つみたてNISA対象商品にアクティブファンドは必要か問題
つみたて次郎です。
つみたてNISAでは、ごく一部の限られた投資信託しか対象商品に含まれていません。
低コストで長期保有による資産形成に適したファンドのみを厳選しているというのがうたい文句になっています。
また、特定指数に連動するインデックス型投信とそれ以外のアクティブ型投信で採用基準が異なっています。
アクティブ投信の場合は「運用期間5年以上」「純資産50億円以上」「3分の2以上の期間で資金流入あり」等の条件が追加で課せられるため、全体的にインデックス型が優遇されている制度といえます。
そのため対象商品全162種類のうちアクティブ型はわずか17本と1割程度しかありません。
また、つみたてNISAがスタートした理由を考えると、そもそも初心者に勧めるのが難しいアクティブ型自体不要なのではないか?という意見もあります。
インデックス型に比べ高コストになりやすく、事前に市場平均を超えるファンドを目利きして選び抜くのは容易ではないので、単に長期保有するのであれば不利になる可能性が高いですからね。
マジレスするとひふみとかのアクティブが入ってるのはインデックス以外の選択肢もあるよという金〇庁の逃げ道確保だと思います(超マジレス)
— つみ次郎@ただの しかばね (@siegeljiro) 2018年12月26日
あくまで公的な機関やから、アクティブ側への忖度が必要やな。
個人的には現状でも十分すぎるほどアクティブ側に喧嘩売ってるとは思うけど。— つみ次郎@ただの しかばね (@siegeljiro) 2018年12月26日
本音でいえばSlimとニッセイと楽天だけでいいよ(極端)
— つみ次郎@ただの しかばね (@siegeljiro) 2018年12月26日
ただ実際問題、アクティブファンドを全部排除するというのであれば金融機関等からの反発は避けられませんし、政府がインデックスファンドやインデックス投資のみを強く推奨するような制度をつくって選択肢を狭めるのもあまり好ましいとはいえません。
現状でも内容を紐解いていけば事実上インデックス投資推奨制度みたいなものですし、うまく金融庁の本音と建前が織り交ぜられていると思っています。
微妙なインデックスファンドも多い
当然ですがアクティブだからダメ、インデックスだから良いではありませんし、つみたてNISAの条件を満たしたインデックスファンドでも微妙なものは少なくありません。
具体的には、同じ指数に連動するのに信託報酬が割高に設定されたインデックスファンド(eMAXIS Fat等)ですね。
後述しますが、つみたてNISAは信託報酬が一定以下でなければ対象商品になることができません。
なのであからさまに不利なファンドは入っていないのですが、わざわざ高コストな方を保有する理由もなく、その意味ではアクティブファンド以上に使い道はないといえます。
また、アクティブファンドに対する批判としては「ポートフォリオが偏ってしまう」という理由があります。
国内のアクティブファンドは日本株を中心にしているものが多く、その時点で意図せず日本株比率が高すぎてしまう可能性があります。
しかしポートフォリオの中で適切な範囲で投資するのであればいいだけなので、これはあくまで個人の裁量の問題です。
インデックスファンドでも資産クラス別に分かれているので、いくらつみたてNISAといえど最低限の選び方が分からなければ変なポートフォリオになってしまうのは同じですからね。
また、つみたてNISAでは債券やREITだけで構成されたファンドは対象外ですが、これらが含まれるバランスファンドについては認められているという矛盾があります。
十分リスクを取れるのに国内債券が大部分を占める保守的なバランスファンドだけ積立していたらおかしいですよね。
これらの問題を突き詰めていくと「全世界株式ファンド」「先進国株ファンド」「バランスファンド(株多め)」といった広い範囲をカバーするファンドしか採用できなくなってしまいますが、極端に選択肢を狭めてしまうのも考え物です。
信託報酬による制限が最重要だと思う
つみたてNISAではタイプ別に最低限クリアしなければならない信託報酬水準が定められており、次のようになっています。
国内資産のみ | 海外資産含む | |
インデックス型 | 0.54% | 0.81% |
アクティブ型※ | 1.08% | 1.62% |
※特定の指数と連動するインデックス型でもつみたてNISA指定の指数でなければアクティブ型等として扱われます。
税込みで基準以下でなければつみたてNISA対象商品にはなれません。
インデックス投資家の目線で見ればさほど厳しい条件には見えませんが、上記条件を満たしたアクティブファンドは十数本しかないという事実を考えると感慨深いものがあります。
アクティブ型にはさらに運用期間や資金流入等、純資産総額等で制限がかかりますが、やはり一番大切なのはこの信託報酬による制限だと思っています。
人気だけあるボッタくりファンドよりも、不人気だけど低コストで差別化を図ろうとしているファンドを応援していきたいですからね。
そもそもごく普通ななインデックスファンドでも全然売れてない不人気商品が多数紛れているので信託報酬以外で選別するのは不公平な感じもします。
なのでいっそのこと、その他条件は問わず信託報酬のみで選別してもよいのではないか思っています。
水準をどんどん引き下げていけば、アクティブファンド業界に圧力をかけることもできますからね。
ちなみにアクティブファンドの多くが基準ギリギリの信託報酬になっているので、ちょっと引き下げるだけでほぼ全滅させることもできなくはありません(笑)
姉妹サイト…アクティブファンド一覧(つみたてNISAとは?)
むしろ既存有力ファンドに忖度した水準という見方もできます。
現状では良くも悪くも実績のあるアクティブファンドしか入れない条件になっていますし、後発の新鋭アクティブファンドにチャンスを与えるという意味でも信託報酬以外の条件の廃止は面白いのではないかと思います。
つみたてNISAとアクティブファンド
現時点でつみたてNISAは「インデックス優遇・アクティブ冷遇」の制度だとつみ次郎は考えていますが、見方を考えれば中途半端であるともいえます。
インデックス投資家からはアクティブファンドの選定基準を突っ込まれ、アクティブ投資家からは制限が厳しすぎる・個別株もやりたいという要望が出ているのもしばしばみられます。
つみ次郎は現状でも十分な完成度だと思っていますが、まだまだ調整できそうな部分はたくさんあります。
その中で「アクティブファンドの採用基準」というのは特に大きな意味を持っています。
基準が厳しすぎるとインデックス投資を半強制する自由度の低い制度になってしまいますし、逆に緩すぎると手数料稼ぎのボッタくりが紛れ込んでしまいます。
相対的にボッタくりなインデックスファンドの扱いも難しいところです。
そもそも国が投資信託を格付けしているという時点で何らかの軋みは発生してしまいますが、金融庁にはうまく駆け引きをしてもらって国内投信業界とつみたてNISAの持続可能な発展につなげてもらいたいですね。
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