iシェアーズ・エッジMSCI米国モメンタム・ファクター(MTUM)を分析。
つみたて次郎です。
今回は、iシェアーズ・エッジMSCI米国モメンタム・ファクター(MTUM)を分析していきます。
名前の通り米モメンタム株にフォーカスした海外ETFとなっています。
バリューVSグロース、高配当VS無配当というのはよく議論されますが、モメンタムについてはあまり語られないイメージがあるので少なくとも国内ではニッチなジャンルといえるでしょう。
また、お約束ですが国内証券での取り扱いはありませんのでご注意ください。
今回の対戦相手はiシェアーズ・コアS&P500(IVV)にします。
各種指標(2020/6/21現在)
それぞれのデータをまとめていきます。
MTUM(米モメンタム) | IVV(S&P500) | |
信託報酬 | 0.15% | 0.04% |
銘柄数 | 124銘柄 | 500銘柄 |
PER | 30.09% | 21.89% |
PBR | 6.07% | 3.13% |
配当利回り | 1.34% | 2.03% |
信託報酬はIVVと比較すると高いですが、スマートベータ系ETFとしては十分低い水準といえます。
モメンタムはグロースとの関連が深いので、各指標は割高になっています。
セクター比率(2020/6/21現在)
MTUM(米モメンタム) | IVV(S&P500) | |
情報技術 | 40.95% | 31.37% |
ヘルスケア | 31.66% | 15.25% |
一般消費財 | 10.56% | 13.14% |
金融 | 5.23% | 13.03% |
資本財 | 5.18% | 8.42% |
生活必需品 | 3.16% | 7.23% |
公共事業 | 1.65% | 3.28% |
素材 | 0.93% | 2.37% |
コミュニケーションサービス | 0.51% | 2.11% |
エネルギー | 0.09% | 2.95% |
情報技術・ヘルスケアの比率が高く、この2つだけで全体の7割以上を占めています。
その一方で、各セクターの構成比率順序はS&P500とかなり似ており、セクター戦略の影響を受けにくそうなのは好印象です。
銘柄別構成比率(2020/6/21現在)
順位 | 銘柄 | セクター | 構成比率 |
1位 | AAPL | 一般消費財 | 5.37% |
2位 | AMZN | 一般消費財 | 5.10% |
3位 | MSFT | 情報技術 | 5.04% |
4位 | JNJ | ヘルスケア | 4.34% |
5位 | NVDA | 情報技術 | 3.75% |
6位 | TSLA | 一般消費財 | 3.41% |
7位 | UNH | ヘルスケア | 3.41% |
8位 | ADBE | 情報技術 | 3.05% |
9位 | INTC | 情報技術 | 2.63% |
10位 | LLY | ヘルスケア | 2.62% |
トップ10には情報技術・ヘルスケア・一般消費財の銘柄しかないですね(笑)
また、全体で見た場合はS&P500に対して一般消費財がアンダーウェイトになっていますが、銘柄別だとツートップが一般消費財になっていて存在感がありますね。
また、GAFAMのうちアルファベット(GOOG・GOOGL)とフェイスブック(FB)が含まれていないのはちょっと意外でした。
トータルリターン比較
MTUMの設定日は2013年4月16日なので、設定来のトータルリターンをチャートにしてみます。
比較相手はIVV(S&P500)とQQQ(NASDAQ100)とVUG(米グロース)です。
出典「ETF.replay」
IVV(S&P500)を大きくアウトパフォームしており、実績は十分です。
QQQには流石に負けますが、VUGとほぼ互角になっているのは予想外でした。
低コストdeモメンタム投資
信託報酬は0.15%と非常に低く、セクター比率もS&P500に準拠していてバランスが良いです。
純粋に米国株でモメンタム戦略を行える理想的なETFといえます。
つみ次郎はモメンタムにあまり興味がなかったのですが、バリューと逆相関があるという情報を知ってから多少興味を持ち始めています(笑)
参考記事…【書評】ウォール街で勝つ法則
参考記事…【書評】ファクター投資入門
バリューが危険すぎて買えない銘柄を買うのであれば、モメンタムは上がりすぎて買えない銘柄という戦略であり、その性質は正反対でありながらも群集心理の裏をかくという点では共通しています。
国内証券会社で買えないのはとても残念ですが、注目していきたいETFの1つです。
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モメンタム次郎
MTUMは気になります。
モメンタム=グロースと考えていたんですが、MTUMとVUGの重複率は42%、MTUMとVTVの重複率は20%で、以外とグロースとバリューのバランスが良いんですよね。
>>らっきょ様
割合だとグロース7:バリュー3のブレンドという感じですね。
MTUMとVTVの重複銘柄は時価総額上からJNJ・UNH・INTC…となっていますが、モメンタム×バリューを兼ね備えていてかなり魅力的に見えます。
グロースとバリューは相反しますが、モメンタムとバリューは相反しないので組み合わせた場合のデータとか調べてみたいですね。