【割安株ETF】バンガード・米国バリュー(VTV)とSPDRバリュー株式(SPYV)を比較してみた
つみたて次郎です。
米国バリュー株に投資できる低コストな海外ETFとして、次の2商品があります。
・バンガード・米国バリュー(VTV)
・SPDR ポートフォリオS&P 500 バリュー株式(SPYV)
それぞれ米国大型株を中心に、割安な株式を機械的に抽出していく内容になっています。
類似点も多いので、今回はこの2つを比較していきたいと思います。
各指標の比較
VTV vs SPYV(2018/7/19現在)
VTV | SPYV | |
信託報酬 | 0.06% | 0.04% |
銘柄数 | 339 | 384 |
PER | 14.21倍 | 14.21倍 |
PBR | 2.15倍 | 1.99倍 |
配当利回り | 2.64% | 2.69% |
売買回転率 | 8.6% | 21% |
信託報酬は、SPYVのほうが若干低いです。
SPVYのほうがより割安になっていますが、各指標は似たり寄ったりです。
連動指数について
連動指数は以下の様になっています。
VTV…CRSP USラージキャップ・バリュー・インデックス
SPYV…S&P 500バリュー指数
指標は違いますが、PERやPBRなどをもとに米国大型バリュー株を抽出し、時価総額に応じた比率で保有するという共通点があるため、実質的な投資先もかなり重複しています。
採用銘柄について
S&P500の時価総額上位20社のうち、どの銘柄が採用されているかを調べてみます。
VTV vs SPYV(2018/7/19現在)
企業名 | VTV | SPYV |
アップル | × | × |
マイクロソフト | ○ | × |
アマゾン | × | × |
フェイスブック | × | × |
バークシャー・ハサウェイ | ○ | ○ |
JPモルガン・チェース | ○ | ○ |
アルファベット | × | × |
エクソンモービル | ○ | ○ |
ジョンソン&ジョンソン | ○ | ○ |
バンク・オブ・アメリカ | ○ | ○ |
ビザ | × | × |
ウェルズ・ファーゴ | ○ | ○ |
ユナイテッド・ヘルス | ○ | × |
インテル | ○ | ○ |
ホームデポ | × | × |
シェブロン | ○ | ○ |
AT&T | ○ | ○ |
ファイザー | ○ | ○ |
ベライゾン | ○ | ○ |
シスコ | ○ | ○ |
最大の相違点は、マイクロソフト(MSFT)が採用されているかどうかです。
特にVTVでは、MSFTは構成比率6%とトップになっています。その他では、ユナイテッド・ヘルス(UTH)の採用についても違いがありました。
MSFTもUTHも、一般的にはバリュー株とあまり呼ばれることはなく、明確に割安とはいえません。
その点を考えると、VTVのほうが採用条件が緩いのかもしれません。とはいえ、全体的なポートフォリオの傾向は非常に似ています。
もしMSFTがVTVから外れるようになれば、ほとんど一緒といってもいいかもしれません。
セクター比率
各セクター比率は次のようになっています。
VTV vs SPYV(2018/7/19現在)
セクター | VTV | SPYV |
金融 | 22.96% | 24.09% |
ヘルスケア | 15.73% | 11.17% |
情報技術 | 14.88% | 6.81% |
資本財 | 9.75% | 9.71% |
生活必需品 | 9.14% | 10.47% |
エネルギー | 8.31% | 12.98% |
一般消費財 | 5.65% | 7.70% |
公共事業 | 5.48% | 5.54% |
電気通信 | 3.90% | 5.01% |
素材 | 3.01% | 3.82% |
不動産 | 1.18% | 2.71% |
どちらも構成比率トップは金融セクターです。
全体的に似ていますが、情報技術セクターが大きく違っています。
VTVに6%ほど組み込まれているマイクロソフト(MSFT)の有無が影響していそうです。
どちらもS&P500と比較すれば、金融をオーバウェイト・情報技術をアンダーウェイトになりますが、SPYVはその特徴をより尖らせた内容だといえます。
過去長期チャート
過去10年チャートを比較してみます。
過去10年では、SPVYよりVTVのほうが良いリターンになっています。
やはりマイクロソフト含む情報技術セクターを多く含んでいたのが、VTVのリターンにつながったのかと思います。
とはいえ、トータルリターンでは両方ともS&P500に負けており、バリュー株への投資はあまり報われていません。
まとめ
内容が非常に似ており、なかなか悩ましい選択肢となります。
信託報酬では、SPYVに分があります。
ただし総資産額に大きな差があり、VTVは約409億ドル・SPYVは約14億ドルと30倍近い差がついています。
実質的な投資先については、VTVは情報技術セクター含めカバーしているエリアが広く、SPYVはより割安な株を重視しています。
個人的にはVTVのバランスのほうがやや好みですが、バリュー株ETFとしての特徴がよくでているのはSPYVですかね。
とはいってもSPYVも幅広い割安株を抽出しており、つみたて次郎としては高く評価したいです。
どちらもバリュー株に投資したい場合の素晴らしい選択肢になりそうです。
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バリュー次郎