ひふみ投信・ひふみプラス・ひふみ年金 分析
シーゲル二郎です。
今回は、ひふみ投信・ひふみプラス・ひふみ年金(投資信託)について分析していきます。
日本株式を中心とする投資信託で、アクティブファンドとしてはかなり有名です。
3種類ラインナップがありますが、それぞれ次の特徴があります。
ファンド名 | 購入方法 | 総資産額 |
ひふみ投信 | 直接販売先から購入 | 919億円 |
ひふみプラス | 販売会社を通じて購入 | 315億円 |
ひふみ年金 | 確定拠出年金で購入 | 61億円 |
購入方法がそれぞれ違うだけで、運用内容は全く同じです。マザーファンドも共通なので、総資産額の差もほぼないといっていいでしょう。
運用会社は「レオス・キャピタルワークス」というかっこいい名前です。販売している金融商品は基本的に上の3つだけです。
名前のひふみという文字には、「1,2,3」や「日を踏む」といった由来があり、長い間お付き合いをしていきましょうという意味が込められています。
棒銀戦法が得意なあの人は一切関係ありません。(何%の人が理解できるだろうか?)
3つのうち「ひふみ投信」と「ひふみプラス」は積立NISAの対象となっています。
信託報酬は1.0584%となっており、アクティブファンドとしては標準的です。ですが、この投資信託には長期保有すると特典があります。
保有期間が5年を過ぎると、毎年0.2%のひふみがもらえます。保有期間が10年を過ぎると、毎年0.4%のひふみがもらえます。
信託報酬が実質的に5年以降は0.8584%、10年以降は0.6584%になるということです。名前の由来の通り、長期でお付き合いするとだんだんお得になっていく素晴らしい制度です。
0.6584%であれば、長期投資でも十分許容できる範囲でしょう。
投資内容は、ほとんど日本株式となっています。
出典「レオスキャピタル・ワークス」
TOPIXとは大きく違う組み入れ割合になっています。構成比率3位には米国株であるマイクロソフトが組み込まれています。
他にアマゾンにも投資しているようで、米国株比率は約3%ほどあります。(多分この2銘柄のみかと思われる)
また、現金比率を0~50%までの間で決めることができ、2017年9月時点では約7.5%が現金になっています。この現金比率を調整することで、機動的に売買できる体制になっています。
過去のリターンを見ていきます。
出典「レオス・キャピタルワークス」
過去10年くらいでは大きく市場平均のTOPIXを上回っており、アクティブファンドとしての価値は十分にあります。日本株式クラスのアクティブファンドでは第一候補となる優良ファンドです。
つい先日の2017年10月17日には、運用会社のレオス・キャピタルワークスから、外国株式比率を現在の3%から10%程度まで引き上げることが発表されています。
外部リンク「Bloomberg」
日本国内の低成長な株を米国の高成長な株に切り替えていくことで、リターンを狙っていく作戦のようです。
上記の銘柄以外に、アップル、アルファベット、フェイスブックなどに注目しているようです。
先ほどから出てくる米国株を見ると、FAAMGにピッタリ当てはまります。いずれもITを駆使して急成長を遂げた企業で、グロース株の特徴が強いです。
FAAMGは、次の頭文字です。
ティッカー | 会社名 |
FB | フェイスブック |
AMZN | アマゾン・ドットコム |
APPL | アップル |
MSFT | マイクロソフト |
GOOG | アルファベット(グーグル) |
今後、米国グロース株を多く取り込んでいくことは間違いないでしょう。ですが、グロース株の多くは注目が集まり過ぎて割高になってしまい、長期ではリターンが低かったという事実があります。
グロース株でリターンを得ていくには、市場の様子を見ながら売買をする必要があります。ですが、頻繁な売買をして市場平均を超えるのはプロでも至難の業です。
日本市場は株価の変動が新興国並みにあることや、長年市場平均が横ばいなため、短期投資家の絶好の遊び場になっています。そのため、市場があまり効率的ではないと推測されます。
上記の理由から、日本株では比較的アクティブ投資が有効という意見もあります。
また、米国株はインデックスファンド、日本株はアクティブファンドがいいというよく分からない理論をたまに見かけます。
仮に日本市場があまり効率的でないとすれば、優良なアクティブファンドは市場平均を超えやすいことになります。現にひふみ投信は過去圧倒的な差でTOPIXを上回っています。
ですが、世界で最も効率的で洗礼されている(と思われている)米国市場で今後勝負をするということは、自分の不利な土俵で戦うことを意味します。
外国株の投資割合を増やしていくことは、現時点では決していいニュースとはいえないでしょう。日本株式インデックスの代わりとして投資している人にとっては、余計な為替リスクを背負うことにもつながります。
過去の成績は良好ですが、今後も信託報酬の最上のリターンを得られるかは不明です。ここまで分析しておいてアレですが、ひふみに対して特別な思いがなければ素直にTOPIX連動インデックスファンドでいいです。
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シーゲル二郎も棒銀使うよ