投資家の最大の目的は購買力の増大だ
シーゲル二郎です。投資家の最終目標は、税引後リターンを最大にすることですが、実はもう一つあります。
それは、購買力の維持と増大です。シーゲル二郎が投資を始めたきっかけは、インフレによる資産の目減りに恐怖を覚えたからです。
購買力とは、自分が欲しいものをどれだけ買えるかというパワーです。
例えば、もし今100万円をもっていて、そのまま未来にタイムスリップしたらどうなるでしょうか。100万円あれば、安い軽自動車なら買えそうな値段ですが、おそらく何十年先の未来では買うことはできないでしょう。
なぜなら、今の金融経済では、ゆるやかなインフレにより価値が下がるのはさけられないからです。日本は長い間デフレでみんな平和ボケしていますが、日本銀行がお札を刷り続ける以上、インフレに転じるのは避けられません。
逆に言えば、ものすごいデフレで物価が下がるのならば、多少資産が減っても問題ないとも取れます。もし未来では軽自動車の新車が25万円で買えるのなら、100万円が50万円に下がっていたとしても、2台買える分購買力は2倍になったので、投資は成功といってもいいでしょう。(納得できるかは別として)
逆に言えば、デフレに強い資産(現金、個人年金など)で保有するということは、インフレ時に購買力を維持できない結末を迎えることになります。
資産の大部分を現金などで保有するということは、デフレに大きく賭けたギャンブルにすぎないということを理解しなければなりません。
そのためシーゲル二郎は、資産の大部分をインフレに強い資産で保有することを推奨していきたいと思います。
インフレに強い資産も、いろいろと種類があり、代表的なものは、土地や金です。
しかし、土地や金は、需要と供給によってのみ価値が上下するものであり、安定的ではありません。
そこで登場するのが株式です。株式も、もちろん需要と供給で株価が変動しますが、株式を保有していれば、企業の成長や配当金によるリターンを得ることができます。
また、歴史的にも、長期で購買力を保全するなら、もっとも株式が有効であることが証明されています。
1929年に起きた世界恐慌の際は、株式の価値が90%も下がった過去最大の暴落でした。しかし、その当時の一番高い時に株を購入していたとしても、その後ずっと保有していれば、現金や国債とは比較にならないほどの購買力を増大することができました。
バブルなんて無視しても、適切な株式を購入できれば、現金よりもはるかに安全だったんです。
つまり、インフレに強く歴史的に購買力を増やし続けた株式で資産を保有するということは、過去から学べば当然の選択なんです。
自分の資産の中に株式を入れないということは、過去の歴史を無視した非常に危険な状態であることを理解してください。