米国株の暗黒期(1966~1981)を考える
シーゲル二郎です。
米国株は、長期で切り取れは右肩上がりの素晴らしい成長をしていますが、期間が短いと横ばいの時期ももちろんあります。
期間別実質トータルリターン年平均
期間 | 米国株式 |
1802-2006(204年間) | 6.9% |
1946-1965 | 10% |
1966-1981 | -0.4% |
1982-1999 | 13.6% |
1985-2006 | 8.4% |
参考文献「株式投資第4版」
米国市場においては、1966~1981の15年間が暗黒の時代だったといえます。インフレ調整後のトータルリターンはマイナスです。
15年は、人生の影響を与える上では十分なインパクトがある期間なので、この間ずっと保有し続けるのはなかなか大変だったと思います。
その一方、次の1982~1999年は、それを取り戻すかのような高いリターンになっています。
実はこのデータ、シーゲル二郎が米国株投資を決めた大きな理由の1つなんです。
こんなグラフを作っていました。
1965年=100とした場合の、米国株実質リターンです。
もちろん株価はジグザグに動くので、実際はこんなグラフにはなりませんが、1966~1981年と1982~1999年の平均リターンをもとに作成しています。
当然ながら、1981年まではジワジワと減り続けています。多くの長期投資家も15年という低迷に嫌気をさして売ってしまうでしょう。
しかし、1982年以降の上昇を見る限り、過小評価されていたことが分かります。1966~1999年という34年間は、現実的な投資期間の範囲には収まるので、愚直にホールドできた人は素晴らしいリターンを得ることができました。
1966~1999年における年平均リターンは約6.8%と、米国株の超長期平均リターンにしっかり収束しています。
簡単に言ってしまえば、悪い時期の後には良い時期が訪れるということでもあります。
期間が長くなればなるほど、リターンは7%前後に落ち着くので、たった数年のリターンを気にしても仕方がありません。
ですが、仮にこんなグラフはどうでしょうか?
上昇相場と下落相場の順番を逆にしてみました。
もちろん1966~1999年で切り取れば、どちらもリターンは一緒になります。
ただし、これは一括投資した人の場合です。積立投資した人の場合、全く違う景色になります。
一括投資、積立投資(ドルコスト平均法)だった場合の平均リターンは次の通りです。
現実 | 反対 | |
一括投資 | 約6.8% | 約6.8% |
積立投資 | 約5.8% | 約2.8% |
非常に大雑把な計算ですので、あくまで参考です。
上記のグラフをもとにすると、積立投資した場合のリターンに衝撃的な差が出ています。
現実の場合、序盤が割安だったため、ドルコスト平均法をフルに生かすことができていますが、反対の世界では序盤が割高だったため、非常にリターンが低いです。
最終的なトータルリターンには3倍近い差が生まれており、どちらの世界で積立したかで全く違うリターンになっています。
積立投資は、確かに高値掴みを防ぐことができますが、一方的な相場が続くと、リターンにブレが生じてしまうのが大きな弱点です。
参考記事「積立投資の危険性」
その一方、現実世界では、一括投資した人のリターンと、積立投資した人のリターンにそんなに差がありません。
これは言い換えれば、低迷相場から上昇相場というのは、一括投資と積立投資の差が縮まるタイミングでもあります。
多くのサラリーマンは積立投資を余儀なくされるので、長期の低迷から積立を開始できるのは最高のタイミングです。
一括投資する人は、長期の低迷期間はなかなか苦痛ですが、積立投資する人にとっては最高のご褒美になります。
シーゲル二郎が米国株に現在投資しているのは、「今後右肩上がりになりそうだから」ではなく、「これから低迷しそうだから」です。
低迷してから積立できれば一番いいのですが、低迷は後から振り返って分かるものなので、割高だと思いつつ積立を続けています。
現在の米国株バブルは、きっと数年のうちにしぼむはずです。
右肩上がりを期待するより、暴落や低迷を期待していたほうが心理的にも楽です。
これからの米国株がかつての1966~1999年のようなチャートを描くことを心から楽しみにしています。
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暴落はよこい
こんにちは(^^)いつも楽しく拝見させていただいております。
お忙しいとは思いますが、お知恵をお貸しください。
私は、SBIのイデコ 、セレクトプランに加入する予定です。
今悩んでいるのは商品及びポートフォリオです…
私は、ほとんど投資の知識がありませんので、放置を考えています。
商品は
eMAXIS Slim 全世界株式とeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)を50パーセントずつのポートフォリオで考えているのですが、この2商品だけではハイリスク過ぎる気もします。
つみたて次郎様ならどのようなラインナップで、ポートフォリオを作られるか教えていただけませんか^_^?
>>坂本様
どうもこんにちは。いつもありがとうございます。
その2商品自体については良い選択だと思いますが、株式100%になるのでリスクは高めですね。
iDeCoの場合リバランスによるロスが小さいので、リスクを抑えたいのであればeMAXIS Slim 国内債券インデックス又はあおぞらDC定期を固定比率で組み込んでリバランスするのがよさそうです。その場合は完全放置にはなりませんが、iDeCoのメリットを活かすのであればぜひ検討していただきたいです。
ちなみに私もセレクトプランに移行手続き中であり、ポートフォリオはSlim米国株式100%にしようと思っています。もちろんリスクは高めなので直接参考にはしないでください(笑)