バンガード・米国グロース(VUG)分析
つみたて次郎です。
今回は、バンガード・米国グロース(VUG)を分析していきます。
米国の大型グロース株全体をカバーするETFです。日本ではあまり人気がありません。
バンガード・米国グロースETF(2018/6/30現在)
項目 | データ |
信託報酬 | 0.04%※ |
銘柄数 | 306 |
PER | 22.30倍 |
PBR | 4.97倍 |
利益成長率 | 9.06% |
売買回転率 | 8% |
配当利回り | 1.18% |
※信託報酬は2019年5月に0.05%→0.04%に引き下げられました。
当然ながら、各指標は割高になっています。
売買回転率は8%と低く、入れ替えが激しくなりがちなグロース株ETFとしては驚異的です。
過去10年では、S&P500を大きく上回っています。
通常グロース株は、下落相場でダメージを受けやすいといわれていますが、リーマンショックにおいてはむしろ小さい下落幅で済んでいます。
セクター別では次の通りになっています。S&P500に連動するVOOと比較します。
VOO と VUG(2018/6/30現在)
セクター | VOO(S&P500) | VUG(米国グロース) |
情報技術 | 22.89% | 31.46% |
金融 | 16.21% | 8.98% |
ヘルスケア | 14.5% | 11.62% |
一般消費財 | 12.06% | 19.56% |
資本財 | 10.19% | 10.66% |
生活必需品 | 7.30% | 5.07% |
エネルギー | 6.34% | 3.96% |
電気通信 | 3.28% | 2.63% |
公共 | 2.95% | 0.00% |
不動産 | 2.33% | 3.96% |
素材 | 2.45% | 2.10% |
グロース株ETFらしく、情報技術セクターが多くなっています。
また、アマゾン(AMZN)やネットフリックス(MFLX)などが含まれるため、一般消費財セクターの比率も多めです。
その反面、バリュー株に分類されやすい金融やエネルギーは少なめになっています。
VUG構成比率上位10銘柄(2018/6/30)
会社名 | 構成比率 |
アップル | 7.16% |
アマゾン | 6.13% |
アルファベット | 5.91% |
ビザ | 2.07% |
ホームデポ | 1.97% |
ボーイング | 1.71% |
マスターカード | 1.59% |
ネットフリックス | 1.41% |
コムキャスト | 1.32% |
ウォルト・ディズニー | 1.30 |
上位10銘柄合計 | 30.57% |
S&P500同様、大型ハイテク株が上位を占めています。
特筆するべきは、FAAMGの一角を占めているマイクロソフト(MSFT)が含まれていない点です。
とはいえ、マイクロソフトの今後の動向次第では、採用される可能性は十分ありそうです。
また、去年の同時期においては、一般的にはグロース株とは言い難いフィリップモリス(PM)やコカ・コーラ(KO)が採用されていたこともあり、グロース株ETFでありながらその採用基準はかなり広いようです。
一般的にバリューとグロースは相反する立場にあり、割安株をバリューと定義するのであれば、必然的にグロースは割高株のみを抽出することになります。
これは本来のグロース株投資のセオリーからは外れますが、ETFという形でまとめて投資するのであれば、避けられない問題です。
各指標が示す通り、VUGを構成する銘柄は相対的に割高になっており、個人的にはあまり魅力的には思えません。
正反対の性質を持つ「バンガード・米国バリュー(VTV)」のほうが好みです。
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