稲妻が走る瞬間とは?

つみたて次郎です。

株式は、過去200年間右肩上がりで成長を続けてきました。

世界経済の発展とともに、株式会社の株主らも大きな恩恵を受けてきました。

しかし、右肩上がりなのは何十年という長期間で考えた場合であり、期間が短い場合は上にも下にも大きく振れます。

米国株の歴史上もっとも低迷したのは1966~1981年の15年間で、実質リターンは▲0.4%という散々な結果でした。

参考記事「米国株の暗黒期(1966~1981)を考える

したがって短期間で見れば、ジグザグなレンジ相場もあれば、大きく下がり続ける下落相場もたくさんあります。

つみたて次郎は、株式のみに集中投資を行い、基本的に売買はせず買い増しするだけのバイアンドホールド戦略を採用しています。

原則として売却しませんので、暴落が発生すればダイレクトに損失を被ることになります。どれだけ下がろうと売ることはせず、むしろ給与積立を継続して買い増ししていくスタイルです。

バイアンドホールド戦略は、保有している株式が割高であろうと、今後の下落が予想されたとしてもポジションを解消することはありません。

この手法は、しばしば「アホールド(アホ+ホールドという造語)」と呼ばれ批判されることもあります。

上昇相場が始まる前に買い、下落相場が始まる前に売れば一番儲かるからです。

しかし、割高・割安の判断や、相場の動きを予想するのは非常に難しく、さらには売買をすればするほど手数料や税金がかさむため、単純なアホールドに勝つことは困難とされています。

さらに決定的に有利な点として「稲妻が走る瞬間」という概念があります。

稲妻が走る瞬間」とは、インデックス投資を推奨するチャールズ・エリス氏が著書「敗者のゲーム」で使用していた言葉です。

株式市場には、前触れなく大幅上昇を記録する日が存在しています。株式市場のリターンは、そのごくわずかな日数の間にリターンの大きな部分を生み出します。

 

参考記事「敗者のゲーム」

これは、米国株式市場を代表するS&P500指数の1980~2008年の28年間におけるリターンのグラフです。

S&P500は、年平均11.1%という素晴らしいリターンを叩き出しています。

しかし、28年間のうちベスト10日間を逃すと、リターンが8.6%まで下がってしまっています。

28年間は、日数に直すと1万日ぐらいになりますが、そのうちたった10日間(全体の約0.1%)を除くだけで、年間2.5%もリターンを減らしてしまうことになります。

長期投資において2.5%の差は非常に大きいです。

投資期間を20年とした場合、11.1%複利だと資産は約9倍になりますが、8.6%複利では約5.2倍ほどにしかなりません。

投資期間が長くなるほど、その差は大きく広がっていくことになります。

そして、バイアンドホールド戦略は稲妻の走る瞬間を逃すことは絶対にありません。なぜなら常に市場にいるのだから。

逆にタイミング投資戦略は、稲妻の走る瞬間を逃さないように立ち回らなければなりません。暴落を回避しつつ、都合よく稲妻が走る瞬間に市場に居続けるというのは非常に困難です。

いいかえれば、タイミング投資戦略は、ほんの一瞬のミスで大きなリターンを失いかねないという弱点を抱えていることになります。

その分うまくいけば大きなリターンが見込めるのは間違いありませんが、非常にシビアな判断が求められるという点には注意が必要です。

そしてドルコスト平均法などで積立投資している人にとっても、厳しい現実となります。

積立投資家は、序盤の投資額が必然的に小さくなる投資法ですので、序盤に稲妻が走ってしまうとその恩恵が半減してしまうどころか、その後の取得単価を引き上げるため悪影響にすらなります。

つみたて次郎もまだ積立序盤ですので、現時点での稲妻は歓迎できません。

どうせなら、稲妻は全身で浴びたいですからね。

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イナヅマ次郎

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