バンガード・一般消費財セクター(VCR)の異常に多い分配金について

つみたて次郎です。

以前主要海外ETFの2020年9月と2019年9月の分配金の増配率について調べました。

参考記事…【海外ETF】2020年9月と2019年9月の分配金を比較してみた【高配当・セクター】

その中で、バンガード・一般消費財セクターETF(VCRが異常に高い分配金を出していたので、その原因を追究♂するために今回は米国株セクターETFに焦点を当てていろいろデータをまとめてみます。

 

 

バンガードとスパイダー

米国株のセクターETFとして有名なのは、バンガードスパイダーです。

前者はそのままバンガード社・後者はステートストリート社が運用しています。

各種ブランド×セクターの組み合わせを考えると20種類のETFがありますので、それぞれの2019年9月→2020年9月における分配金の増配率をまとめてみます。

 

バンガード スパイダー
エネルギー VDE(-18.0%) XLE(-3.0%)
公共事業 VPU(-18.6%) XLU(+1.3%)
金融 VFH(-22.4%) XLF(-6.2%)
生活必需品 VDC(-20.1%) XLP(+5.2%)
素材 VAW(-6.9%) XLB(+4.5%)
資本財 VIS(-19.1%) XLI(-26.3%)
ヘルスケア VHT(-0.2%) XLV(+10.2%)
情報技術 VGT(-15.2%) XLK(-2.4%)
一般消費財 VCR(+643.9%) XLY(-24.4%)
コミュニケーション VOX(-1.97%) XLC(+3.9%)

 

VCRのぶっとんだ増配率はいったんさておき(笑)、バンガードETFはVCRを除き全てマイナスになっているのに対し、スパイダーETFはプラスなのも結構多いです。

バンガードとスパイダーを比較した時、全体的にバンガードの方がより幅広い銘柄をカバーしている等の違いはありますが、米国株・セクター・時価総額加重という基本はほぼ共通しています。

ETFは仕組み上、元本を切り崩す特別分配等の小細工はできず、保有銘柄から発生した配当をそのまま垂れ流す💩のが基本ですので、この結果はかなり驚きました。

バンガードETF側にのみ含まれている時価総額の小さな銘柄が大幅増配(減配)したり解散生産したという推測もできますが、バンガードとスパイダーのセクターETFを比較するとそれぞれ時価総額比で8割前後は重複していますので、これほど大きな差になるとはやはり考えにくいです。

 

 

VCRの異常なほど多い分配金

前年比で+643.9%というふざけた増配が行われたバンガード・一般消費財セクターETF(VCRについて、つみ次郎は当初表記ミスだと思っていましたが、実際に分配金を受け取った人もいるようですので間違いではないみたいです(参考記事のコメント欄参照)

参考記事…【海外ETF】2020年9月と2019年9月の分配金を比較してみた【高配当・セクター】

 

出典「vanguard

 

その原因を探る♂ためにも、まずはVCR構成比率上位10銘柄について、2020年9月から見て直近の増配率等をまとめてみます。

 

銘柄 構成比率 直近増配率 配当利回り
AMZN 22.8% 0.0%
HD 7.4% 10.3% 2.1%
TSLA 6.9% 0.0%
MCD 3.8% 7.8% 2.3%
NKE 3.3% 11.4% 0.8%
LOW 3.1% 0.0% 1.4%
SBUX 2.4% 13.9% 2.0%
BKNG 1.9% 0.0%
TGT 1.8% 3.0% 1.7%
TJX 1.6% 0.0%

 

10銘柄中4銘柄が無配銘柄となっています。

TJXについては元々配当を出していましたが、2020年5月より無配転落、連続増配23年の歴史に終止符が打たれてしまったようです(煽)

その他6銘柄についてはいずれも増配を達成していますが、それでもVCRの分配金を賄えるようなレベルではありません。

上記10銘柄で全体の55%程度を占めており、残りの45%が多少増配するだけでも全然足りませんので、無理やり考えればVCRにのみ含まれている時価総額の小さい一般消費財セクター企業が大量に解散して清算でもすれば辻褄は合いますね(笑)

ただ、コロナで一般消費財セクターのみが特別ダメージを受けたというわけではありませんので、VCRの異常な分配金は保有銘柄が由来となる自然な現象と考えるのは難しいでしょう。

 

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XLEでも似たような現象が

VCRだけではなく、XLEでも以前同じような現象が起きていたようです。

 

出典「STATE STREET

 

XLEの分配金履歴を見ると、2020年12月に2回も分配金を出しています。

12月20日の方は例年通りの額ですが、12月30日の方は年間総額に匹敵するような数値になっています。

VCRほどではありませんが、異常に多い分配金と言って差し支えないでしょう。

個別株が臨時的に大きな配当を出すのはよくある話ですが、海外ETFでも結構普通にある事なんですかね?

そもそも仕組み上できないものだと認識していたんですが…(白目)

 

 

分配金壊れる~♂

セクターETFは分配金を重視した金融商品ではありませんし、純粋に分配金が嬉しいという人を除けばいきなり!大きな分配が行われても困惑する人が多いのではないかと思います。

特につみ次郎のように理想は無分配・配当は即再投資!みたいな人にとっては税金のせいでリターンを損なうことになります(辛)

つみ次郎も実際XLPを保有していますので、無駄に分配されるリスク(?)があると思うと夜しか眠れません(面白ギャグ)

参考記事…【2020年版】つみたて次郎の秘密のポートフォリオ

また、これほどETF(運用会社?)によって分配金額に差が出るのであれば、類似ETF同時の分配金を比較しても意味がないということにもなりかねません。

参考記事…【海外ETF】2020年9月と2019年9月の分配金を比較してみた【高配当・セクター】

それでもSPYDの1人負けという事実は覆らないですけどね(煽)

ETF本来の増配率を調べるなら構成銘柄の増配率を個別に調べて集計するのが確実ということになりますが、めっちゃ面倒ですね…(絶望)

いずれにせよETFの分配システムについてはまだまだ知らないことも多いので、セクターETF以外も含めて引き続き調査してみようと思います。

 

 

今日の一言

 

 

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テスラおばさん

 

バンガード・一般消費財セクター(VCR)の異常に多い分配金について” に対して1件のコメントがあります。

  1. ヨナ より:

    同じインデックスにトラックしていると思われるFDISは、異常な分配金を出していないようです。
    VCRのレポートが出たら何か書いてあるのかもしれません。

  2. つみたて次郎 より:

    >>ヨナ様

    FDISはフィデリティのETFですね!
    やはりVCR特有の現象なので詳細が気になるところです。

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