非課税のインデックスに勝てる奴はいるのか?
シーゲル二郎です。
長期投資では、正確なリターンを予想することは誰にもできません。
ですが、リターンに悪影響を及ぼすコストは明確に予想することができます。
ETFで有名なバンガード社は、徹底したコスト削減を行い、驚異的な信託報酬の引き下げを続けています。コストが下がれば下がるほど、将来のリターンは確実に向上します。
アクティブファンドや頻繁に売買を繰り返す投資家の多くが負けてしまうのも、余計なコストを払い過ぎているからです。
日本でコストというと、売買手数料や為替手数料、そして信託報酬のことについて語られることが多いです。
ただ、これらは割合でいえばたいしたコストではありません。いずれも1%に満たない小さな額での話です。
最も注意するべきは、政府からの課税です。
米国株においては、配当金への税金が米国から10%、日本から20%の合計約30%が引かれてしまいます。
値上がり益については日本からのみですが20%引かれてしまいます。
米国株における長期平均リターンは約7%ほどですが、そのうちの30%や20%が蝕まれることで、最終的なリターンに与える影響は大きなものになります。
最も税効率がいいのは、配当金が一切出ない場合です。個別株だと、バークシャーハサウェイ(BRK.B)などが当てはまります。
値上がり益であれば税金は必ず20%で済み、さらに課税タイミングを遅らせることで福利効果を高めることができます。
仮に年リターンが7%、配当金は一切なしという銘柄でシミュレーションしてみようと思います。
最初に100万円投資して、30年間放置することにします。
ただし、特定口座に全額ぶち込むので、30年後に値上がり益の20%を差っ引きます。
課税前と課税後では、次の通りになりました。
評価額 | 幾何平均 | |
課税前 | 7,612,255 | 7% |
課税後 | 6,025,314 | 6.1694% |
単純に課税前リターンの7%から20%を引いた場合、5.6%になりますが、実際は税の繰り延べ効果によりそれより高く6.1694%となっています。
ただし実際は配当金が発生し繰り延べ効果を弱くするので、現実的には6%前後の幾何平均リターンになると思われます。
何がいいたのかというと、課税口座を使うか非課税口座を使うかで、だいたい1%ものリターンの差がでてしまうということです。
現在日本の税制では、現行NISA、積立NISA、iDECOを活用することが可能です。ただし積立NISAとiDECOの場合、ほぼ投資信託しか選べず、選択肢は事実上インデックスファンドのみです。
ただ、シーゲル流、バフェット流と様々な投資スタイルがありますが、いずれにせよ安定して市場平均の1%もの超過リターンを叩き出すのは至難の業です。
多くの投資家は、たった1%や2%の超過リターンのために工夫を凝らしていることを考えると、非課税口座での投資は、それだけで市場平均+1%という破格のリターンを得ることができます。
要するに非課税口座を使わないということは、「市場平均を毎年1%超える自信がある」といっているようなものです。
シーゲル二郎が嫌々インデックスファンドを購入しているのも、どんな戦略よりも「確実にインデックス+1%」のほうがはるかに魅力的だからです。
ただ、積立NISAやiDECOで投資できる商品はほぼ投資信託なので、信託報酬等は割高です。ですが、非課税口座を使うだけで得られる+1%に比べれば、ETFとの投資信託の差なんて無いに等しいです。
だからシーゲル二郎は、現在投資資金のすべてが現行NISA+iDECOの非課税口座に収まっているし、来年からは積立NISA+iDECOをフル活用する予定です。
長期投資家であれば、シーゲル流とかバフェット流とかやる前に、「いかに非課税口座を使い倒すか」が先だと思っています。
投資信託が嫌いとか、インデックスファンドが嫌いという理由で積立NISAやiDECOを避けている人は、かなり大きなハンデを背負っていることを自覚するべきです。
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非課税口座は必ず使うべき