配当金は現金ではなく購買力だ!
シーゲル二郎です。私が投資を始めたきっかけは、実物資産で購買力を維持したいと考えたからであり、実物資産に近いと思う株式で資産を保有しています。
そのため、PBRが低くて資産が多い会社が好きなのかといえばそうではありません。むしろ、会社が生み出す利益であるPERを中心に考えるほうが好きです。
そして、シーゲル派の宿命か配当金が大好きです。
現金はインフレに勝てないから嫌いなのに、なぜ配当金を好むのでしょうか。それは、会社が生み出す配当金と、通帳に眠っている預金は、決定的に質が違うからです。
ここで、コカ・コーラ本社の株を使って考えてみます。1ドル=110円とすると、今日のコカ・コーラ株の値段は約5,000円です。そして、配当利回りは3%強なので、分かりやすく年間の配当金は5,000×3%強≒160円だとします。
160円だとちょうどコカ・コーラ500mlペットボトルが1本買える金額です。あり得ませんが、もし将来ハイパーインフレが起きたと仮定して、一本10,000円になったとしましょう。
コカ・コーラ社の経営が問題なければ、きっと配当金は年間10,000円近い金額になっているはずです。だってコカ・コーラを10,000円で売るようになっているんだから、インフレに合わせて利益も上がり、配当金も上がるはずだからです。
つまり、コカ・コーラ社の配当金は、毎年コカ・コーラ1本買えるだけの購買力であるとも取れます。
逆に言えば、インフレであっても、価格に転嫁して値上げできるような企業でなければダメだということになります。
インフレ中は、お金の価値が下がっていくので、どんな企業でも連続増配が簡単に可能になります。
ジンバブエドルで配当金を出すなら、日本のポンコツ企業だって60年連続増配できます。
ただ連続増配するだけでなく、継続的にインフレ率と同等以上の増配率がキープできる企業ではダメだということです。
逆に言えば、そのような企業に投資してしまえば、インフレだろうがデフレだろうが、購買力を維持どころか拡大していくことができます。
コカ・コーラの配当金は、160円の現金ではなく、どんな時でもコカ・コーラ1本を買える購買力をもらっているということなんです。