松井証券が投資信託のポイント還元サービスを導入
つみたて次郎です。
ネット証券の一角である松井証券より、投資信託に関する新サービスが発表されました。
外部リンク「ポイントサービスの導入とクレジットカードの発行について」
先日楽天証券が発表した、楽天カード決済によるポイント還元サービスに対抗したものかと思いましたが、内容は大きく異なっているようです。
現時点では有力なサービスであるかはっきり分からない部分もあるため、推測も交えて概要について説明していきたいと思います。
目次
概要について
2018年10月下旬を目安に、投信に関するポイント還元サービス及びクレジットカード「MATSUI SECURITIES CARD」の発行を開始するようです。
ここだけ聞くとクレジットカード決済で投信を買うともらえるポイントのような感じがしますが、実際はそれぞれ独立しているため、今後の情報を確認していく必要があります。
ポイント還元サービスについて
上記のうち、ポイント還元サービスについて現時点の情報をまとめてみます。
ポイントの名称と使い道
今回導入されるポイントの名称は「松井証券ポイント」です。Amazonギフト券など各種商品券と交換できる他、松井証券口座内で投資信託の買付に利用することができます。
購入手数料相当額をポイント還元
松井証券では、購入時手数料がかからないノーロード投信を主に取り扱っていますが、今後は購入時手数料が必要な投信のラインナップも増やしていくとのことです。
そして今後は、購入時手数料相当額を松井証券ポイントで還元するとのことです。
実質的に全ての投資信託がノーロード化するようなものです。とはいえ、主要ネット証券ではほぼ全ての低コストファンドをノーロードで買付できるため、現時点ではあまり魅力的なサービスとは言い難いです。
参考記事「売買手数料が無料なノーロード投資信託は長期投資に向いてない?」
対象の投信保有で年間0.1%の還元
今回の記事の一番メインともいえる部分です。
対象の投資信託の毎月の平均残高に応じて、年間0.1%相当をポイント還元されるようになります。
これは他のネット証券でも導入されているところが多いですね。
楽天証券の場合は一律0.048%の還元、SBI証券では投信の種類に応じて0~0.1%※の還元になっています。
※残高1,000万円以下の場合。低コストファンドの場合は最大0.05%になっていることが多い。
これらと比較すると一見魅力的に見えますが、あくまで「対象の」投資信託なので、おそらくeMAXIS Slimのような超低コスト投信では付与されないのではないかと予想します。
どこまでが対象商品になるかで大きく評価が変わる項目となります。
クレジットカードの発行について
松井証券は株式会社ジャックスと提携し「MATSUI SECURITIES CARD」という名称の新クレジットカードサービスを始めます。
ジャックスは高還元クレカの発行元として有名ですね。
クレジット利用による還元率は1%
「お支払額100円(税込)ごとに1ポイントもらえるため、還元率は1%となります。(1ポイント=1円相当であることが読み取れます)
還元率1%というのは楽天カードと同等で、ポイント還元を重視したクレジットカードとしては標準的な水準といえます。
年会費等の維持手数料については特に記載されていません。
クレカと証券口座の連携について
てっきり楽天証券に抵抗したサービスだと思ってましたが、クレジットカードによる投信積立やそれによるポイント還元については特に記載されていません。
現時点の情報では「クレジットカード利用で得たポイントで積立買付ができる」くらいしか松井証券とクレジットカードの関連性がなく、楽天と比べてしまうとシナジーは非常に弱いです。
新サービスについてまとめ
購入時手数料の全額ポイント還元は将来性がありますが、ノーロード投信全盛期ともいえる現在ではあまり意味のないサービスになってしまう可能性が高いです。
投信保有残高によるポイント還元はまだはっきりしない部分がありますが、低コストファンドに付与される可能性は低く、楽天証券やSBI証券を超えるのは難しそうです。
また、MATSUI SECURITIES CARD自体は優秀なクレジットカードといえそうですが、松井証券口座との連携を含めた評価としては疑問が多く、わざわざ同時に発表した意味が薄いというのは大きな問題です。
楽天証券×楽天カードとの比較
証券口座とクレジットカードの連携という点では、やはり楽天証券×楽天カードが圧倒的といえます。
クレジットカード決済で投信積立が可能な点や、それに伴う投資額×1%のポイント還元は非常に強烈です。(ただし月額5万円以下まで)
参考記事「楽天カードで投信の積立が可能に!ポイント還元1%分もしっかり再投資可能!」
万が一松井証券が同等のサービスを発表したとしても、楽天証券を選ぶべきではないかと思っています。
理由の大きな1つとして、各サービスの連携力に大きな差があるという点です。
楽天証券株式会社と楽天カード株式会社は同じ楽天グループであり、同じくグループである楽天銀行ともそれぞれ強い連携があります。
グループ全体としてポイント還元サービスに長けている点も非常に心強いです。
その一方、松井証券株式会社とクレカ発行元である株式会社ジャックスはあくまで提携しているにすぎず、積極的なサービスを継続できるかは大きな疑問です。
そもそもクレカ決済による投信積立が物理的に導入可能なのかどうかも怪しいところです。さらにはポイント還元まで導入される可能性は極めて低いと思われます。(もし導入されたら笑ってください)
連携力で楽天証券に抵抗できるのは、SBI証券×SBIネット銀行(ミライノカード)くらいではないでしょうか?
個人的には楽天証券×楽天カードによる投信買付時1%還元ですら、やり過ぎ感があり持続可能なサービスであるかは疑問で、早急な改悪・廃止も十分あり得るレベルだと思っています。
全体的に残念なサービス
少し話が脱線しましたが、松井証券の新サービスは現時点で判明している情報を見る限りでは全く魅力的とはいえません。
仮に楽天証券に匹敵する還元サービスを発表したとしても、企業背景の違いを考慮すればまだまだ楽天証券のほうが有利でしょう。
とはいえまだまだ不明瞭な部分も多く、今後の発表次第では熱い掌返しをすることになるかもしれません。
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松井次郎