【書評】やってはいけないお金の習慣【荻原氏】
つみたて次郎です。
経済ジャーナリストである荻原博子氏の著書「やってはいけないお金の習慣」を読んだので感想です。
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出版は2011年3月10日とやや古いですが、お金の貯め方・扱い方などについて普遍的な内容が書かれています。
著者である荻原博子氏は、投資クラスタでもいろんな意味で有名ですね(笑)
参考記事…【書評】投資なんか、おやめなさい
投資本についてはよく読みますが、いわゆる節約・家計管理がメインの本はあまり読まないので、今回読んでみました。
その中で、気になった点を挙げていきます。
老後の準備は50歳まで不要?
最近では、若いうちから貯金・投資・保険などを活用し、資産形成を行っていこうという風潮がありますが、それに対して以下のように述べています。
20代や30代のときから、老後のための積み立てなどをする必要はありません。老後のことは50歳くらいから考えればいいのです。
なぜなら、数年先の見通しも立てづらい今の段階で、20年も30年も先のことを考えて老後資金を準備しても、その計画自体が大幅にくるってしまう可能性が高いからです。実際、過去10年くらいを振り返っただけでも、経済情勢や国の政策、公的保障、会社員の給料などの給与や雇用環境はどんどん変わっていきました。
出典「やってはいけないお金の習慣」
20歳からNISAとiDeCoを始めたつみ次郎にとっては、耳の痛い話ですね(笑)
実際問題、何十年も先の未来を正確に見通せる人はいないですし、周りの環境だけでなく、自分の環境も大きく変わっているかもしれません。
つみ次郎も奇跡的に結婚し、子供が9人くらいいる可能性もゼロではないですし(白目)
老後については50歳くらいから考えて、それまでは収支のバランスや住宅ローンの返済プラン等、足元の家計をしっかり固めていけば十分という主張につながります。
つみ次郎の場合、将来の人生プランが固まっていないからとりあえず投資(貯金)しているので、スタンスこそ真逆ですが遠い将来のことは分からないという前提があるという点では共通しています。
投資は当分の間不要?
著者である荻原博子氏は、基本的に投資は不要&デフレなら預貯金という立場ですので、リスク資産を用いた積極的な資産形成には反対の立場です。
本書の出版は2011年なので約8年前ですが、その立場は現在も変わっていないようです。
投資信託等は金融機関にとってのノーリスク商品であることや、当面誰が投資しても儲かるという経済状況ではないといった理由から、投資よりも元本が保証された貯蓄で資産形成していこうと述べています。
ちなみに、2011年以降で見るとTOPIXもJ-REITもかなり好調でした(笑)
とはいえこれは後出しジャンケンですので、ただの結果論に過ぎません。
いずれにせよ、短期間の相場状況が悪いから貯蓄、良いから投資という考え方は危険ですので、どちらに軸を置くにしても長期的な視野を持っておきたいところです。
節約・家計管理に凝りすぎない
節約・家計管理に関する項目では、つみ次郎も共感できる点が多々ありました。
その中で、特に共感できた項目のタイトルを挙げていきます(一部省略・改変)
・目的別に口座を分けて貯める方法はおやめなさい
・生活費を費目別に「袋分け」はおやめなさい
・「食費は月収の〇%」と予算を決めるのはおやめなさい
・特売やセールを狙って買い出しするのはおやめなさい
・時間や手間のかかる節約はおやめなさい
いずれも、つみ次郎が普段節約するうえで意識している事ばかりです。
全体をまとめると凝りすぎないという話にまとまるかと思います。
つみ次郎の場合、無駄が多いからというより面倒だから複雑な手法や管理はしないといったほうがより正しいです(笑)
ちなみにつみ次郎は家計簿等も特につけていませんが、普段から無駄遣いせず節約を意識して、チェックするのは最終的な収支(=余剰資金)だけです。
決済手段も基本は楽天カードに絞っているので、〇〇Payなどとも無縁です(笑)
いろいろ工夫しないと家計が苦しいということは、そもそも生活レベルが不相応ということですからね(辛辣)
気を引き締めつつも、自然体で節約・家計管理をこなしていきたいところです(ドヤ顔)
全体的な感想について
基本的には、一般的に言われている常識や考え方に対して、矛盾や勘違いしやすい点について淡々にしていくような内容になっています。
項目ごとの文章量は少ないので、ある意味では一問一答集のようにサクサク読み進めやすいです。
本書全体のテーマ…というか主張についてまとめると、以下のように集約できそうです。
・なんでも人並みにやろうととしない(住宅,車,保険等)
・資産形成をするのに投資は必須ではない
・金融機関(郵便や信金等)のセールスを疑え
・複雑な節約術(クレカ、ポイント等)はやりすぎない
・家計簿や口座を小分けに管理しない(全体で見る)
・民間保険の加入は慎重に(公的保険を理解する)
・60歳以降も働くという選択肢を考えておく
つみ次郎としては、項目ごとに賛成できる部分と、反対の部分がハッキリしていましたが、投資から距離を置いてお金について考えるという意味では、いろいろ考えさせられるところがありました。
投資をメインに執筆された投資なんか、おやめなさいでは色々ツッコミ所がありましたが、本書についてはそれなりに納得しながら読み進めることができました。
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