AAPLの4分割とNYダウの除数について
つみたて次郎です。
先日アップル(AAPL)が1株→4株の株式分割を発表しましたが、それによりAAPLが採用されているNYダウ指数にも影響を与えることになります。
今回は、AAPLの株式分割によるNYダウ指数への影響について考察していきたいと思います。
AAPL分割後のNYダウ
NYダウ指数は、米国を代表する30銘柄で構成される単純平均株価指数です。
1株あたりの株価で構成比率が決定されますが、株式分割は株価の下落に繋がりますので構成比率は大きく下がる事になります。
現時点での採用銘柄・株価・構成比率は以下の通りです(2020/8/21現在)
| ティッカー | 株価 | 構成比率 |
| AAPL | 497.5 | 12.2% |
| UNH | 314.1 | 7.7% |
| HD | 283.2 | 7.0% |
| MSFT | 213.0 | 5.2% |
| MCD | 211.6 | 5.2% |
| V | 204.1 | 5.0% |
| GS | 202.4 | 5.0% |
| BA | 167.5 | 4.1% |
| MMM | 161.7 | 4.0% |
| JNJ | 152.8 | 3.8% |
| CAT | 138.4 | 3.4% |
| PG | 137.4 | 3.4% |
| WMT | 131.6 | 3.2% |
| DIS | 127.4 | 3.1% |
| IBM | 123.2 | 3.0% |
| TRV | 111.8 | 2.7% |
| NKE | 109.8 | 2.7% |
| JPM | 97.3 | 2.4% |
| AXP | 96.2 | 2.4% |
| CVX | 85.1 | 2.1% |
| MRK | 85.0 | 2.1% |
| RTX | 60.3 | 1.5% |
| VZ | 59.0 | 1.4% |
| INTC | 49.3 | 1.2% |
| KO | 47.3 | 1.2% |
| DOW | 43.6 | 1.1% |
| CSCO | 42.2 | 1.0% |
| XOM | 41.0 | 1.0% |
| WBA | 39.5 | 1.0% |
| PFE | 38.9 | 1.0% |
| 合計 | 4,072.2 | 100% |
| 平均 | 135.74 | × |
構成比率トップに君臨するのはAAPLの12.2%ですが、これが4分割後は4分の1になってしまうということになります。
仮に現時点でAAPLが4分割を行った場合、以下のような構成比率になります。
| ティッカー | 株価 | 構成比率 |
| UNH | 314.1 | 8.5% |
| HD | 283.2 | 7.7% |
| MSFT | 213 | 5.8% |
| MCD | 211.6 | 5.7% |
| V | 204.1 | 5.5% |
| GS | 202.4 | 5.5% |
| BA | 167.5 | 4.5% |
| MMM | 161.7 | 4.4% |
| JNJ | 152.8 | 4.1% |
| CAT | 138.4 | 3.7% |
| PG | 137.4 | 3.7% |
| WMT | 131.6 | 3.6% |
| DIS | 127.4 | 3.4% |
| AAPL | 124.4 | 3.4% |
| IBM | 123.2 | 3.3% |
| TRV | 111.8 | 3.0% |
| NKE | 109.8 | 3.0% |
| JPM | 97.3 | 2.6% |
| AXP | 96.2 | 2.6% |
| CVX | 85.1 | 2.3% |
| MRK | 85 | 2.3% |
| RTX | 60.3 | 1.6% |
| VZ | 59 | 1.6% |
| INTC | 49.3 | 1.3% |
| KO | 47.3 | 1.3% |
| DOW | 43.6 | 1.2% |
| CSCO | 42.2 | 1.1% |
| XOM | 41 | 1.1% |
| WBA | 39.5 | 1.1% |
| PFE | 38.9 | 1.1% |
| 合計 | 3699.1 | 100% |
| 平均 | 123.3 | × |
構成比率トップから14位に転落してしまいました。
むしろ4分の1になってもこのポジションであると考えるべきか…?笑
いずれにせよ元々バリュー株感の強いNYダウ指数からAAPLの比率が減ったわけですので、よりその傾向を強めることになるでしょう。
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NYダウと除数
NYダウ30銘柄の株価から計算すると、AAPL分割前の株価合計は4,072.2ドル・株価平均は135.74ドルとなっています。
しかしこれは、NYダウ指数の現在値である27,930.33ドルと大きくかけ離れた数値になっています。
これは、銘柄入れ替えや株式分割等のイベントで指数の連続性が損なわれないように行われる除数調整が関係しています。
つまり株価の合計を30ではない数値で割るということです。
株価合計と指数から逆算すると、
4,072.2 ÷ 27,930.33 ≒ 0.1458
となります。もはや30どころか1を大きく下回っている状態です(笑)
なので現在のNYダウ指数は、30銘柄の平均どころか30銘柄の合計より大きい数値になってしまうという一見摩訶不思議な状態となっています。
※上記で計算した除数はつみ次郎が手動で計算したものであり、実際の除数とはズレがありますので参考程度にお願いします。NYダウの除数ついて公式に発表されている情報などがあればコメント欄で教えていただければ幸いです。
AAPL分割後の除数
便宜上現時点におけるNYダウ指数の除数が0.1458と分かりましたが、AAPL分割後はどうなるでしょうか?
分割後の株価合計は3699.1ドル・NYダウ指数は現在27,930.33ドルですので、
3,699.1 ÷ 27,930.33 ≒ 0.1324
とすれば指数の連続性が保たれます。
つまりAAPLの株価分割でNYダウの除数が0.1458→0.1324に下がるということになります。
※再度お伝えしますがあくまでつみ次郎が手動で導き出した推定値です。
必然的に株式分割が行われると除数は下がり、逆に株式併合なんかがあると除数は上がることになりますね。
その他にも除数が変動する主な理由としては、銘柄入れ替えがあります。
元々の採用銘柄よりも株価が低い銘柄が採用されれば同じ理屈で除数は下がり、逆に株価が高い銘柄が採用されれば除数は上がります。
まとめ
AAPL分割に伴うNYダウの構成比率の変化・除数の変化等についてまとめてきましたが、いかがだってでしょうか?(いつもの)
NYダウ=30銘柄の平均という説明はよくされますが、冷静に考えると30銘柄平均しても2万ドルに全然届かんやろ!というのは米国株投資家なら一度は通る道だと思います(笑)
指数の上下についてはよく語られますが、除数について触れられることはあまりないので今回記事にまとめてみた次第です。
NYダウが初めて組成されたのは1896年であり当時は12銘柄でしたので、当初の除数は12であったと推測できますが、そこから下がりまくって0.1458(推定値)になったという事実に歴史を感じてしまいます(変態)
除数の変化については特に知らなくても投資するうえで問題ない話ではありますが、豆知識として面白いですので頭の片隅にでも置いていただければ幸いです。
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