【悲報】年金を運用するGPIFが15兆円の損失を計上
つみたて次郎です。
私たちの公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は、運用資金約150兆円を誇る世界最大の機関投資家です。
そんなGPIFですが、2018年10月~12月の四半期における運用実績が-10%近い結果になっており、金額では約15兆円の損失になっています。
外部リンク…年金運用で過去最大の損失 GPIFで14.8兆円が溶かされていた
GPIFの運用成績は私たちが将来受け取れる年金に大きく関係してきますので、各種メディアからは悲観的なニュースとして取り扱われています。
GPIF基本ポートフォリオ
GPIFの運用方法はパッシブ運用が基本となっており、下記の基本ポートフォリオの比率を意識したインデックス投資に近いです。
株式と債券の比率は50%ずつというバランスの良いポートフォリオになっています。
ごく普通のインデックス投資家と同じような感じで運用されていますね。
また、iFree年金バランスというGPIFの運用を真似するバランスファンドも存在しています。
ポートフォリオの比率については見直しされることもあり、現在の比率に変更されたのは2014年10月末からです。
外部リンク…年金積立金管理運用独立行政法人の中期計画(基本ポートフォリオ)の変更
株式比率が24%→50%と大幅に引き上げされており、大きな運用方針の転換といえます。
累計だと56兆円のプラス
今回の損失は四半期の成績としては過去最大ですが、GPIFが市場運用をスタートした2001年以降で見た累計収益は56兆円の黒字となっており、運用そのものは順調です。
また、2014年10月より株式比率を高めたことも批判されていますが、少なくとも現時点で明らかに間違った判断であるというのは難しいと思います。
GPIFの運用はインデックス投資が中心なので、日本株を代表してTOPIX(指数)、全世界株を代表してVT(ETF)のチャートを見れば大体の損益の流れを掴むことができます。
赤い実線2本が2018年10月~12月を表しています。
なんともタイミングの悪い期間で集計されてしまいましたね。
2019年以降では若干戻しているのも味わい深いです。
赤い点線は基本ポートフォリオが変更された2014年10月末時点を表しています。
結果論ではありますが、株式比率を高めるタイミングとしては悪くなかったのではないかと思います。
GPIFに対する批判
当然ながら各種メディアからは批判的な角度から考察された記事が多数出ており、野党が安倍政権を批判する材料としても使われています。
ちょうど損が出る局面が来て野党には大チャンスでしたね!
なお2016年から18年秋頃まで野党が積極的に触れて来ていなかったのは何故でしょうねw— はるかさん@積立投資家 (@asakaze2425) 2019年2月2日
このやり取りで大体完結しているような気がします(笑)
GPIFに限りませんが、資産運用の是非を判断するのであれば過去と未来に分けて考えなければなりません。
過去の成績が未来を保証するわけではありませんから、現在が累計黒字だからといって今まで通りの基本ポートフォリオがベストであるとは限りませんし、リーマンショック級の下落が起きれば黒字全部が吹き飛ぶ可能性もあります。
なので「今までは良かったけど今後を考えればもっと保守的な運用にするべきだ」という視点からの批判であれば建設的ですが、単に一時的な損失だけを切り取って議論しても仕方がないでしょう。
過去の結果としてトータルでプラス&適切なポートフォリオ維持が出来ている以上、今回の15兆円の損失だけを切り取ってGPIF及び現政権を批判するのはミスリードではないでしょうか?
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年金次郎
国民一人当たり~はよく使う表現ですね。効果が高いと経験則から踏んでいるのでしょうか。
すぐ引用されるし。「釣りやすい庶民よのう」とほくそ笑んでたりして?
一方、自分で大きく投資をしている方で、年金だから3ヶ月でこんなに変動があったらイカンのでは?と言う人もいました。
中身として、株50%は多い事、外資の割合も。個人じゃないのだから…との意見でした。
年金なら年率でマイナス数%で収めてほしいと。
個人的には為替リスクが心配です。単に自分の経験ですが。
株50%基本でも、幅を数%~10%くらい設けているので、コントロールに期待したいです。
何にしても公の立場の方は必ず全体像で物を言ってほしいです。