【不思議】SPYの運用期間は11人の寿命によって決まる?【S&P500ETF】

スパイダー次郎です。

Bloombergにて、ETFに関する興味深いニュースがありましたので紹介します。

外部リンク…26兆円超の世界最大ETF、命運握るのは普通の若者11人の健康

最初に記事タイトルを見たときは、前半部分が目に入らなかったので「寿命に賭けるETFなんてのもあるのか」なんて勘違いをしそうになりましたが、よくみたらこれSPYのことで非常に驚きました(笑)

SPYは、SPDR S&P500 ETFのティッカーシンボルで、S&P500指数に連動する海外ETFです。

設定年月日は1993年1月と古く、純資産総額は約26兆円という超巨大ファンドであり、世界最古&世界最大のETFです。

ETFの代名詞といっても過言ではない超メジャーETFであり、機関投資家から個人投資家まで幅広く利用しています。

そのような広く普及しているETFが、人間の寿命と紐ついているというのはとても驚きです。

 

SPYの償還予定日

SPYの設定日は1993年1月となっており、当初は運用期間を25年間と定めていたようです。

ちなみにつみ次郎はまだ生まれていません(笑)

そして2018年1月にその時を迎えましたが、その期限は延長されて現在に至ります。

これだけならよくある話ですが、問題はその延長ルールの不可解さです。

元記事より一部引用します。

「SPY」として知られる規模2500億ドル(約26兆4000億円)超の同ETFは、組成の際に使われた独特な法的枠組みのため、運用期限が1990年5月から93年1月の間に生まれた普通の若者11人の寿命と結び付けられることになった。

(途中省略)

多くのUITと同様、SPYは当初は25年後(2018年1月)が期限となるよう組成されていたが、後に11人の寿命に連動するように修正されたことで期限が延長された。

現在のSPYは2118年1月22日か、「11人の中で最後まで生き残った人の死亡」から20年後のいずれか早い時期に期限を迎える。
出典「Bloomberg

シンプルに再度25年間延長すれば事足りそうな感じもしますが、法律的な制約があるんですかね。

選ばれた11人は、特に金融関係の仕事に従事しているわけではなく、そのほとんどは自分の状況を把握していなかったそうです。

もし自分がそのような立場だったら、なんか嫌ですね(笑)

不謹慎な話ですが、仮に11人が全員事故等で亡くなった場合、その20年後にSPYも償還することになってしまいます。

最低でも20年の延長と考えれば長いようにも感じますが、SPYの役割を考えれば20年という歳月も短いような気もします。

もちろん今日から数えて20年程度で償還になる可能性は限りなく低いですが、全く無視できるリスクともいえなさそうです。

一番気になるのは、11人全員が亡くなってから20年間経過するまでの間に、償還日を延長できるかどうかですね。

20年間の猶予があるので、その間に何か手続きをすればちゃっかり延長できちゃいそうな気もします。

もし延長できてしまうなら、そもそも最初に11人の寿命を参照する意味もなくなってしまいますけどね(笑)

倫理的にも投資家的にも、ETFの性質に全く関係ない要素で償還日が左右されるというのはなんかもやもやします。

どのようないきさつでそのような取り決めになったのかは、とても気になりますね。

 

有価証券報告書にて

SPYの有価証券報告書でも、以下の通り記載がありました。

 

出典「STATE STREET

 

ここだけ見たみたら、とてもSPYの説明文とは思えないですね(笑)

ちなみに国内ETF版である1557も同じ条件ということになります。

少なくとも現在投資している人ならあまり気にしなくてもよさそうですが、子や孫の世代に相続させていく…といった壮大な計画を立てている人にとってはちょっと辛いですね(他人事)

まぁ何十年も先の話ですから、もしかしたら運用会社であるステート・ストリート社が先に潰れている可能性のほうが高いかもしれません(笑)

 

同じくS&P500指数に連動するETFとしては、次の2つも有名です。

・バンガード・S&P500 ETF(VOO
・iシェアーズ・コアS&P500 ETF(IVV

VOOはバンガード社が運用しており、設定日は2010年9月、信託期間は無限になっています。

IVVはブラックロック社が運用しており、設定日は2000年5月、信託期間は国内サイトで調べてみましたがよく分かりませんでした(英語力皆無)

SPYの設定日は1993年1月とかなり古いので、変な制約がついてしまったといえそうです。

まぁなんだかんだで半永久的に運用できるよう調整されるとは思いますが、このような昔の名残?というのは面白いですね。

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ステートストリート次郎

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