7万円のベーシックインカムが話題に
つみたて次郎です。
竹中平蔵氏がテレビ番組でベーシックインカムについて言及したことが大きな話題になっています。
報道1930で竹中平蔵がベイシックインカムを紹介。
何かと思えば、月に7万円を国民全員に渡し、今受けている生活保護を無くし、年金も無くすというもの。
要は、厚生年金を無くし全員を国民年金にする、そして生活保護も極端に引き下げ、あとは自助で頑張れとするもの。さすが菅のブレーン。 pic.twitter.com/h1moQkdr7F— あらかわ (@kazu10233147) September 23, 2020
竹中氏の発言なので「福祉削減の建前か?」と思ってしまう部分はありますが、内容自体は普通に賛成寄りです。
個人的には、ベーシックインカムを導入するなら5万円だと少なすぎ・10万円だと多すぎくらいの感覚なので、7万円という数字はかなりいい塩梅だと思います。
月7万円のベーシックインカムならかなり現実的な水準だと思う。
生保・年金の廃止だけで財源賄えるなら普通に賛成したいところだが、所得制限付きなのが引っかかる(BIの定義から外れる)— つみたて次郎 (@tsumitatejiro) September 24, 2020
つみ次郎の生活費が月10万円(除投資)くらいなので、さらに切り詰めれば7万円だけで最低限の生活はギリギリできるレベルでしょう(号泣)
参考記事…つみたて次郎さんの毎月の出費はいくら?独自に調べてみました!
半永久的に月7万円もらえるなら家賃が安くてギリギリ車が不要なレベルの地方都市に住むわ
— つみたて次郎 (@tsumitatejiro) September 24, 2020
また、これは生涯独身♂の場合の話ですので、夫婦なら月14万円と地方暮らしなら十分余裕がある水準になりますし、子供にも支給されるならシングルマザーやシングルファザーでも十分やりくりできるのではないかと思います。
ここで重要なのは、補助的な収入であるためベーシックインカムだけで余裕を持って生活できる水準ではダメということです。
世の中の大多数の人には働いてもらって、そうでない少数派の人にはベーシックインカムを頼りに細々と生活してもらうというのが趣旨ですからね(火の玉ストレート)
まぁこう書くと弱者切り捨て♂みたいなイメージになってしまいますが、ベーシックインカムは国民総生活保護制度みたいなもんですから仕方がありません(アウト)
また無条件で支給されるため、生活保護等の社会福祉にギリギリ審査落ちした真の弱者?も救えるのが大きなメリットだと考えています。
つみ次郎も、働けないけど社会保障もギリギリ受けられないというグレーゾーンで苦しんでいる人を何人も見ていますので、そのような人たちの助けになりますね。
所得制限について
竹中氏の案についてツッコミが入っている点としては、所得制限があるという部分です。
具体的な金額等には触れられていないようですが、一旦支給して所得が一定以上の人は後で返却という流れになっています。
なんだか給付金10万円のような議論にハッテン♂しそうですね(笑)
ベーシックインカムは原則所得制限なしの一律給付となっているため、所得制限をつけた時点でベーシックインカムではないという見方もあります。
個人的には所得制限ありのベーシックインカム(?)は全然ありだと思っています。
公的年金にも所得制限で減額・停止という仕組みは既にありますし、所得を補償する制度であるなら所得の大小で機械的に支給額を変えるのは合理的です。
ただ、所得〇〇円以上なら支給ゼロ…とかではなくもっと段階を刻まないと余計な壁を作り不公平感を生むことになるでしょう。
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財源について
ベーシックインカムの財源として生活保護の廃止・年金の廃止を挙げています。
みんな平等にお金がもらえるのですから、定期的な給付である上記の2つが廃止されるのは必然といえます。
日本の人口は1億3千万人くらいなので、老若男女LGBTCに毎月7万円(年間84万円)配ると110兆円くらい必要になります。
平成30年度における公的年金(国民+厚生)の総支給額が約56兆円・生活保護の総支給額が約4兆円となっているので、仮に全て廃止できるのであれば合わせて60兆円の財源が確保できます。
