ニッセイAMが<購入・換金手数料なし>シリーズの信託報酬を大幅引き下げ!

つみたて次郎です。

低コストファンドとして人気が高い、<購入・換金手数料なし>シリーズを運用するニッセイ・アセットマネジメント㈱が、既存投信の信託報酬引き下げを発表しました。

外部リンク「<購入・換金手数料なし>シリーズ6ファンドの信託報酬引き下げ(投資信託約款変更)について

引き下げられるのは下記6商品です。

略称※ 変更前 変更後
ニッセイ日経平均インデックスファンド 0.18252% 0.17172%
ニッセイ外国株式インデックスファンド 0.20412% 0.11772%
ニッセイ新興国株式インデックスファンド 0.36612% 0.20412%
ニッセイ・インデックスバランスファンド(4資産均等型) 0.23652% 0.17172%
ニッセイ・インデックスバランスファンド(6資産均等型) 0.23652% 0.17172%
ニッセイ・インデックスバランスファンド(8資産均等型) 0.23652% 0.17172%

※正式な商品名は先頭に「<購入・換金手数料なし>」の文字が入ります。

今回の引き下げで、いずれの商品も国内商品としては信託報酬最安値の投資信託となります。

特に外国株式における0.117722%は、日本で公募されている投資信託の中ではEXE-iつみたて先進国株式ファンドの0.1155%に次ぐ2番目の低さになっています。

今までほぼ全てのジャンルで信託報酬最安値を誇っていたのは、三菱UFJ国際投信㈱が運用する「eMAXIS Slim」シリーズでしたが、今回ニッセイが抵抗値下げを行った状況です。

eMAXIS Slimシリーズの同ジャンル商品と信託報酬を比較してみます。

ジャンル <購入・換金手数料なし> eMAXIS Slim
TOPIX 0.17172% 0.17172%
日経平均 0.17172% 0.17172%
先進国(外国)株 0.11772% 0.11826%
新興国株 0.20412% 0.2052%
4資産均等 0.17172% (該当なし)
6資産均等 0.17172% (該当なし)
8資産均等 0.17172% 0.1728%

 

先進国株・新興国株・8資産均等については、単独で最安値になりました。

TOPIXと日経平均については、Slimとまったく同じ水準です。ちなみにTOPIXは今回引き下げられませんでしたが、元々同じ水準になっていた珍しいジャンルでした。

4資産均等と6資産均等については、Slimで扱っていないため元々最安値でしたが、さらにライバル商品との差を広げた形になります。

今回の引き下げで名実ともに、ニッセイは低コストリーダーの座に返り咲きましたね。

ただし投資信託においては、確実に発生する上記の信託報酬以外に、運用管理費・トラッキングエラーなどの不確定な隠れコストが存在します。

そして<購入・換金手数料なし>シリーズは、他ファンドに比べ不可解な動きをすることが多く、度々下方乖離を発生させているという現状があります。

その点も踏まえ、Slimからの乗り換え等については慎重になっていきたいですね。

<購入・換金手数料なし>シリーズは、元祖低コストインデックスファンドともいえる看板商品であり、ホルダーの方も非常に多いです。

また、他社に対抗する時も、新規ファンドを立ち上げるのではなく、既存ファンドの信託報酬を引き下げるという誠実さもあり、根強いファンを獲得しています。

そのような事情もあり、今回の信託報酬引き上げは投信クラスタにとっては大ニュースといえ、多くの人が喜ぶことになるでしょう。

つみたて次郎はいずれも保有していませんが、Slimの抵抗勢力が現れたというのは嬉しいですね。

 

その一方、心配な部分もあります。

ニッセイ以外の多くの運用会社は、既存の高コスト投信と新規の低コスト投信を並行して販売するという戦略が一般的に取られています。

その最たるものが三菱UFJ国際投信㈱で、なんと同じような商品を3パターンの信託報酬で販売しています。

例として、MSCIコクサイ(日本除く先進国株)に連動する商品をまとめてみました。

ファンド名 信託報酬 総資産額
eMAXIS Slim 国内株式(日経平均) 0.11826% 約147億円
つみたて先進国株式ファンド 0.216% 約8億円
eMAXIS 先進国株ファンド 0.648% 約345億円

 

いずれも運用会社は三菱UFJ国際投信㈱、マザーファンドは全て同じであり、分かりやすく言えばほぼ同じ商品を別々の値段で売っている状態です。

最初に誕生したのは一番下にあるeMAXIS(通称:Fat)ですが、わざわざ0.648%の信託報酬で納得している顧客がいるのに、既存ファンドを引き下げて収入を減らす必要はないため、このような歪な商品設計になっているのが現状です。

また、一番上のeMAXIS Slimについては、単純に総資産額に信託報酬をかけた金額が2,000万円にも届かず、とても単独で採算がとれる水準とは思えません。

ハッキリ言えば、eMAXIS Slimの低コストを維持するために、他商品の売上で補填しているような状況になっています。

 

その一方ニッセイの場合、MSCIコクサイに連動する商品は下記の1本しかありません。

ファンド名 信託報酬 総資産額
<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド 0.11772% 約895億円

 

そのため、信託報酬引き下げによる収入減少がダイレクトに発生します。既存ファンドなので総資産額が大きく、その意味でも影響は大きいです。

ニッセイが信託報酬を引き下げるのと、他社が信託報酬を引き下げるのでは、運用会社にとっての負担が全く違うということになります。

むやみに新規ファンドを立ち上げず、既存ファンド保有者を見捨てないニッセイの姿勢は素晴らしいですが、その代償は非常に大きいものとなります。

そして運用会社にとっての負担が増えるということは、将来の信託報酬の引き下げ余地をなくすどころか、信託報酬引き上げという改悪・最悪の場合は不採算による繰上償還につながる危険性があります。

これは日本の主要インデックスファンド運用会社としては、ニッセイが独自に抱える問題であるといってもよさそうです。

(厳密には、ニッセイも日経平均やTOPIXなどで複数ファンドを運用していますが、信託報酬の差は小さいためあまり影響はないでしょう)

 

もともと日本の金融機関全体が、全く割に合わないボッタくり商品と優良な低コスト商品を両方販売しているダブルスタンダードな状態ではありますが、その中でニッセイはマシな販売方法を行っていることになります。

比較するのは少し酷ですが、米バンガード社の様に徹底したコスト削減とスケールメリットを活かし、全商品を低コスト化できることが最も理想的ではあります。

そのためには、日本にインデックス投資そのものを普及させ、運用会社全体のパイを増やすことが必要不可欠だと思っています。

現状では、インデックスファンドは運用会社にとって薄利なジャンルかもしれませんが、日本でインデックス投信全体の需要が増え、ニッセイのような理念を持った運用会社が増えていけばいいなと思います。

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ニッセイ次郎

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