つみたてNISAと現行NISA 積立シミュレーション
シーゲル二郎です。
シーゲル二郎は投資できる金額が月額たった5万円しかない貧乏投資家なので、来年から始まる積立NISAを強くオススメしています。
以前も「積立NISA vs 現行NISA」という記事を書いており、結論としては積立NISAをオススメしているものです。
ですが、他のブロガーの方を見ると、投資金額が年間120万円用意できるなら現行NISAのほうが有利という方が多いようです。
現行NISAの場合、非課税期間の5年が経過した時点で、評価額そのままで次の年の枠に収めることができるロールオーバーを使用できるため、より大きな額を運用できるメリットがあります。
当ブログの読者様より、積立NISAと現行NISAどちらがいいか?というコメントを頂いたので、ここで検証してみようと思います。
まず、積立NISAと現行NISAの特徴をまとめてみます。
積立NISA | 現行NISA | |
年額上限 | 40万円 | 120万円 |
非課税期間 | 20年間 | 5年間 |
投資可能商品 | ほぼ投資信託のみ | なんでもござれ |
ロールオーバー | 不可 | 可能 |
大体このくらい押さえておけば十分かと思います。細かい点を除けば、投資額が年間40万円以下であれば、間違いなく積立NISAです。
問題は、年額120万円を投資できる場合です。
年額120万円を20年間積立投資する前提でシュミレーションをしてみます。本来であれば、現行NISAではETF等を用いるべきですが、そこまでは計算できないので、一律同じ金融商品を用います。
共通条件
・いずれも同じ投資信託(無分配型)を利用する。(信託報酬は考慮しない)
・リターンは年率7%で固定とする。
・片方は積立NISA、もう片方は現行NISAを優先して利用する。
・特定口座を利用するときは値上がり益に20%課税される。
積立NISA優先側
・投資金額120万円のうち、40万円は積立NISA、残りの80万円は特定口座で運用する。
現行NISA優先側
・最初の5年間は全て現行NISAで運用する。(いずれもすべて6年~10年目でロールオーバーする)
・5年~10年目の投資資金は120万円全額特定口座で運用する。
・11年目~20年目は、投資資金のうち40万円を積立NISA、残り80万円を特定口座で運用する。
現行NISAは2023年に投資したものが最後になり、2027年まで非課税にできます。そのため、分かりやすく5年現行NISA+5年ロールオーバー=10年間非課税できたと仮定します。
11年目以降は現行NISA側も積立NISAを利用することとします。
結果は次の通りです。
文字が小さくてすいません。緑が積立NISA優先、赤が現行NISA優先です。最初は現行NISAが有利でしたが、後半で積立NISAが逆転しています。
いずれもそれぞれの年度で売却したと仮定した場合の金額なので、キャピタルゲイン税も考慮済みです。
非課税運用額が最初のうちは現行NISAのほうが多かったですが、後半になるにつれ積立NISAのほうが非課税で運用できる金額が増えていったため、このような結果になりました。
金額は次の通りです。
年数 | 積立NISA優先 | 現行NISA優先 |
1年目 | 1,272,800 | 1,284,000 |
2年目 | 2,623,496 | 2,657,880 |
3年目 | 4,057,541 | 4,127,932 |
4年目 | 5,580,769 | 5,700,887 |
5年目 | 7,199,422 | 7,383,949 |
6年目 | 8,920,182 | 9,168,025 |
7年目 | 10,750,195 | 11,060,187 |
8年目 | 12,697,108 | 13,068,000 |
9年目 | 14,769,106 | 15,199,560 |
10年目 | 16,974,943 | 17,463,529 |
11年目 | 19,323,989 | 19,841,728 |
12年目 | 21,826,269 | 22,342,153 |
13年目 | 24,492,507 | 24,973,359 |
14年目 | 27,334,183 | 27,744,502 |
15年目 | 30,363,576 | 30,665,378 |
16年目 | 33,593,826 | 33,779,514 |
17年目 | 37,038,994 | 37,100,440 |
18年目 | 40,714,123 | 40,642,630 |
19年目 | 44,635,312 | 44,421,573 |
20年目 | 48,819,784 | 48,453,842 |
最終的な差は365,942円となりました。投資金額を考えれば、かなり小さい差といってもいいです。
今回のケースでは積立NISAが勝利していますが、実際の現行NISAでは信託報酬などが有利なETFや個別株を選べるので、あくまで同じ無分配型投資信託に投資した場合の前提です。
今後もし積立NISAでETFなどが充実していくなら、この結果通り積立NISAが有利になっていくかと思います。
ですが、この程度の差であれば、信託報酬のほんの少しの差で吹き飛んでしまうので、ほとんど差はないといっていいです。
ですが、これだけではつまらない結果なので、シュミレーションでは分からない現行NISAの致命的な弱点について明日の朝6:00に語ります。
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