仮に所得〇円以上は返却という一律の所得制限を行うのであれば、所得上位50%は返却(=所得下位50%のみに支給)にすればギリギリ足りますね。
ただし、これは赤ちゃんからニートまで含めた話ですので、働いている人の多くが返却対象として該当してしまい、ベーシックインカムとは違った枠組みの話になってしまいそうです。
※同日修正…年金廃止すると保険料収入(平成30年度で約33兆円)もなくなることを計算に含めていませんでした。
また、年金のうち障害年金については、老齢年金と同じノリで廃止することはできないでしょう。
毎月7万円という水準でも、なかなか財源の確保は難しそうですね。
ベーシックインカムの犠牲
ベーシックインカム実現を本気で考えるのであれば、生活保護や年金以外にも削る♂ことができる部分はたくさんあるでしょう。
例えば児童手当など少子化対策に関する部分は、ベーシックインカムを理由に廃止することもできるでしょう。
もちろん0歳児からベーシックインカムは支給するという大前提があっての話です。
財源の確保という点では、さほど難しい話ではないと思います。
ですが1番の問題は、既存の社会福祉で恩恵を受けている人をどう説得するかです。
一番分かりやすいのが老齢年金ですね。
これまで年金保険料をしこたま♂収めてきた人もそうでない人も一律7万円では到底納得できませんからね。
なのでこれまで納付された保険料は返却または上乗せでの支給が必要になり、これは政府にとって大きな負担です。
また、現時点で生活保護を受給している人は実質月7万円以上の恩恵を受けているでしょうから、その方面からも反発があるでしょう。
ベーシックインカムによって社会保障を受けられる人が増えるといえば聞こえはいいですが、逆に言えば既に恩恵を受けている人の待遇が下がることになります。
これは企業における年功序列・終身雇用問題と似ています。
これまで安月給で我慢して企業に忠誠を誓っていたのに、いきなり成果主義・クビ上等なんて言われたら納得できません。
結局は現状恩恵を受けている人が少数派になるまで改革は進みません。
企業なら定年退職・年金なら(自主規制)という感じですね。
生活保護はともかく、高齢化が進む現状では年金制度で恩恵を受ける年金受給者が多数派です。
そのため年金廃止を前提とした制度は、ベーシックインカム含め実現は困難でしょう…(絶望)
ただ、年金制度の実質的な破綻もそう遠くない未来の話だと思いますので、どこかのタイミングで大きな転換が訪れて欲しいと願う次第です。
「みんなが満足に働ける仕事がある」という前提を維持できないならBIチックな政策に行き着くのは必然やろ(過激派)
— つみたて次郎 (@tsumitatejiro) September 24, 2020
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ベーシック・インカム・レター
その理論で行くと、社会保障費は今と変わらないので、現役給与世帯の税負担は今と変わらないままなのに、(労働者ではなく)全国民(非正規、無職、こども世帯含めて)の平均所得の半分以上(年収50~100万円くらい?)の方は、まったくBIをもらえず、定年退職後にも、今のもらえる予定の年金額の半分くらいしかもらえないので、いま元気な人は、今よりずっとずっと長く働き続けなければならない生涯となるのですが、それで良いのでしょうか?また、年金廃止となれば、今まで納めてきた現役世帯の年金額を一斉に返却しなければならないため、そこで日本が終わると思います。
>>さまよう鎧武者様
おっしゃる通り中間層が没落するので「所得平均以上はBIなし」案はデメリットが大きいですし、年金廃止→納付済保険料一斉返済も現実的ではないですね。
また、記事中に追記しましたが「年金保険料収入」を計算に入れていなかったのでさらに厳しい条件を課さないと月7万円のBIは難しそうです。
通りがかりのコメントにも関わらず、ご丁寧にご返信いただきありがとうございます。
>おっしゃる通り中間層が没落する
これが、竹中氏の本当の狙いかもしれませんね。
国民が全体として貧しくなり、生涯を派遣社員など非正規雇用で働かなければならなくなるなら、派遣の大元締めの竹中氏とその近辺だけ、大いに儲かるでしょうから。
今の現状では、幅広いBIよりも、生活保護などのスポットの社会保障のほうが、結局は国民負担が最終的に少ないのでしょうね。