧信託報酬…5% - 0.10989% ≒ 0.489011%
新信託報酬…5% - 0.1023% ≒ 0.48977%

比率では0.48977 ÷ 0.489011% ≒ 1.55%のトータルリターン向上ということになります。

 

今回の信託報酬引き下げを様々な角度から見ていくと、

信託報酬の割引比率…約7%
信託報酬収入の減額…約1,000万円
信託報酬の引下差分…0.00759%
トータルリターン(仮)の向上比率…約1.55%

という言葉に変換できるという事になります。他にも様々な計算ができそうですね。

受益者から見た場合、年間のトータルリターンにもたらす差分はあくまで0.00759%でしかありませんが、見方を変えればそれなりにインパクトのある数字にも見えます。

逆に言えば、実はたいしたことない数字の変化を大げさに見せることもできるということでもあります。

例えば8%→10%の消費増税も、税額だけの比率でみれば+25%ですが、支払い総額の比率でみれば+1.85%の増加でしかありません(110÷108≒0.185%)

まぁ消費増税が大したことないとは言いませんが、税を徴収する日本政府・商売をしてる人・最終消費者の目線から見れば全く違う景色が見えているということになります。

数字の変化を考察する時は、様々なケースの比率や差分を考慮することが大切ですね。

 

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