NASDAQとNYSEの格差について

つみたて次郎です。

少し前の話ですが、興味深いブログ記事があったので紹介します。

外部リンク…米国株は13年間ほぼ上昇していない

米国株投資家としてはかなり衝撃的なタイトルですが、確かにニューヨーク証券取引所総合指数に限ればほぼ上昇していないですね。

一部引用します。

このチャートはニューヨーク証券取引所総合指数のチャートであり、ニューヨーク証券取引所に上場する2,000以上の銘柄を集めた指数である。一方で金融業界でよく使われるS&P 500は500銘柄の寄せ集めに過ぎない。ダウ平均に至ってはたった30銘柄である。

つまり、このチャートが実際には米国株の本当の姿を表していると言える。米国株は13年かけて10%も上がっていないのである。
出典「グローバルマクロ・リサーチ・インスティテュート

ただ、ニューヨーク証券取引所総合指数(以下:NYSE)を米国株の本当の姿として扱うのは無理があるように感じます。

もう1つの対となるナスダック総合指数(以下:NASDAQ)もそれの半分に迫る勢いで時価総額を増やしており、流石にそれを無視して米国株を語ることはできないでしょう。

また、銘柄数よりも時価総額カバー率で考えるべきであり、もっというならVTI(約3,500銘柄で構成)のチャートを見たほうがより実態に即しています(そしてVTIとS&P500の相関性は非常に高い)

日本では東証一部・マザーズ・東証二部・JASDAQ…と並べた時に、時価総額に大きな隔たりがあるため日本株=東証一部=TOPIXとみなしても問題ないといえるかもしれませんが、その理屈を米国で当てはめるのは難しいでしょう。

余談ですが、つい先日東証二部とマザーズの時価総額が逆転したようですね。

外部リンク…IT・医療に資金流入 マザーズ時価総額、東証2部を逆転 コロナ時代で成長期待

元記事の話をまとめるなら、NASDAQに含まれてない銘柄(≒NYSE)のリターンはショボいという結論になります。

NYSEはリーマンショック前の最高値をわずかに超えているにすぎませんが、NASDAQは既に3.5倍ほどまで成長しています(しかも配当抜きで)

NYSEとNASDAQの格差

GAFAMを筆頭に、NASDAQの構成銘柄の勢いは止まらず、NYSEとNASDAQの格差は広がり続けるばかりです。

元々NYSEはオールドエコノミーでティッカー1~3文字・NASDAQはニューエコノミーでティッカー4文字という棲み分けがされていましたが、最近ではその法則もガン無視されており、個別株を売買するうえでもこの2つを意識することはほぼありません。

その一方で、NASDAQというのは一種のブランドになりつつあります。

NASDAQ100の先物取引は人気ですし、NASDAQ100に連動するインデックスファンドもQQQ・TQQQなどを筆頭に多数存在しています。

その一方で、NYSEの先物指数やNYSE総合指数に連動するインデックスファンドはほぼ皆無です(少なくともつみ次郎が調べた範囲では)

したがってNYSEというブランド価値は存在しておらず、NYSE対NASDAQという棲み分けにはなっていません。

米国株全体(≒NYSE+NASDAQ)が欲しい人、NASDAQだけが欲しい人という棲み分けになっているといえます。

リターンだけではなく、金融商品の需要という面でもNYSEはNASDAQにボロ負け状態であるといえます。

確かに現在でもNYSEは米国株式市場の中心ポジションではありますが、もはやNASDAQはNYSEと肩を並べられるような状態まで成長している現状を考えると、これほど格差が広がっているのは違和感がありますね。

ようするに「NYSEだけ欲しい」という逆張り野郎の需要に答える供給がないという疑問です(笑)

NASDAQ投資に対する疑問にもつながる

前述したとおり、NYSEとNASDAQの差は教科書通りに上場している証券取引所が違う以上の意味を持たなくなっています。

したがって、NASDAQ市場に投資する(QQQ等)という選択をとっても、将来的には自分がイメージしていたものと違う内容になってしまっている危険性があります。

あくまで現時点では大型ハイテクグロース株中心の市場になっているだけであって、順当に考えればその傾向はどんどん小さくなっていくはずだからです。

GAFAMだっていずれ成長が止まり成熟企業になりますが、そうなったらNYSEに移行する…なんてこともないでしょうし(笑)

なのでハイテク企業に投資したいのであれば情報技術セクターETF(VGT等)・グロース株に投資したいのであればグロース系ETF(VUG等)という直接的な属性で絞ってイッた♂ほうがいいと思います(前者はコミュニケーションサービスセクターの扱いに頭を悩ませることになりそうですが)

もちろん短期投資ならあまり気にしなくてもよさそうですけどね。

この理屈で考えると、仮にNYSEに連動するETFが登場したとしてもつみ次郎は投資しないという事になります(辛)

NYSEだけに投資する・NASDAQだけに投資するのは本来対となる概念のはずですが、現実世界ではそうなっていない以上、NASDAQ銘柄への投資比率というのは投資家の運命を大きく分けることになりそうです。

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NYSE次郎

NASDAQとNYSEの格差について” に対して1件のコメントがあります。

  1. めだか より:

    NASDAQのETFでQQQ,TQQQを紹介するならQYLDもいれて欲しかったです
    最近重点的に買いにいってて今320万円ほど持ってます
    分配利回りは驚きの11-12%
    QQQのカバードコールETFなので分配金は配当からではなくコールオプションの
    売りが原資となっています、よって減配リスクは低いです

  2. つみたて次郎 より:

    >>めだか様

    かなり面白そうなETFですね!
    コールオプションについてはあまり詳しくないので勉強してみます。

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