「思考停止」のインデックス型ファンドは危険か?
つみたて次郎です。
インデックス投資は特別な技術がなくとも市場平均と同等のリターンを得ることができます。
さらに投資信託やETF等を用いて積立投資を簡単に行うことができるため、インデックスファンド×ドルコスト積立というのは1つの王道パターンになっています。
基本的には同じことを淡々と繰り返し、市場平均を超えるための努力を一切放棄することから、「思考停止」と批判されることがしばしばあります。
先日インデックス投資に関する話題を呼んだ記事がありましたので紹介します。
外部リンク…「思考停止」のインデックス型ファンドが危険な理由(DIAMOND online)
タイトルは過激ですが、内容としてはインデックス投資の利点を交えつつ問題点を指摘しています。
筆者の森永康平氏からはこのようなツイートもされています。
筆者です。世界的に見て、コストの低いインデックス投信の積立投資が王道というのは理解してる上で、あえて議論の材料として書きました。総叩き覚悟ですが、議論を通して、何か気付きが生まれればと。よろしくお願い… #NewsPicks https://t.co/JPEe7qLSYp
— 森永康平@金融教育 (@KoheiMorinaga) 2018年10月14日
僕が言いたいのはこういうことですよー。
別にインデックス投資家を否定してませんよー。 https://t.co/2EziG5V1YI— 森永康平@金融教育 (@KoheiMorinaga) 2018年10月14日
つみたて次郎も記事の内容は概ね賛同できますので、議論を交えるつもりで中身を読み解いていきたいと思います。
エンハンスト・インデックスについて
ファクターモデル(サイズ、バリュー、クオリティ、モメンタム)等を用いて市場平均を超えることを目的とした「エンハンスト・インデックス」による運用について解説されています。
全銘柄を時価総額に応じて保有する伝統的インデックスでは、全体のパフォーマンスを押し下げる銘柄にも自動的に投資してしまうという弱点を抱えています。
ちなみに当ブログで頻繁に出てくるスマートベータ戦略も、エンハンスト・インデックス運用と同じような意味合いを持っており、つみたて次郎も深く共感できる部分です。
当然ながら、「全体のパフォーマンスを押し下げる銘柄」を事前に予想できるかどうかは大きく意見が分かれるところであり、それが不可能だと思われているからこそ伝統的インデックス運用が根強い支持を得ています。
もし伝統的なインデックスファンドを選好するにしても、過去もっと有効だった戦略があったという事実を知っておく必要はあると思います。
そのうえで、「そんな都合のいい戦略は今後続かない」と一蹴するくらいの心意気が必要ではないかと思います。
もちろん両方を併用してもよいですし、次の項目で述べますがそのようなハイブリット投資を筆者は推奨しているように感じました。
コア・サテライト運用の推奨
ポートフォリオのメイン部分を「コア」、その他の自由な部分を「サテライト」に分けて投資先を考える「コア・サテライト戦略」が推奨されています。
何もリスクの高いことをせよと言っているのではない。たとえば、コア・サテライト運用のように、投資に回す資産の8割はインデックス型ファンドの積み立て運用のままでいいが、残りの2割はインデックスに勝つべく、個別銘柄やテーマ型投信に投資をしてみてはいかがだろうか。
出典「DIAMOND online」
これは多くの投資家が一度は考えるべき問題だと思います。
インデックス投資は地味で退屈なので、その不満が高リスクな運用への転換や狼狽売りといった反動につながってしまう可能性があります。
であれば最初からポートフォリオの一部を使って、創意工夫を凝らした投資を行っていたほうが精神衛生上もいいですし、投資家としての楽しみにつながるのではないかと思います。
投資の果実はお金だけではない
筆者の最終的な結論部分を引用します。
もちろん、これらの努力をしたところで、必ず投資がうまくいくわけではない。ただし、それは投資の果実がお金だけである場合の話。努力によって身に付いた知識や洞察力は必ず実生活でも役に立つし、人生の質も高めてくれる。せっかく相場の世界に足を踏み入れるのであれば、思考を止めずにお金以上の投資の果実を手に入れることも視野に入れてみてはいかがだろう。そうすることでお金を深く知り、結果として数字もついてくるようになるだろう。
出典「DIAMOND online」
これはごもっともな話だと思います。
投資をお金を増やすための手段として割り切るのではなく、自分自身の成長にも役立てていくべきという考え方です。
投資に関する知識や理解を深めることは、実生活でも役立つことが多いと思います。
つみたて次郎の感想
ここからはつみたて次郎の感想を中心に述べていきたいと思います。
記事のタイトルにもある「思考停止」ですが、これはインデックスファンド自体への批判ではなく、「インデックスファンドを深く考えず選んでいる人」への批判であると思いました。
インデックス投資はまだまだマイナーとはいえ、つみたてNISAやiDeCoの普及もあり急速に知名度を上げています。
それだけに、なんとなくでインデックスファンドに投資している人も多数いるのではないかと思います。
なんとなくアクティブファンドに投資するよりはまだマシとはいえ、危険な状態であることには間違いありません。
上記のエンハンスト・インデックスでも触れましたが、数ある選択肢を吟味したうえでインデックスファンドを選ぶという過程が大事なのではないかと思います。
つまりインデックスファンドを選ぶ段階ではしっかり思考判断を行い、その後は思考停止で積立投資でもいいのではないのかという意見です。
また、記事ではコア・サテライト戦略が推奨されていますが、つみたて次郎はあまり好きではありません。
参考記事「コア・サテライト戦略を斬る!」
つみたて次郎はお金が大好きなので、アグレッシブな戦略でリターンを毀損するのは耐えられないです。
また、インデックス投資だけでは投資の勉強ができないわけではないですし、そもそも運用中は手間暇がかからないというのがインデックス×ドルコスト積立の大きな魅力です。
それだけに最初の意思決定が運命を大きく左右する投資法といえるので、インデックス投資をといえど思考停止ではなく自分の頭で考えて、納得できる投資法を考える必要がありますね。
ブログ村ランキング
インデックス次郎