インデックス投資はフリーライダー←誉め言葉
シーゲル二郎です。
インデックス投資は、アクティブ投資に対して多くの優位性がありますが、その一方、弱点について致命的な意見があまり出ません。
「下落にそんな強くない」という批判をよく聞きますが、これらはインデックス投資の弱点ではなく、株式市場全体の弱点でもあるので、アクティブ投資だから下落に強いわけではありません。
インデックス投資を、「分散しているから下落でも安心(キリッ)」みたいに思っているなら、大きな誤解です。
インデックス投資は市場そのものであり、下落相場では綺麗に下落します。(この部分が結構適当に説明されている場合が多いです)
参考記事「貧乏人も卵は一つのかごに盛るな!」
「株式市場が右肩上がりという前提が間違っている」という意見もありますが、こういう人はマイナスサムゲームで勝てるのでしょうか?
金融理論的には、インデックス投資がアクティブ投資に負ける要素はほぼありません。アクティブ投資家全体の平均は、絶対に市場平均を超えることはありません。
そのため、最近では、投資成績以外の部分で批判するパターンが増えています。
その代表としては、「フリーライダー問題」があります。仮面ライダーみたいでかっこいいですね(笑)
インデックス投資は企業を分析せず、全て丸ごと保有します。アクティブ投資の場合、割安な銘柄を自力で発掘しなければならないので、多くの手間暇がかかります。
アクティブ投資家が必死に考えた適正価格に、何も考えずタダ乗りしているのがインデックス投資家です。
インデックス投資家は、コバンザメのような汚い存在なのです。
「俺たちが必死に分析しているのに、お前たちはただ寝てるだけか」といいたくなるのも無理はありません。
ですが、世の中の投資家全員がインデックス運用になってしまった場合、誰も企業価値を分析しなくなってしまうし、指数に採用されている株が無条件で買われていくので、株式市場は衰退してしまいます。
市場が効率的でなくなれば、割安な銘柄がすぐ見つかるので、アクティブ運用でリターンを得やすくなります。(それでも半分以上は平均に負けますが)
インデックス投資家が増えると、アクティブ投資家に有利な環境になっていくという、不思議な現象です。
そのため、インデックス投資家が増えすぎるのは、あまり歓迎できないことになります。
参考記事「インデックス投資家が増えすぎると困る?」
ですが、多くの人間は平均では満足できず、アクティブに個別株を買いあさっています。人間の欲望が消えない限り、全ての投資家がインデックス派になるという心配はほぼないでしょう。
また、運用会社に払う手数料などでも、大きな問題が発生します。
インデックスファンドは、信託報酬の安さが存在意義であるため、金融機関にとって利益が出にくいコモディティです。
その一方アクティブファンドは、大きなリターンを得られるかもしれないという餌で高い信託報酬を設定できるので、利益率が良いです。
日本では特に顕著で、ボッタくりアクティブファンドで年寄りからカネを巻き上げる一方、インデックスファンドはしっかり低コスト化を実現できています。
参考記事「アクティブファンドホルダーに感謝!」
アクティブ投資家の時間と手数料が、インデックス投資家に奪われているといっても過言ではありません。
インデックス投資は、そのルーツをたどれば極めて合理的で冷酷な金融商品であり、ズルいと思われても仕方がありません。
ですが合法である以上、やめる必要はありません。そもそも資本主義では金持ちはズルして利益を得ているのですから、これだけオープンにズルい側になれる仕組みを利用しない手はありません。
「ズルい」というのは、シーゲル二郎にとってただの誉め言葉です。
にほんブログ村
ズルいは誉め言葉、これテストに出ます。